ノブ ・・第3部
そう言ってボクを見上げたリエ坊の目には、涙が溜まっていた。
「リエさん・・」
「オレだって、分かんないよ、どうしたらいいのか・・」ボクはリエ坊の肩を抱いた。
「死んだ彼女をまだ忘れられなくて、でも新しい彼女が出来て・・」
「・・今度はリエさん」
オレって、どうしようもない人みたい・・とリエ坊の耳元でボクは正直に言った。
だから、こんなヤツには関わらない方がいいのかも・・・と。
シン・・と言いながらリエ坊はボクに抱きついてきた。
そして言った。
「でも、好きなの!会いたくてあいたくて・・我慢出来なくて・・」
「・・・・」
「いいの、シンの事、こんなヤツなんて思えないし・・私もう焼餅なんて妬かない!シンを困らせる様なことは絶対にしないから!」
リエ坊はボクの顔を正面から見た。
「シンはさ、そのままでいいから・・そのままのシンでいて?!」
「私、福岡の彼女の事も、その・・亡くなった彼女の事も、知りたいなんてもう言わない・・」
リエ坊は無理やり笑顔を作って、続けた。
「可笑しいよね、知りたいって思って自分から聞いてさ、自分が辛くなってるんだから・・・バカだよね、私」
「リエさん」
「シンの事、もっともっと知りたいよ?」
どこで生まれてどんな家庭で育ったのか、どんな子供時代を過ごしたのか・・・知りたい事は沢山あるけど・・とリエ坊は言った。
「でも、彼女の事だけは知りたくない・・」
「だから、もう聞かないから、シンも言わないで?」
「平気なの?リエさんはそれで」
「ううん、平気じゃないよ・・きっと。でもさ・・」
「こうなったのは、私に責任があるでしょ?」
天秤にかけてみる事にするわ・・・とリエ坊が立ち上がった。
「天秤?」
「うん、シンといる時間の楽しさと、1人になった時や色々考えちゃった時の辛さ・・」
「これを天秤にかけてみて・・」
「辛さが勝っちゃったら、止めよう?」
シンも同じだと思う・・とリエ坊は言った。
「私といる時間と、彼女との・・」
「彼女に対して辛くなったら・・言ってね?」
「そうしたら私、潔く身を引く!」
うん、そうしよう・・とリエさんは繰り返して、ボクにキスをした。
「だから・・シン、もう悩まないで?」
「でも、リエさん・・」
「いいの?こんないい加減なオレで・・」
「うん、それでも・・好き」
「ね、シン・・電気消してきて?」
「うん」ボクは立ち上がって、キッチンと寝室の電気を消した。
戻った時には寝台の上のリエ坊は、裸で胸の前で手を組んでいた。
「でも一つだけお願い・・二人っきりの時は、私だけを見て?ね?」
「リエさん・・」
薄明かりの下、リエ坊の目がボクを離さなかった。
初めての・・・・
リエ坊に見つめられたまま、ボクはリエ坊の横に寝た。
「シンだけ、着たまま?」
「あ、そうか・・」
ボクは苦笑いしながらシャツを脱いだ。
「下は?」
「はいはい・・」
ボクはトランクスを脱いで放り投げた。
これでいい?と言うと、「うん、嬉しい、恥ずかしいけど・・」とリエ坊は恥じらいながら抱きついてきた。
そして「キスして・・」と。
何故だろう・・ボクはリエ坊とのキスに、昨日とは明らかに違う感慨を覚えていた。
本当に好きになってしまったのだろうか、ボクは・・リエ坊を。
お互いの舌を絡ませながらボクは、もうこれはレッスンじゃないな・・と思っていた。
「シン・・」
「なに?」
「どうしたら、シンは気持ち良くなってくれるの?」
「リエさん」
「いいんだよ、このままで」
「言ってね?私に出来る事なら・・・したいの」
「うん、自然に・・ね?!」
うん・・と言ってリエ坊は、体の力を抜いて目を閉じた。
ボクはリエ坊の首、胸・・を優しく撫でて、乳首を唇で挟んだ。
そして唇の間から舌で乳首を転がすと、リエ坊は「う〜ん・・」と小さなくぐもった声を出した。
リエ坊の右の乳首は舌で、左は掌で優しく触ると・・リエ坊の声が大きくなった。
「気持ちいい?」
「うん、いい気持ち・・・シンは?」
「オレも嬉しいよ、リエさんの声に感じちゃうから」
「ね、シン?」
「なに?」
声って、出ちゃっていいの?それとも我慢した方がいいの・・?とリエ坊が聞いてきた。
「いいんじゃない?出ちゃうのは我慢しなくて」
「ここ、オレん家だしね」
「出ちゃうのよ、我慢しようとしても・・」
だから、我慢はいらないって・・とボクは言いながら右手を太腿の内側に這わせた。
「う〜ん、いい・・」
「良かった・・」ボクはそう言いながらリエ坊の手を、脈打つオチンチンに誘導した。
「シン・・・」リエ坊は昨日よりは少しだけ、大胆にオチンチンを触ってくれた。
握りながら上下に優しく・・・。
「上手だよ、リエさん・・気持ちいい」
「良かった、そう言われると私も嬉しい・・・」
実際、リエ坊の愛撫はキツ過ぎず弱過ぎず・・・微妙な強弱が心地よかった。
ボクは右手でリエ坊の足を開き、花園に触った。
既に扉は開いて、蜜でヌルヌルになっていたから・・ボクは中指に蜜を塗りつけてクリトリスを愛撫した。
「あ、きた・・」リエ坊が小さな声を上げて、抱きついてきた。
「ここ、好きでしょ?」
「う、うん、気持ちいい・・凄く・・」
リエ坊のボクを抱きしめる力が一層強くなって、耳元で聞こえる喘ぎ声が艶を増した。
「指、入れてもいい?」
「うん、入れて・・」ボクは中指を花芯に入れ、ゆっくりと中で曲げた。
そして曲げたまま、手前に引いたり奥に入れたり・・掻き混ぜた。
親指の付け根は、クリちゃんをトントンとリズミカルに押して。
「いや・・・凄い、どっちも感じちゃう・・」
「う〜ん、いいよ、シン!」
本当に感じているんだろう、リエ坊のオチンチンへの愛撫が疎かになっていたからね。
「ちょっと・・止めて?シン・・」
「・・どうして?」
「何か変なの・・変な感じ・・・」
「いいの?悪い、イヤな感じなの?」
「分かんないけど・・・」
「あ・・ゴメン!」いきなり、リエ坊は起き上ってベッドから下りてトイレにダッシュした。
「ん??」ボクはあっけにとられてポカン・・とベッドの上に1人、取り残された。
ビンビンのオチンチンが、妙に寂しげで。
程なくリエ坊はトイレから戻ってきた、恥ずかしそうに胸を抱いて。
「ごめんね、急に我慢出来なくなっちゃって・・」
「オシッコ?」
うん・・とコクっと頷いたリエ坊は、下を向いて言った。
「コーヒー、飲み過ぎちゃったのかな・・」
「あ、そうだ・・そのせいだよ!」
ボクは笑ってしまった。
「だから飲み過ぎって言ったじゃん!」
「だって、喉渇いてしょうがなかったんだもん・・・」
恥ずかしそうに俯くリエ坊は、とても可愛かった。
思わずボクは、そんなリエ坊を抱きしめて言った。
「で?全部、出た?」
「・・多分」
「どうする?また途中でしたくなったら・・」
「我慢する」
あはは、いいよ、我慢する事ないって・・とボクは笑いながらリエ坊をベッドに寝かせた。
「どうする?仕切り直し・・・?」
「汚ないかな、私・・」