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長浜くろべゐ
長浜くろべゐ
novelistID. 29160
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ノブ ・・第3部

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「初めてドラムに触ってからさ、5日しか経ってないんだよ?シンは・・」
「その5日で4曲何とかなったんだから、大丈夫!まだまだいけるわよ!」

「そういうモンですかね・・何か不安なんですけど・・」
「シン、お前・・意外に肝っ玉小せ〜な」
「キンタマぶら下げてんだろ?でっかいの!」

いや、デカくはないと思いますけど・・ボクは思わず笑ってしまった。
そりゃね、タマタマは2個、持ってるけどさ。

「大丈夫だよ、余裕よゆう〜!」
「そうね、私も大丈夫だと思うわ・・・シンは、結構頑張り屋さんみたいだからさ」
「タマが大きいか小さいかは知らないけどね〜?!」
リエ坊が、ケラケラ笑いながら言った。
酔ったの?

「ガハハ!こいつ、こう見えて・・意外にアッチの方も頑張り屋かもよ?!な、リエ坊?」
「ちょっと勘弁して下さいよ、アッチの方は関係無いじゃないっすか、ドラムには」

「バカだな〜、シンは!」
タカダが、楽しそうに笑いながら言った。

「スケベじゃなかったらいい演奏なんて出来る訳ねぇじゃんよ、知らね〜のか?そんなコトも!」
「え、そうなんすか?」

いい演奏をするには、好奇心と探求心が何より必要なのだ・・・とタカダは言った。
「つまりな、好奇心が強くて、探究心・・・どうしたらいいのか、どうやってんだろう?って思うヤツじゃないと、上手くならね〜んだよ、音楽って」
「はぁ」

「セックスだって同じだろ?」
「どうやったら気持ち良くなるのか、どうしたら彼女が喜ぶのか・・」
「そう、スケベなヤツほど好奇心と探求心が旺盛なんだな!」

「それによ、うまく出来たら・・どっちも最高に気持ちいいじゃん?!」
タカダが、ダハハ〜と笑った。
「・・はぁ、そんなモンすかね」
「そう、そういうモンなんだ、セックスと音楽は似てるんだよな」

「イントロがあって、サビがあって・・・クライマックスってか?」
「だから、バンドやってる連中は、多分みんなスケベだな、オレの分析によると」
タカダはショッポに火を点けて、深く吸った。

ボクらの会話を聞いていたリエ坊も、言った。

「そうね、コイツの言うコトも、満更外れって訳じゃないわね」
「じゃ、リエさんも同じ意見なんですか?」

「うん、私もそう思うけど・・・1つ、足りないかもね?!」
「何だよ、何が足りね〜んだ?」
「愛情よ、相手を思いやる気持ち」

バカだな、リエ坊まで・・・と、タカダが大きな声を出した。
「愛情なんてのはな・・最初に必要なもんじゃんか!どっちにも」

「バンドだったら音楽に対する愛情、もう、この曲が好きですきで・・・ヤリたいんだ〜って気持ちと、仲間に対する愛情だろ?!」
「セックスだって、コイツが好きだ〜って気持ちが無かったらただのオナニーになっちまうじゃんか!」

「オレが言ってる意味、分かるか?」
「そうね、そう言われれば分かるよ、アンタの言うコトも」
「でも、もうちょっと声・・落としてくれない?アンタ、声デカ過ぎ!」

うん、確かに・・ボクは笑ってしまった。

タカダの言うコトは、本当なんだろうな・・と思ったし、リエ坊の声が・・もそう思った。
だって、さっきからセックスとかオナニーとか・・・タカダの声は店中に響き渡っていたから。

「そうか?声デカいか?オレ」
「でも、言ってる事は正しいだろ?だから・・」
コイツもきっと、スケベだぞ〜?!と楽しそうにボクの頭をグリグリした。

「ちょっと小便な」
つと立ちあがって、タカダはトイレに行った。

「久々に見たよ、あんなアイツ」
リエ坊が店の奥のトイレを見ながら、嘆息して言った。
「え?!そうなんですか?」

「うん」
あんな楽しそうなアイツ、久しぶり・・とリエ坊はジョッキを空けた。

「飲もうか、今夜は」
「はい・・」
ボクは、タカダの事を聞いていいのか悪いのか?少しの間逡巡した。

「レモンサワーお願〜い!シンは?」
「あ、じゃウーロンハイで」

アイツはね・・・とリエ坊がオーダーの後に語り出した。

「大学に入ってから、なんか上手く馴染めないみたいでさ、周りの同級生とかとね・・」
「部室にいる時だけ、ギター弾いてる時だけなのよ、生き生きした目をするのは」
「でもさ、メンバーなかなか見つからなかったでしょ?ほら、アイツ我が儘だから、下手だったり気に入らないともう、ヒドい態度取っちゃうんだよね」

「そうなんですか・・」
「うん、きっとね、音楽に関してだけは真面目なんだと思う」
「他は知らないけどさ!」
だから苛々しちゃうんだろうね、中途半端なの見ると・・と、リエ坊は続けた。

お待ちどう様!と飲み物が運ばれてきて、と同時にタカダもトイレから戻ってきた。

「お?お前らだけお代わり頼みやがって、ズルいじゃんかよ!」
オレもウーロンハイね〜?!とタカダが大声で注文した。

「ん?何マジメな顔してんだ?シン」
「あ、いやその〜」
「オレにスケベを言い当てられて、参ったか?」

「はい、認めちゃいます、オレ結構スケベっす」
「お?いいな、うん!正直な若者が大好きだよ、オジサンは」
「ちょっと、なによ、それ」
「ってコトは、同い年の私までオバちゃんって意味なの?」

「いやいや、リエ坊は・・・ガハハ、どうでもいいや〜!」
「失礼なヤツね、アンタってほんと」
「あ、リエさん、若いっすよ!充分」

「あ〜あ、年下のシンにまで言われちゃ私も終わりだ」
ボクなりのフォローの一言だったのだが、ま、仕方ない。

「シン?言っとくけどね・・私まだ21歳なんだからね?!」
「そんなに、シンと変わらないでしょ?」
「はい、そう思います、たった三つですから」

「そうそう、リエ坊はまだまだ若いぜ!なんで男が出来ね〜のが不思議な位だ」とタカダが言った。
「いいの、私は好みがうるさいんだから」

え?ちょっと待って・・とリエ坊がサワーを一口飲んで僕に言った。

「シン、現役だよね」
「・・はい」
「じゃ、私とは二つしか違わないんじゃない?」
「今、三つって言わなかった?」

「え?でもリエさん、21だって・・」
「そうよ、7月生まれだからね?この間21になっちゃったのよ」

って事は、ボクが11月で19ですから、2こ上なんですね・・・と、ボクはリエ坊を眺めながら言った。

「そうよ、三つじゃなくて、二つよ?!勘違いしないでくれる?」
はい了解しましたとボクは頭を軽く下げながら笑った。

そして恭子を思い出していた。

そうか、恭子も7月の10日生まれだから・・リエさんと同い年なんだな。

「なにニヤニヤしてんだよ、シン」
「へ?ニヤニヤなんて・・」
「ウソつけ!なに思い出し笑いしてたんだ?!」

思わぬタカダの突っ込みに、ボクはしどろもどろに答えるのがやっとだった。
「い、いや、彼女とリエさん、同じ年なんだな〜って」

「彼女って?あの亡くなった?」
「違います、先月から付き合いだした同級生なんですけど」
「そうか、シン・・彼女出来たんか」

はい、すいません・・とボクは下を向いてしまった。

「あはは、謝るコトね〜じゃんよ、別に」
「でも良かったな、シン!」
「え?何が、ですか?」

タカダは優しい顔になって言った。
作品名:ノブ ・・第3部 作家名:長浜くろべゐ