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ef (エフ)
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夢の途中7 (216-247)

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厨房では若い料理人が大きな中華鍋でゴオ~~っと音を立てる程の強火の炎と格闘していた。
暫くして先ず、二人の前に出て来たのは【海鮮焼きそば】だった。
蒸した中華めんを中華鍋で解さずに炒め、両面に程良い焦げ目がついた処に、木クラゲ・イカ・海老・小柱の海鮮をとろみのある餡で煮たものがかかっている。

    (^O^)(^v^)
「おお~~、美味そう~♪」 『ホント、美味しそうォ~♪』

二人はめいめいに小皿に麺と餡をとる。
そして、ひと口、口にした・・・・・
「・・・・・・・・・・(*^_^*)♪」『・・・・・・・・・・(#^.^#)♪』

美味しい~~~~♪(#^.^#)(*^_^*)

二人の顔がそう言っていた♪


「美味いなァ~、どや、ここで間違いないのちゃうか?(^。^)y-.。o○」
『そうねぇ、・・・だと思うんだけど、酢豚を食べてみないとね?(?_?)』

海鮮焼きそばの次は餃子だった。
幾分大き目の餃子だった。
関西の餃子は関東の、たとえば有名な宇都宮餃子と比べると小さめのモノが主流である。
その皮も薄いモノが多い。
それに比べると、ここの餃子は皮も厚めで姿も大きかった。

〈コノギョウザ、コノミソダレ、タベルモ、オイシイヨ♪〉
運んで来た中国語訛りの娘がテーブルの上に置かれた味噌だれの壺を指差した。

「うん、美味い♪味噌ダレで食べる餃子って初めてやなァ♪(^O^)どう?この餃子は見覚え無いか?」
『・・・う~~~ん、主人は良く餃子を頼んでたけど、私は此処に来たら酢豚と白ご飯に決めてたしなァ^^;・・・・』
「どんな酢豚やったん?」
『どんなって改めて云われると^^;・・・大きめの豚肉がゴロンゴロんしてて、人参とピーマンとタマネギと・・・φ(..)メモメモ・・・』
「それやったらあんまり普通の酢豚とかわらへんがな・・(ーー゛)・・」
『(;一_一)だって、とっても美味しい【普通の酢豚】だったもん!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!  あと、やっぱりすごくお酢が効いてて・・・そう!黒酢!黒酢よ♪(#^.^#)』

丁度その時

〈オマタセ、シマシタア~~♪トウテンジマンノ、クロズノスブタダヨ~ン♪(^O^)〉

それは二人の真ん中に置かれ、強い酸味と甘い餡の香りをたてた。


『・・・・・・・(゜-゜)コレ!コレよォ~!!(^^)!  』
やっと香織憧れの酢豚が登場した♪

『コレ、この酢豚だわ♪(^_-)-☆』
「見ただけで分かるの?」
『ええ♪(#^.^#)それと、この香り♪黒酢の良い香りがするでしょ?』
「どれどれ・・・・う!ゲホゲホっ!(>_<)」
優一は酢豚の皿から立ち上る強い黒酢の香りにむせかえった。
「うわァ~、ものすご酢が効いてるなァ~!^^;・・」
『そうよ、これ位お酢が効いていないと美味しく無いわよ♪(^_-)-☆
どれどれ・・・う~~ん、美味しい~♪(^_-)-☆ 懐かしい~♪この味、昔のままだわ♪』
「そうか?・・・・モグモグ・・・うん、美味い♪(^^)v最初は強い酢の香りでむせてしもたけど・・モグモグ・・うん、適度に甘みも在って・・・モグモグ・・うん、美味い美味い♪(^^)/」

〈ドウ、オイシイアルカ?(#^.^#)〉
しきりに美味しいを連発する二人に中国訛りの娘が近づき話掛けた。

『ええ、とっても♪(^^)/ あのォ、以前は此処、年配のご夫婦がやって見えましたよね?・・』
〈アア、ソレ、シュウチャンノオジイサンアルヨ♪2ネンマエ、ナクナッタアルネ(T_T)・・・〉

『そう、やっぱり・・・で、奥様は?』
〈バアチャンモナクナッタ・・・14ネンマエノジシンノトキ、オウチツブレテ、シタジキニナッタアルヨ・・・ワタシ、ソノトキ、マダ、タイワンニイタカラ、アッタコトナイケド、シャシンミル、トッテモヤサシイ~~オバアサン・・・オジイサン、イツモシャシンミテ、ナイテタネ(ToT)/~~~・・・〉

[あのォ、ウチのオジンとオバンをご存じなんですか?]
厨房から料理人の若者が前掛けを外して出て来た。

『ええ、震災前に私もここ、神戸に暮らして居てね、良くこのお店に伺ってお料理を頂いたのよ・・12年ぶりにこちらに来て、お爺さんの酢豚を頂きたくて・・・・』
[・・・そうですか、それはすんません・・・僕はオジンから3年間料理を教えてもろたんやけど、まだまだ修行中ですねん^^;・・]
『いいえ、とっても美味しかったわ♪ ホント、お爺さんの酢豚にそっくりなお味でしたよ♪(^_-)-☆』
〈シュウチャン、ヨカッタアルネ♪(#^.^#)〉




『処で、貴方はお孫さん?ご主人のお子さんはサラリーマンしてると聞いたけど・・』
[ああ、よう知ったはる!はい、そうですねん^^;・・僕のオヤジは料理人嫌ろて商社マンですわ。
母親も働いてたさかい何時もオジン、オバンの店に入り浸りでね(*^。^*)]
『それで、【門前の小僧経を覚える】かしら?』
[いや、7年前高校卒業した時には車が好きで自動車の整備工になったんですわ^^;・・
けど、入社2年目に会社潰れましてねぇ、その頃オジンも80近かったからもうそろそろ店閉めよかって話になってたんやけど、「シュウイチ、オマエ、リョウリニンニナラナイカ?」って云うたんですよ。車も好きやったけど、料理作るのも子供の時から結構好きでね、「オジン、僕に出来るやろか?」って聞いたら、「シュウイチハ、オジンノマゴアルヨ、デキナイワケナイネ。ダケド、オジン、キビシクオシエル、カクゴ、イイカ?」って云われて、
「うん、オジン、僕頑張るわ」って・・]
『そうだったの・・・お爺さん、きっと嬉しかったわね♪』

[ええ、オヤジはこんな商売見向きもせんかったからね、
オジンは自分の代で店仕舞いする積りやったみたいですわ・・・
でも、結構厳しかったですよ~、料理については。
ただ、オジンが元気になってくれたんが嬉しかったですわ。
オバンが死んでから急に気力無くしてたからね・・・]
『おばあさまは何処で?』
[その頃オジンとオバンは長田に住んでましてね、山陽電鉄の線路の傍の長屋やってんけど、あの頃でも古い家やったさかい、地震の揺れでひとたまりも無かったみたいですわ・・
オジンは何とか崩れた家の中から這い出して来たんやけど、まだオバンが中におってね・・
最初のウチ、声はしてたんやけど時間が経つ程に返事が聞こえんようになって・・・
オジンも必死で瓦礫、近所の人と一緒にどかしてたらしいねんけど、昼過ぎから近所で火が出始めてね・・・
それが見る見る間にオジン等の長屋まで燃え広がて・・・・・
オジン、最後まで此処で「俺も一緒に死なしてくれ~!」って云うて、その場を離れへんかったらしいけど、町内の人が無理やり連れ出してくれはったんですワ(ToT)/~~~・・・・・]

『・・・そう、お辛かったでしょうね・・・・(/_;)・・・もうあの時は地獄でしたものね・・』
[奥さんもこの近所やったんですか?]
『ええ、私は兵庫区の市場前の賃貸マンションに住んでいたんだけど、前の道路に倒れるんじゃないかと思う程大きく傾いたわ・・
作品名:夢の途中7 (216-247) 作家名:ef (エフ)