小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ef (エフ)
ef (エフ)
novelistID. 29143
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

夢の途中7 (216-247)

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 

夫婦でお世話になっていた病院が【春野道】に在ってね、そこへ主人と二人歩いて辿りつくのに半日以上掛かったの・・・
途中、阪神高速の高架がドミノ倒しみたいに崩れているし、道中の瓦屋根の古いお家は殆ど潰れていたわね・・・
もう悪夢としか言いようが無かった・・
私達は看護婦と医師だから怪我している人を見過ごすわけには行かなくてね、道々手当しながら来たもんだから、地下鉄なら僅か20分の道程だったけど・・・・』
[え、お二人はお医者さんと看護婦さんですか?]
『ああ、こちらの方は私の主人じゃ無いのよ(#^.^#)・・・
オトモダチ♪
私の主人は震災の1カ月後過労で倒れて亡くなってしまったの・・・』
[ああ、すんません!余計な事云うてしもた(T_T);・・・]
『うふふふ♪良いのよ。でも、おじい様もおばあ様もきっと喜んでいらっしゃるね、天国で♪処で、お二人はご夫婦?』
[ああ~、はい♪(#^.^#)まだ式は挙げてませんけど、去年に♪
【美しい鈴】で、ミレイ云いますねん♪^^;・・・]
〈ミレイ、トイイマス♪(#^.^#)ドウゾ、ヨロシクネ♪〉
[4年前に台湾から来ましてん♪元々オジンの田舎の遠縁の娘で、前から日本に憧れてましてね。
 僕が店継ぐ云うたら、半分潰れかけてたこの店を改装するってオジンが云いだして、女手を探してたとこやったんですワ♪そいでオジンが台湾からミレイを連れて来よりましてん♪(#^.^#)]
『まあ、それはひょっとすると、おじい様の【企み】だったのかも知れないわね♪(^_-)-☆』
[あ、やっぱりそう思います?(#^.^#)]
『あら、後悔してるの?(-_-メ)・・・』
[あ、いや、^^;・・・感謝してます!<(_ _)>   あはははは♪(#^.^#)]

(*^。^*)(#^.^#)  (*^_^*)(^_^)/

美味しい料理、暖かい人の輪♪

香織も優一も 神戸に来て良かったと思った♪



優一と香織はJR神戸のホームに立っていた。

『今夜はとても楽しかったわ♪あの店のお料理も食べれたし♪
やっぱり来てよかった・・・』
「ああ、僕もや。ああやって引き継がれていくモノがあるんやなァ・・
ところで香織さんは何時までこっちに?」
『エエ、お盆がすむまでこっちに居ようって思っているの。妹と姪たちが淡路島の温泉を取ってくれていて・・・
それにね、私、もう一軒ご挨拶に行きたい所があるの・・・』
「それは?」
『私と夫が8年間お世話になった【木島医院】・・・震災後夫が亡くなってから院長先生もすっかり気力をなくされて・・
奥様のご実家が京都の岡崎で旅館をされていたのでそちらに移られたんだけど・・・
私は私で妹夫婦の世話になったりして、結局神戸には戻らず2年ほどして北海道に移ったから、ご夫婦とはそれっきりになってね・・・
お年賀状のやり取りだけは続けていたけど、院長先生はとうとう医療の現場に戻ることなく、震災から6年後、肺炎をこじらせて亡くなったの・・・
木島医院は今でも残ってるけど、院長先生のご出身の【武庫川医科大学】の神戸診療所としてあちらの病院の先生方が来て診療されてるそうよ・・奥様はそのまま病院の3階のお住まいでまだ居られそうだから、一度ご挨拶にと思ってるの・・』
「そうか、それはエエことやな。これで香織さん、吹っ切れるな?」
『エエ、きっと♪ 奥様とゆっくり14年分お話してくるわ・・・
実は昨日お宅に電話したの。そしたらとっても喜んでくれて・・
これできっと吹っ切れると思う♪』
香織はキラキラする目で優一を見ていた。

『林さんは明後日帰られるの?』
「ああ、そのつもりや。火曜日の早い便で札幌まで。」
『また藤野にも来られるんでしょ?』
「ああ、まだ荷物は常盤ホテルに置いたままやからな・・・それに、札幌支社の同行営業もそろそろ終わるやろ。そしたらまた藤野に戻るわ♪喫茶・ラベンダーの香りのモーニングも食べたいしな♪勿論お昼のランチも♪」
『エエ、首を長くしてお待ちしてるわ♪』
「・・・・・香織さん、僕なァ・・・」
優一は香織の前に立ち、彼女の手を取った・・・・
二人の視線がぶつかる・・・・
「香織さん、僕と・・・」
『あ、はい♪』
香織は優一の次の言葉を待った・・・

その時・・・・

[いやァ~~~~、南京町の豚マン、美味しかったなァ~~♪
馬場(ばんば)さん、アンタ、何個こうたん?50個?
ひえ~~~~!、アンタ、枚方で豚マン屋でもするんかいな?
ぎゃははは♪ ウチ?60個♪ へえ、明日開店です♪ブタマンヤ♪
あ、馬場さん、電車来たでぇ~~!]

豹柄の大阪の豚マン、否、淑女の集団が二人の周りに来て、梅田行きの電車を待った。

「あ・・・そしたら香織さん、また連絡するわ・・・」
『ええ、お待ちしてますわ・・・』

宝塚線に乗り換える香織を残して優一は、
【淑女】に押されるように電車に吸い込まれた・・・

作品名:夢の途中7 (216-247) 作家名:ef (エフ)