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名探偵カラス Ⅲ

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 ドアの向こうには男が立っていた。
 その手に回覧板らしき物はなく、代わりに刃渡り二十センチ位のナイフがキランと光っていた。
「ひぃーーー!」
 驚いた真由美さんは、喉の奥から声とも呼べないような声を出して後退さった。
 黒いトレーナーにジーパン姿のそいつは、頭からすっぽりと、目と鼻と口だけが出る帽子を被り、手に持ったナイフをちらつかせながら、震える真由美さんに向かって言った。
「どうしてすぐに開けてくれないんだよ。僕が何度チャイムを鳴らしたか分かってんだろ?」
「……」
 返事をしない真由美さんにそいつは執拗に言う。
「おい! 何とか言えよ。可愛い真由美ちゃん」
 そう言うと、口元を歪めて厭らしい声で笑った。
「ヒヒヒ……」
 そして玄関の中へ入るとドアをロックし、ご丁寧にドアチェーンまで掛けて、立ち尽くして声も出せない真由美さんをナイフで脅しながら、部屋の中へと移動して来た。
 部屋に入った所にいた俺を見て、そいつは一瞬ギクリとして足を止めた。
「何でこんな所にカラスなんかがいるんだよう。えぇっ? 真由美ちゃんよー」  
 そう言って真由美さんをギロッと睨んだ。
「あ、あの…そのカラスは…ホワイティの、と…友達で…」
 何か言わないと、俺やホワイティが何かされるとでも思ったのか、顔を引きつらせながら懸命に答えた。
「ほう、この前の鳩もいるじゃねえか。生きてたんだ」
 そう言うと部屋の隅で怯えているホワイティの方へ歩き出した。
「やめてー! お願いだからその子に触らないで!」
 突然真由美さんが金切り声を上げた。
 真由美さんの声に驚いた男は、振り向きながら尋ねた。
「こんな鳩がそんなに大事なのかい?」
「お願い……」 手を合わせて懇願する真由美さん。
 俺は悔しくて、歯はないけど歯ぎしりする思いだった。そしてもし、そいつが真由美さんに手を掛けたら、即座に嘴で奴の頭を突付いてやろうと身構えた。
「そうか、そんなに頼むなら聞いてやらないでもないさ。その代わり、今日はたっぷりサービスしてもらうからな。いいな!?」
「は、はい」
 真由美さんはすでに泣きそうな顔で、それでも唇を噛みしめて必死で耐えている。
「ふふっ、じゃあそろそろお楽しみタイムとしようか」
「えっ」
「先ずは服を脱いでもらおうか。ゆっくりと、一枚一枚、僕の方を向いてな。ひひっ」
「そ、そんな……許して、お願い」
 そう言った真由美さんの瞳からは、もう涙が川のように流れている。
「真由美ちゃんの泣き顔もなかなか可愛いね。でも、そんな清純ぶってもダメさ。君に少し前まで彼氏がいたことも、そいつとここで何をしてたかだって、僕はちゃーんと知ってるんだ。その男が来てる間、僕がどんな気持ちでいたか、君に分かるかい?」
「……」
「――分からないだろう? 僕は身も心も焼けるような思いで、君とアイツの肉体が絡んで愛液にまみれるところを想像して、やるせない思いでオナニーに没頭したんだよ。しかし今は違う。君のすべては、もう僕だけのモノだからな! アッハッハッ」
 そいつは高笑いをすると、真由美さんに近寄り、ナイフを真由美さんの顔の前に突き出すと、仰け反る真由美さんの頬にピタピタと銀色に光る刃を当てた。
「さあ、さっさと脱げよ! ゆっくりとだぞ」
 真由美さんは震えながら、諦めたように服を脱ぎ始めた。
 ブラウスのボタンを外し腕を抜くと、胸だけをブラジャーで覆った白い裸身が現れた。次には、スカートのホックとファスナーを外し、スカートがすとっと無情にも落ちると、ブラジャーとお揃いの、ピンクのレースのパンティにわずかばかり隠された、可愛いお尻が露になった。
 パンティの前部は、一部だけうっすらと黒く影のように見えた。
「ふふっ、なかなかいい眺めだ。この前は、こんな余裕の時間はなかったからな」
 そう言いながらそいつは、Gパンのポケットから白いロープを引っ張り出した。
「さあ、じゃあ今度はベッドに横になってもらおうか」
 真由美さんの目は、男の手にしたロープに釘付けだ。
「な、何をするつもりなの? お願い。乱暴なことはしないで。お願い」
 真由美さんは胸の前で腕をクロスさせ、両足を摺り合わせるように閉じ、身体を若干「く」の字に曲げて、少しでも男の視線から逃れようとしているようだった。
「僕が可愛い真由美ちゃんに暴力なんてふるうわけないじゃないか。ただし、おかしな真似をしなきゃだがな」
 そう言って口を歪め、フンッと鼻を鳴らして薄ら笑いを浮かべた。
「さあ、分かったらさっさとしろ!」
 男はベッドの方へ顎をしゃくった。
 真由美さんは覚悟を決めたのか、ゆっくりとベッドに横になる。
 その動きを、男はニタニタと厭らしい笑いと共に視線で追いかけていた。
 真由美さんがベッドに横たわると、その両手両足を、手にしたロープで素早くベッドの脚に縛り付けた。
「さあ、これで君は逆らえない。楽しい夜の始まりだあ!」
 喜びに満ちた顔で、男は真由美さんの腹に跨ると、乱暴に真由美さんのブラジャーをズリ上げ、口で愛撫を始めた。
「いやぁーーー!」 真由美さんが悲鳴を上げた。
「静かにしないか!」 
 そう言うと、ナイフを真由美さんの喉元に当てスーッと横に引いた。
 真由美の白い肌に赤い細い筋が浮かび上がった。
「や、やめて……」 
 怯えきっている真由美さんの口からは、もう囁くような声しか出ない。
「クッソー! この野郎!」
 俺は怒り心頭で、すぐにでも攻撃してやりたかったけど、奴の手にナイフがある以上迂闊なことはできない。下手なことをすれば、真由美さんに傷を負わせることにもなりかねないから……。口惜しくて地団駄を踏む思いだったが、それでもぐっと堪えて、ひたすらチャンスを待った。
 男は、真由美さんが大人しくなったのをいいことに、またしても厭らしく真由美さんの乳房を執拗なまでに愛撫し始めた。手にしたナイフは離さずに……。
 少しして、男はようやく満足したのか真由美さんの上から離れると、今度はベッドの横に立ち、ナイフを真由美さんのスベスベした足に沿ってゆっくりと這わせた。
 真由美さんの身体が小刻みに震えているのが、離れた所からでもはっきりそれと分かる。
『真由美さん、もう少し、もう少しの辛抱だからね!』
 俺は心の中で叫んだ。
 男は異様に目を光らせ、ナイフを真由美さんのパンティの足の付け根辺りから、ゴムの下をくぐらせて、彼女の最もデリケートな部分に触れようとした。
 その途端、恐怖から思わず身体を動かしてしまった真由美さんは、太股にナイフの傷を受けてしまった。
「何やってんだよ! 大人しくしてろって言っただろ。ちゃんと僕の言うことを聞かないから、こんなケガしちゃったじゃないか。でも大丈夫。僕が舐めて治してあげるから」
 そう言って男は、真由美さんの太股に厭らしく舌を這わせた。
「ほら、もう大丈夫。さあ、じゃあそろそろ本番に行こうか?」
 男は履いていたGパンを乱暴に脱いだ。
 男のトランクスの前がいきり立っている。
 怒りで俺は身体がぶるぶる震えてきた。
 しかしまだ、男はナイフを放さない。
作品名:名探偵カラス Ⅲ 作家名:ゆうか♪