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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・弐】焼き焦げ

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「情報によると慧喜は坂田の家にいるらしいっちゃ(棒読み)」
悠助に速さにあわせて走りながら緊那羅が紙切れを見て言う
「じゃぁ坂田に連れて行かれたの?」
悠助が走りながら聞く
「えーと…えーと…;あ、コレだ…柴田……」
紙切れに書いてある【柴田】の二文字を見た緊那羅の表情が変わった
「し…柴田さんにくわしいことはきいてほしいっちゃ…ッ」
そしてめちゃくちゃ嫌そうに続きのセリフを言った
「柴田さんに?」
悠助が振り向いて聞くと慌てて紙切れを隠しながら緊那羅が頷いた
「わかった!!」
そんな緊那羅の行動を微塵も怪しいとは思っていないらしい悠助はただ走っている
「…ごめんだっちゃ悠助;」
悠助の後姿を見ながら緊那羅が小さく謝った

「よぉーしヨシ!!」
南が満足気に大きく頷いた
「…あいかわらずトコトン器用だよなお前…」
京助が感心したように言う
「後はもう一人の主役を待つのみだな」
中島が言うと南が頷いた
「…俺は何すればいいんだ?」
慧喜が南に聞く
「慧喜ッちゃんはただ悠助を待っていればいいよ」
南が笑った
「…待つ…」
慧喜が小声で繰り返し眉を下げた
「…来るのかな…来てくれるのかな…悠助は…」
いつになく全身から不安オーラを出している慧喜を見て3馬鹿と京助は顔を見合わせた
「俺…待ってたんだよずっと…でも…でも来てくれなかった…ッ」
膝の上の両手に力が入り慧喜の声が震えた
「誰が来てくれなかったんだよ;」
坂田が慧喜に聞く
「俺はずっと待ってたのに…まって…」
「悠は来るよ」
坂田の質問に答えず【待っていた】を繰り返す慧喜に南が言う
「悠は来る」
顔を上げた慧喜に南が笑顔で言った
「…なんでい言い切れるんだよ…」
そんな南を慧喜が睨む
「え? 信じてるから」
何の戸惑いもなく南がさらっと答えると京助と坂田、中島も頷いた
「…ソレだけ?」
言い切った南に慧喜が聞く
「うん」
南が頷くと京助と坂田、中島も頷いた
「慧喜は悠を信じられないのか?」
京助が聞く
「…俺は…俺…は…好きだけど…信じたいけど…」
「ど?」
小さく聞こえる慧喜の声に一同は耳を澄ませた
「…怖い…信じて裏切られて傷ついて捨てられて…もう嫌なんだ俺…」
「捨てられたならまた僕等が拾うよ」
「うぉおおおおおぅ!!!!!;」