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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回・弐】焼き焦げ

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「あ…慧喜」
ふと窓の方を見た緊那羅が窓に手をかけて鍵をあけようとしている慧喜を見つけた
「…ありがと慧喜ッちゃん」
南が笑顔で慧喜に言う
「窓から失礼しまっせ~」
靴を脱いで部屋の中に入った南が外に置いていた鞄も部屋入れる
「…ラムちゃんは? 入らないの?」
外にいる緊那羅に南が聞くと緊那羅が窓の側まで来て顔だけを中に入れた
「さて慧喜ッちゃん…悠と喧嘩したんだって?」
「ちがう!」
南が言うと慧喜が声をあげた
「俺は…ッ…俺は悠助が好きだけど…悠助は…」
声をだんだん小さくして慧喜が言った
「ねぇ慧喜ッちゃん…悠が言ったの? ソレ」
黙り込んだ慧喜に南が聞く
「え…?」
問われて慧喜が顔を上げた
「慧喜ッちゃんよりそっちの女の子の方が好きだって悠が言ったの?」
南が再度聞く
「違う…けどでも…」
慧喜が答えると南が大きな溜息を吐いて苦笑いを向けた
「じゃぁ悠が直接言ったわけじゃないんじゃない;」
「でもッ!!」
苦笑いのまま南が言うと慧喜が何か言おうと口を開いた
「慧喜ッちゃんは悠の考えがわかるの?」
南が聞くと慧喜が首を横に振った
「…わからないけど…でも…」
そしてまた黙り込んだ慧喜に南が近づいた
「…悠の気持ち知りたい?」
南の言葉に慧喜がすばやく顔を上げた
「…お前は悠助の考えがわかるの?」
慧喜が南を真っ直ぐみて言うと南がにっこり笑う
「わかるわけないじゃん?」
そしてその南の言葉で慧喜がムッとなる
「でも確かめることに協力は出来るよ」
付け足した言葉に慧喜がきょとんとした顔をする
「それには…もう少し協力者が必要かなぁ?」
南が窓の外にいる緊那羅に目を向けた