小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第七回・弐】焼き焦げ

INDEX|5ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 

翌日の土曜日
栄之神社の石段の前に自転車が止まった
「やー雪解けって最高!」
約半年の眠りから復活した愛車の【ニボシ】から降りて南が伸びをする
「あれ? 南?」
自転車のブレーキ音に気付いた緊那羅が石段の上から南を見下ろした
「おっはーラムちゃん!!」
まだほんのり息が白く残る気温の中南のやたらテンションの高い挨拶が響く
「京助ならまだ寝てると思うっちゃけど…」
箒片手に石段を駆け下りてきた緊那羅の後ろにはコマとイヌがついてきていた
「いんや俺今日は慧喜ッちゃんに用事あるんですわ」
ニボシのカゴから鞄を取り出して肩に掛けると南が笑った
「慧喜に?」
一緒に石段を登りながら緊那羅が南に聞く
「そー」
南が鞄の中からメジャーを引っ張り出した
「…何だっちゃソレ」
足を止めて珍しそうにメジャーを見る緊那羅
「あ、そっかラムちゃん初めて見るのか…コレはこうやって…サイズ…長さとか測るんだ。へー! ラムちゃん細いンだなァ…ミナミ負けそう」
緊那羅の腰にメジャーをまわして南が説明する
「…何だか昔ヒマ子さんに同じ様なことされた覚えがあるっちゃ;」
緊那羅が過去を思い出して呟いた
「あ…でも慧喜は今…」
「わかってる」
慧喜が今どんな状況か言おうとした緊那羅に南がにっこりと笑顔を向けた
「だからこそ何とかしたくて」
南が玄関の戸を開けた緊那羅の後ろを通って庭の方に向う
「南? どこいくっちゃ?」
少し開けた玄関の戸をそのままに緊那羅が南の後を追う
「庭からはいるんだやな?」
コマが南に話しかけた
「おぉお; 忘れてたお前等話せたんだっけな;」
まだ雪の残る庭を横切って屋根から落ちた雪が積もってできた雪山に埋まりながら南が辿り付いた所は
「ここだっけ?」
少し息を切らせながら南が後からついてきていた緊那羅に窓を指差しながら
「慧喜ッちゃんの部屋」
ニーっと南が笑いながら聞いた