日のあたる場所へ
屋上、保健室、校庭、トイレ、さんざん見て廻ったけど、どこにもいない。
どこだ?アイツがよく行く場所…。
「…いつも一人だったもんな、分かるわけないか……」
そんな仲良くなったわけでもないし。ただ、なんとなく気に入ってただけだし。
ましてやそんな目立つ奴でもないしなぁ。友だちいなかったぽいし。家…はまだ分からないしな。…どうするか。
しばらく考えて…………あっ。
「そうだ。携帯」
そういえば登録してたな。今思い出した。
急いで携帯を開き日影に電話をかけた。出ろよ、出ろよ、出ろ!。
ブッ
「…………」
出た!
「日影!聞こえるか?今どこだ?」
「…………たい、よぅ…さん?」
「あぁ。オレだよ」
「………あの…俺……すいません…」
んん?なんの話しだ?。
「うん?」
「ぁの……太陽さん、俺…」
「うん?どうした?」
「…ぁ……そばに、いたい…」
あぁ。まったく。
「…日影。いまどこだ?」
「ぇ?………公園、です…」
「学校から一番近い?」
「…は、うん…」
「わかった」
携帯を切って、公園に向かって足を進めた。
公園に行って日影に会ったら、まず敬語をやめさせよう。なんか怖がらせてるみたいだからな。
そのあとは、…………。
「会ってからじゃなきゃ、やっぱ分からんか…」
なんだか良い気分で、オレは公園に向かった。胸の中のつっかえていた何かが取れたみたいな、そんな気持ちで。