日のあたる場所へ
最悪だ。
「遠山!お前なんてこと言うんだよっ!!」
「うるさいな。本当のことだろ?」
コイツ…スマした顔しやがって。日影がいなくなっちゃたじゃないか。
「ふざけんな!お前…なんにも知らないくせにっ!」
「はぁ?あんな地味野郎のなにを知ってるんだよ……」
なにも知らないくせに…。日影がどんな思いしてたか知らないくせに…。
「お前……日影の左手首みたか…?」
「は?左手首?見てないけど…」
やっぱり…最悪だ。
「アイツ…手首に、刃物の痕がいっぱいあったんだよ……!」
「は…?」
リスカだよ。わかるだろ。お前にだって。
オレあれ見たとき、あぁ、コイツ…寂しかったんだなって、そう思ったんだよ。せっかく仲良くなれそうだったのに…コイツがアホなこと言うから…!。
「オレ今日サボりな、そう言っといて」
「…どこ行くんだよ」
「日影探しに行くに決まってんだろ」
「………わかった」
そのままオレは猛ダッシュで日影を探した。