ハアちゃんはご近所の星☆
おふくろの初七日の間は、いつも夜になると
ハアはおふくろの遺影の前でスヤスヤと寝ていた。
夜泣きをしない子犬。
あたかも、そこにおふくろがいるのではないか、
ハアに寄り添って寝ているのではないか
と、思わせる光景だった。
俺の実家は小さなボロ家で庭もなく、
ハアは路地の片隅につながれて、
寝床はスーパーの裏口から拝借してきたパンの納品箱に、
毛布を敷いたものだった。
“ 第一屋製パン ”
と、名入りの箱に堂々と寝るハアの姿が、
妙に微笑ましかった。
作品名:ハアちゃんはご近所の星☆ 作家名:★風神雷神☆彡