ハアちゃんはご近所の星☆
夜は玄関先につないでいたが、
ピーピーうるさいので部屋に入れてやった。
おふくろの遺影をみつめて、目を細め耳を垂れて、
尻尾をクルンクルン回すハア。
『なんだお前。俺の母ちゃん見えるのか?
母ちゃんに撫でてもらってんのか?』
と、俺は言った。
親父は、
『見えるのか?そこにいるのか?
そうかそうか。えらいえらい。えらいぞお前は。
よしよし。よしよし。』
と、ひたすらハアを撫でた。
犬猫は嫌いだと言っていたくせに。。。。。
ハアは親父の顔をみつめ、目を細め耳を垂れて
ヒュンヒュン、ピイピイと鼻を鳴らし、
尻尾をパタパタ振った。
そしてまた、おふくろの遺影をみては、
ヒュンヒュン、ピイピイと鼻を鳴らし、
尻尾をパタパタと振った。
あたかもそこに、おふくろも一緒にいるかのように。
作品名:ハアちゃんはご近所の星☆ 作家名:★風神雷神☆彡