ハアちゃんはご近所の星☆
【ハアとハナミズキ】
ハァは火葬され、壺に入ってうちの仏壇で三年眠った。
おふくろと一緒に仏壇で眠った。
そして三回忌を迎えた日、俺はハアの遺骨を粉々にして
庭にまき、土に返還した。
そして、そこへハナミズキの苗木を植えた。
ハアの魂よ、ハナミズキとなって大きく育て!
・・・・・と、願いを込めて。
そのハナミズキは近くの物産センターの直売会で
買ったものだ。
最初はハナミズキなんて買うつもりはなかった。
ハアの遺骨を庭にまいて、そこになにかかわいい花を
植えようと思っていた。
ハアは草花が好きだった。
散歩していて草花をみつけると、顔を近づけ、クンクンと
においをかぎながら尻尾をパタパタ振る。
歩道の植栽をみつけると、荒らすこともなく、お前は猫か
というくらいに、巧みに花を踏まないようにそおっと近づき、
ひととおりの花をかぎまくらないと気がすまない。
そして満足した顔をしてまた歩き出す。
そんな犬だった。
だから、ハアを土に還す時は、たくさんの花を植えてやろうと
思っていた。
作品名:ハアちゃんはご近所の星☆ 作家名:★風神雷神☆彡