ハアちゃんはご近所の星☆
ツバメのヒナを手におおいながら、脚立を登っていった妻は巣をのぞきこむと、
そのままずっと固まっていた。
ずっと、巣をみつめたまま・・・。
『どした?』
と、俺は聞いたが、妻はただ黙ってヒナを巣にもどし、
うつむいたまま脚立を下りた。
そして、妻の目には涙が・・・。
『どした?どうしたんだよ!?』
と聞くと、妻は震えた声で
『巣の中に・・・ヒナの兄弟が・・5羽ほどいて、
・・・・みんな元気に・・・かわいかったよ。・・・』
と言った。俺は
『普通じゃん。何もそんなんで感動したのかお前は。』
と言った。妻は
『それでね・・・そのヒナの兄弟のまわりにね・・・毛がぎっしり敷いてあるんだよ。
茶色や白や黒い毛が・・・・。あれは、うちのハアちゃん達の毛だよ。
だからハアちゃん達は、あのツバメ知っていたんだよ。
きっと、毎日毎日ツバメは、ハアちゃん達の毛を拾いにきていたんだよ。』
なんてことだ。
作品名:ハアちゃんはご近所の星☆ 作家名:★風神雷神☆彡