ハアちゃんはご近所の星☆
すると今度は、ツバメは低空して、私と妻の周りをくるくる回りはじめ、
通りにまっすぐ飛んでいき、姿が見えなくなったと思うと、
またもどってきては私と妻のまわりを飛び・・・・
それをくりかえし、くりかえし・・・・・
『まっさか、こっちへ来いと誘導してるのかな?』
と、妻と顔を見合わせた。
まさかとは思いつつ、ツバメの行く方向に行ってみた。
その間もずっとツバメは行ったり来たり・・・・・。
着いた先は、近所のコンビニだった。
驚いたことに店の軒下には、
しっかりとツバメの巣があった。
俺はヒナを両手でおおいながら、
『おい、脚立を持ってこい。』
と、妻に言った。
妻は家にもどり、脚立を抱えて走ってきた。
『おお、サンキュー。
ちょっと、ここに脚立を立てかけてくれ。』
と、俺は妻に言った。
妻は脚立を立てかけた。
俺は手の中のヒナをそおっと左手に乗せ、
右手で脚立の右脚をを握りしめ、
俺
『よし。そうしたら、今度は俺が下でしっかりおさえているから、お前、ここに登って。』
妻
『なに!?私かいっ!?』
俺
『だって俺、恐所高怖症(きょうしょこうふしょう)だし・・・。』
妻
『高所恐怖症(こうしょきょうふしょう)でしょ!!!』
俺
『・・・。うん。そうそう、それそれ。』
妻
『もう、しょうがないなあ。しっかりおさえててよね!』
勇敢な妻は、さっと飛び猿のごとく脚立を登っていった。
子供のころのあだ名は“手長猿”と言われていたらしい。
ウンテイが得意だったとか。
作品名:ハアちゃんはご近所の星☆ 作家名:★風神雷神☆彡