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ef (エフ)
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夢の途中5 (151-181)

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本社の方針で、【営業第一】なんだとさ(・_・;)・・・
だから、後期の工事は藤野に居て貰えないそうだよ・・・]
『まあ、お仕事とは言え・・寂しいわァ(/_;)・・』
「あははは(^_^;)・・まあ、会社の方針には逆らえないからね(^。^)y-.。o○・・・
僕はこうして作業服を着て、現場で物を創るのが一番向いているんだけど・・・
でも、こうして若い人が育って来ているし、何時までも現場でウロウロしてると邪魔になるだけだしね(^。^)y・・老兵は死なず、ただ去りゆくのみ・・・ってね。」
[部長、寂しいコト言わないで下さいよ!(ToT)/~~~・・・老兵だなんて、まだまだ早いですよ(・_・;)・・・・]
「あははは(^v^)♪ まあ、定年まであと6年、アッと云う間だよ♪(^。^)y-.。o○ 
おっ、うまいなこのデミグラスソース♪!(^^)!古畑、この目玉焼き、食わないのか?」

優一がおどけて古畑の皿に箸を伸ばした。
[ぶ、部長~!ダメですよ、上に乗った目玉焼き、最後にご飯にのっけて食べるんですから~~~(ToT)/~~~!]

夢島きっての敏腕現場監督が・・・・・・
  泣いた\(◎o◎)/!



本州なら、7月が終わり、8月になれば益々暑さも増して来て過ごし難い日々が続くのだが、湿度が低いこの地では少し日陰に入れば結構涼しい。
川沿いの工事現場では風が吹けばなおさらだった。
今日の工程も予定通りに終わり、夕方6時には事務所を出た。
夕食も一緒にと誘う古畑を、たまには新婚の奥さんと食べろと家に帰す。
優一は、藤野の郊外にある市営の日帰り温泉【藤野乃湯】に入り、夕食もそこで摂る事にした。
営業部員との同行で宿泊するビジネスホテル。
そこの狭いユニットバスには、流石に辟易していたからだ。
広い駐車場に車を停める。
今日が金曜日で週末だからなのか、100台は停められそうな駐車場もほぼ満車に近かった。
作業服のまま事務所に置いてあったタオルを手に、中に入り入口の自販機で入湯券を買う。
【市内住民大人300円・他市住民大人400円也】
例え400円でも、天然温泉、その広さを考えれば大層安いと感じた。
中には露天風呂も含めれば5つの湯船と、10人ほど入れるサウナも付いている。
優一は久々に広い浴槽の中で脚を伸ばした。
ゆっくり湯に浸かった後、温泉内にある食堂で簡単な夕食を摂った。
流石に『湯上りの一杯』はマズイので、ホテルに帰るまで我慢、我慢であった。
ホテルまでの帰り路コンビニで、部屋で呑むための缶ビールとつまみを調達する。
『独り暮らし』『旅から旅』の生活が長い優一であった。
決して侘しいとは感じなかったが、あと6年経てば定年・・・
ついこの前までなら、まだ6年あると感じただろうに・・
思わずその後の生活を想像する時もある・・
我身の老いを否定できない優一であった。
ホテルの部屋に戻り、窓を開け放つ。
陽が落ちれば、人工の冷気は必要なかった。
上弦の欠けた月が、まだ灯りの点かない部屋の中を白く照らしている・・暫くこのままでいよう・・・
缶ビールのプルトップを起こし、立ったまま窓辺で呑みはじめた。白い月の光は優一の部屋ばかりでなく、辺りを照らしていた。香織の店の2階にある物干し台も見えた。
物干し台に誰か居た。
香織だった・・


白い月明かりに香織は照らされていた。
物憂げな表情が、少し離れた優一の部屋からも見てとれた。
物干しの手すりに両手をついて、焦点の定まらない視線を下に落としている・・・
決して美しい月を観ていた訳ではないようだ。

普段優一が目にする香織は、【客商売】と云うこともあってか、柔和な笑顔が絶えなかった。
笑うと、双眸が細い弓となり、両頬にはくっきりとエクボが出た。美しいエクボだった・・・
けれど、今の香織に笑顔はなく、深く悲しみに暮れているように見えた。
心なしか、月明かりで瞳が濡れているようにも見えた・・・
声をかければ届く距離に居る・・・
しかし、とてもそのような雰囲気ではなく、かと言って、そのまま捨て置くことも出来ないまま、優一は香織を見ていた・・
すると、優一の視線に気が付いた訳ではあるまいが、ふと上げた香織の視線が優一を捉えた。

『・・あら、林さん?』
「・・(^_^;)ああ、ママ、今晩は♪ いや、今ね、市営温泉に行って来たんだよ♪(^_^;)・・・ここんトコ、ビジネスホテルの狭い風呂ばかりだったので、久々に広い風呂に入りたくてね^^;・・」
さっきから香織を見ていたとも言えず、優一はしどろもどろになって説明した。
『まあ、それは良かったわ♪(#^.^#) あら、ビール?美味しそうね♪(^v^)』
「ああ、風呂上りに一杯、と行きたかったんだが^^;・・それはマズイからね、我慢我慢で此処まで帰って来たんだよ」
『へぇ・・・なんだか私も呑みたくなって来ちゃった♪(^v^)
ねぇ、林さん、ご一緒に如何? 明日はお休みでしょ?ウチも休みだし♪(#^.^#)』
「え?良いのかい?(^_^;)・・・・・・・・・」
優一は香織の哀しみの訳を知りたかったし、今朝の香織が言い淀んだ熊田の事も知りたかった。



「ああ、良いね♪(#^.^#) そこで月を見ながら一杯やると最高だね♪(^。^)y-.。o○」
『うふふふ♪ こんな狭い物干し台の上で?(^_^;) まぁ、それも悪くないわね♪(^_-)-☆ じゃ、20分待って下さる?【屋上ビアガーデン・ラベンダーの香り】の準備するから♪^_^ 』
優一の提案で二人は香織の店の物干し台で一杯やる事にした♪
香織は何時ものように素早くバスルームに入り服を脱ぐと、まだ水温が十分上がっていないシャワーを浴びた。
柑橘系のボディーソープの泡で身体を洗う。
流石に洗髪する時間は無かった。
濡れた身体を綿のバスタオルで拭く。
鏡の前で自分の上半身を映し、手に取ったtabooのタルカムパウダーを首筋、脇の下にはたいた。
毎日4、5回はシャワーを浴びる香織の手慣れた作業である。
下着姿で自室に入った香織はクローゼットから水色のワンピースを選び出す。
鏡台に坐り、薄く化粧をした。唇にはピンクのルージュを引く・・
ショートカットの髪を整え、顔を左に傾け、右に傾けてチェック・・・良し♪(#^.^#) 
香織の気持ちは少し高揚していた。
さっきまで昔の事を思い出し、涙ぐんでいた香織であったのに・・・

優一は香織に言われた20分を5分余り過ぎてからホテルを出た。
多分、20分では【女の支度】は出来ないと感じたからだ。
ビールは香織の店に在るだろう・・・
仕方なく、コンビニで買っていた、【柿ピー】を持参した^^;・・
店の前に立ち、ドアをノックしようとした時、

『いらっしゃい♪(#^.^#)』
先にドアが開き 香織が出迎えてくれた♪(^_-)-☆


 

優一は畳二畳程の物干し台に、店からイスを二脚運び上げ、テーブルは畳んであった段ボールケースを組み立てた上に長方形のお盆を置いて代用した。
優一が【ビアガーデン】を設営している間に、香織は簡単なツマミを厨房で用意した。

『は~~い、お待たせぇ~♪(#^.^#) 』
作品名:夢の途中5 (151-181) 作家名:ef (エフ)