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長浜くろべゐ
長浜くろべゐ
novelistID. 29160
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ノブ  ・・第1部

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「前にも、してあげてたの?こうやって・・」
ボクは、自分の焼き餅にうんざりしながらも聞かないではいられなかった。

そんなボクを、恭子は睨んで言った。
「こんなコトしたんは、アンタが初めてっちゃ」
「うち」

そこまで言うと恭子は、ホットパンツとTシャツを脱ぎブラを外した。
そして無言のまま・・ボクに跨り、オチンチンを花園に導いた。
「んん・・」
恭子は自分で腰を落としながら、声を我慢していた。
オチンチンが花園に、グ〜っと割って入っていった。

「あぁ・・アンタの」恭子は目を閉じて、両手を突っ張った。
眉間には深い皺が刻まれていた。

「恭子、痛いの?」
「黙っちょって・・」

恭子は、全部入れるとボクの首筋にしがみ付いてきて、言った。
「お願いやけ、このまま」
「このままでおってな?アンタ」

うちを好きなままで・・・と言った恭子の声は震えていた。
恭子は泣いていた。


それは、不思議な時間だった。

恭子はボクの上に跨ったまま、ボクの首にしがみついて一向に動こうとしなかった。
ボクはボクで、そんな恭子が愛しくて、そして、少し悲しくて・・・。

「・・・・」
動かないセックスをしたまま、恭子は泣いた。
月明かりの部屋で聞こえるのは、恭子の小さな嗚咽だけだった。

生きるコトの意味、死ぬコトの意味。


「戦争も、病気も・・事故も大っ嫌いっちゃ」恭子は呟いて、ボクの顔を覗き込んだ。

「アンタ、うちのコト、忘れんでね?!」
「お願いやけ」

恭子の涙が、ボクの胸を濡らした。
ボクは頷いてキスをした。

「嬉しい」恭子はゆっくりと、動きだした。
いつもの激しい動きではなく、お互いの繋がりを確かめる様に味わうように。

ボクは恭子の胸に手をやり、乳首を摘まんで残りの指でオッパイを優しく揉んだ。

「いかんっちゃ・・」
恭子はまた、目をきつく閉じて、ボクの耳元で囁いた。
「恵子さんの分も・・・アンタを好きでおるけね」

「恭子・・」ボクは上手く答えられずに、恭子の腰を掴んだ。
離さないように、しっかりと。

そしてボクは起き上った。
恭子の頭の後ろと背中に手をまわし、恭子を仰向けにした。
ボクは恭子の顔にかかった乱れた髪を、手でのけて言った。

「恭子、お願いがあるんだ」
「なん?」

「死なないで、どんな理由にせよ」
「死なないでいて欲しい・・」
今度は、ボクの涙が恭子を濡らした。

「うん、約束するっちゃ」
「うち、絶対にアンタを泣かしたりせんけね」

恭子がまた、しがみついてきて、ボクは腰の動きを速くした。
オチンチンが恭子の中を掻き混ぜて、恭子は声を出すまいと必死に唇を噛んで耐えた。

「だめっちゃ、アンタ・・うち・・」
「恭子、好き」

最後の波が押し寄せてきて、ボクは恭子の中で果てた。

どの位、そうしていたんだろう、ボクらは長い時間そのままでお互いの呼吸と鼓動を感じ合っていた。

「有難う、アンタ」
「オレの方こそ、有難うな、恭子」

やっと体を離したボクは、ティッシュでスキンを包んで外した。

「この時間が、間抜けだな・・」ボクの独り言に、恭子は小さく笑った。

「アンタ・・」
「ん?」

恭子はボクの股間に顔を埋めて、ヘニャッとなったオチンチンをまた、舐めて綺麗にしてくれた。

「恭子、いいよ、そんな」
「うちの、好きにさしちゃり!」

「さ、これで綺麗になったけね、アンタはお休みっちゃ」
「え?恭子は寝ないの?」

「ちょっと、下が心配やけ・・見てきてから寝るっちゃ」
そう言って素早く身づくろいして、恭子は下に下りて行った。

「川村達か」
ボクも急いで短パンとTシャツを着て、恭子を追いかけた。
もしも川村がダウンしてたら、また担いでこなきゃね。

階段を途中まで下りた所で、恭子が、暖簾の隙間から店を覗いているのが見えた。

「うん?どうした、恭・・・」
「し〜」
恭子は唇に人指し指を当てて、ボクに黙るように言った。

「どうしよう、アンタ・・」
「なに」小さな声でボクは言って、恭子の上から隙間を覗いた。

「あっちゃ」
川村が椅子に座り、その膝に横座りしたユミさんを抱きしめて、2人はキスしているところだった。

ボクは恭子のシャツの背中を引っ張って、奥に引っ込んだ。
「いいよ、邪魔しちゃ悪いからさ」小さな声でボクは言った。
「そうやね」

ボクらは、なるべく音を立てない様に・・・静かに階段を上がり、部屋に戻った。

「さっきな、うち、普通に階段下りたっちゃけど」
「2人とも、その音には気付かんかったみたい」

「うちが暖簾をくぐろうとした時、丁度な・・」
「川村君が・・ユミ!って言うて、キスしてしもたんよ」

「そっか、それで金縛りにあっちゃったのか、恭子は」
「そうっちゃ、気不味かろ?瞬間やったけ」

ククク・・とボクは笑いながら恭子を抱きしめた。

「仕方ないよ、でもさ、これで安心して休めるじゃん?オレ達もさ」
「そうやね・・キスする元気があるっちゃけ、放っといても大丈夫やね!」

恭子、もっと見てたかったんじゃないのか・・?とボクが意地悪に聞くと「もう、いやらしかね、アンタは」と恭子は唇を尖らせた。
「うちは・・人のそんなんに、興味なんて無いっちゃ」

「ほんとか?恭子」
「だって、前に言ってたじゃん?」
「ユミ達のコト、考えてたら、エッチな気分になったってさ」

「そりゃ、そうやけど・・」
うち、今は満腹やけね!・・・と恭子はボクのほっぺにキスをして、タオルケットにくるまった。

「さ、明日も早いけね・・お休み」
「うん、お休み」

ボクは、天井を眺めながら考えていた。
この恭子との旅も、いつかは終わるんだな・・確実に。

その時、一人に戻ったボクは果たして耐えられるんだろうか。
また、あの孤独に呑みこまれてしまうんじゃないか・・・と。

ボクの腕の中で恭子は、もう幸せそうな寝息をたてている。
暫くその寝顔を見つめてから軽くキスして、ボクも目を瞑った。
「おやすみ、恭子・・」



「・・・・・っちゃ・・」
「でも・・・」

翌朝ボクは、遠くで聞こえる恭子の話声で目覚めた。
腕時計は、8時を指していた。

「・・ヤバ、寝過した!」
ボクは飛び起きて、慌てて洗顔して、店に下りた。

「・・お早うございます、済みません、寝坊しちゃって」
「恭子、何で起こしてくれなかっ・・」

ここまで言ってボクは、真剣な顔で電話に応対している恭子が目に入った。

そして、隣で心配そうにしているユミさんに聞いた。
「恭子・・どうしたの?」
「お家からの電話なのよ、悪いコトしちゃったかな、私」

え、どういうコト?とボクはユミさんとその場を離れて、店の中に行って聞いた。

「私ね、恭子と京都旅行に行く・・って親に言って来たのよ」
「ほら、うちの両親って厳しいからね、男と行くなんて口が裂けても言えないしさ」

「うん、そりゃそうだよね・・」
「でも、何でそれが悪いことになるの?」

九州のお父さんからなの、電話・・・とユミさんは奥の恭子の方を見やって心配そうに言った。

「私さ、どこに泊まるんだ?って聞かれて、正直にここを教えちゃったんだよね・・」