ノブ ・・第1部
「いよいよ、っちゃね!」
「うん、動き出したな」
ただこれだけの事なのに、何か楽しかった。
「他の人、来んね・・」
そうだな、でも、横浜とか小田原とか・・けっこう停まるからね、乗ってくるかもよ?そのうち・・とボクが言うと恭子は言った。
「そうなん?嫌やな」
「何で、しょうがないじゃん、オレ達の貸し切りじゃないんだからさ」
恭子は、そっちに行っても良か?とボクの横に来た。
ボクらは二人並んでベッドに腰掛けた。
「何か、アンタのベッド、思い出すっちゃ、この狭さ」
「え〜、いくらなんでもこれよりは広いだろ、オレのベッドの方が」
はは、似たようなもんやけ・・と恭子は笑いながらベッドに横になって、ボクの背中を撫でた。
「大きいっちゃ、アンタの背中」
「有難う、でもそこまでにしといてよ?」
「なして?」
「なしてって、いい雰囲気になっちゃったら、どうすんのさ!こんなとこで」
なったらなったで、いいっちゃ・・と恭子はボクの背中に抱きついて来た。
「もう、京都まで誰もこんかったらいいのに」
「そりゃ、そうだ・・けどね」
ボクもだらしない。恭子に抱き疲れて、首筋に熱い吐息をかけられた位でフニャフニャになりかかってた。
「そうだね、いいか、この際」
ボクは振り向いて恭子にキスをした。
恭子は、待っていたかの様にボクの唇を貪った。
ボクはキスしながら恭子の合わせから手を入れて、おっぱいをまさぐった。
「ん〜、気持ちいい、アンタ・・」
「好きだよ、恭子」
少しして「・・・乗車券、急行券を拝見致しま〜す・・」と遠くから声が近づいて来た。
ボクらは、ハっとして慌てて身づくろいをした。
車掌さんが来るのがもう少し遅かったら、ヤバかったかもしれない。
だって、カーテンも閉めずにベッドの上で・・・恭子の胸ははだけて、恭子はパンツの上から手を入れてボクを触っていたんだから。
「ふ〜・・ヤバかったね」
「うん、焦ったっちゃ!」
恭子はそう言いながらも、ニコニコして離れなかった。
「ね、カーテン、閉めん?」
はいはい・・・ボクはカーテンを引いて、ベッドの頭の所にある小さな明かりのスイッチを入れた。
そして横になり、恭子はいつもの通りボクの脇に横向きになった。
ボクらはこの小さな空間でくっつきながら、二人でクツクツと笑ってしまった。
ベッドの明かりを消すと、程よい暗闇になった。
時折、列車の窓の外の明かりが入ってきて一瞬明るくなり、また暗くなった。
ゴトンゴトン・タタンタタン・・・と、繰り返すリズミカルな揺れも楽しかった。
恭子は小声で「何か、隠れんぼしてるみたいっちゃ!友達の家の押し入れの中みたいやね?」
「うん、そうかも」
「うちら、我慢しきらん二人やね」
「うちらって、恭子が、だろ?!」
もう、好かん・・恭子は抱きついてきて言った。
「だって、もうすぐ、乗って来るっちゃろ?他の人も」
「そうだね、まさか京都までこのままって事はないだろうな」
せめて、それまでの間だけでも・・・と恭子は、ボクの浴衣の合わせをはだけて乳首にキスしてきた。
「アンタ、立ってるっちゃ、乳首・・」
ボクの乳首をペロペロしながら、恭子はボクの中心を触ってきた。
「ふ〜ん・・」恭子の鼻息も少し荒くなってきた。
ボクもカーテンの中だから大丈夫だろうと思って、パンツを脱いだ。
「きゃ、脈打っとる!」
「そりゃそうさ、触るんだもん。こうなっちゃうよ」
そうやね、逞しくて可愛いっちゃ・・・と恭子はゆっくりボクをしごきだした。
「恭子、気持ちいいよ」
「うふふ、そう言ってくれたら嬉しいっちゃ!」
恭子はボクを見ながら手の動きを止めなかった。
「ね・・・胸、触ってくれん?」
「うん、いいよ」
ボクは、左手で恭子のオッパイをまさぐった。
恭子は暫くは触られるままになっていたが、ボクを見つめて言った。
「ね、アンタ」
「ん?」
「今度は、うちが横になるけん」
いいよ、とボクは場所を変わった。
横になった恭子の右隣に、ボクは半身になって恭子のオッパイを揉んだ。
「あんな・・うち、オナニーしてもよか?」
「う・うん、いいけど・・」
「でな、うちが気持ち良くなったら、アンタも自分でして?」
そういう事か、つまりはオナニーの見せっこって事だな?
「何か、恥ずかしいけど、恭子のオナニー、見たいな」
「うちも、アンタのしとるとこ、見たいっちゃ・・」
「ね、電気点けて」
小さな蛍光灯が点いて、横たわって胸をはだけた恭子の姿が浮かび上がった。
「眩しいっちゃんね・・」
恭子は、目を閉じてパンティーの上から静かに右手でクリトリスの辺りを撫でだした。
「う〜ん、いやらしいっちゃ・・これ」
ボクはそんな恭子を見ながら自分をしごいた。
恭子が目を開けて、ボクを見て言った。
「直に・・触るけ」と言って、パンティーのウエストから中に手を入れた。
「あ〜ん、クリちゃんがしこっちょる・・・」
パンティーのクリトリスの辺りが指の動きに合わせていやらしく蠢いて、ボクは目を離せなくなっていた。
「ね、キス・・」恭子はキスをせがんできた。
ボクは恭子にキスしながら、右手で自分を、左手でオッパイを触った。
キスをせがんできた意味が、やっとボクにも分かった。
恭子は自分の声を抑えようと思ったのだ。
「・・んふ」
「・・・・・」
あ〜、ダメっちゃ・・・と恭子は唇を離し小さな声で言った。
「うち、イキそうやけ・・・」
「オレも・・そろそろ限界だよ」
お互いの手の動きが速くなって、恭子が「う〜ん!」とのけ反った。
ボクはそれを見て、恭子のお腹に一気に射精した。
「・・・・」
「ふ〜」
ボクらは、列車の揺れに身を任せて暫くグッタリしていた。
恭子は仰向けのまま、ボクはその横で。
恭子は「ゴメンけど、少し、このままでいさせて」と小さな声で言った。
その後、車内放送で「まもなく、横浜に到着いたします・・」と聞こえたので、ボクは起き上って足元のディパックからティッシュを出して恭子のお腹を拭った。
そして、浴衣を合わせてやった。
「ありがと。でも、うち動けん・・」
「いいよ、横になってな?!」
ボクは一応、他の人が来てもいいように浴衣を直して反対側のベッドに移った。
恭子が寝てる方のカーテンは閉じておいた。
だってカーテンの向こうからカップルが出てきたら、そこで何してたかはバレバレだろうからね。
横浜に停車後、案の定僕らの上の段は両方塞がった。
やはり二人っきりの時間は短かった・・と言うワケだ。
横浜を発車して上のベッドの客が落ち着いた頃合いを見計らって、「恭子・・?」と小さく声をかけた。
しかし、反応は無かった。
「ん?寝たの?」とカーテンを少し開けてみると、恭子は軽く口を開けてスヤスヤ寝入っていた。
無理もない、飲み続けだったもんな、恭子は。
ボクは足元に折りたたんであった薄い毛布をかけてやり、電気を消して「お休み」とホッペにキスをした。
ボクは洗面所に行き、歯磨きを済ませてベッドに入った。
「京都着は6時過ぎだから・・・」