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長浜くろべゐ
長浜くろべゐ
novelistID. 29160
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ノブ  ・・第1部

INDEX|20ページ/80ページ|

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ありがと、言うて良かった・・・恭子は今度は思いっきりキスしてきた。


恭子のキスにボクは感じてしまった。

抱きしめていた恭子にも、それは分かってしまい「アンタ、立っとるね!」と上目遣いにボクに微笑んだ。

「だって、恭子がキスするから」
「したいと?」

どう答えたらいいんだろう、正直に言えばいいのか強がった方がいいのか。

「うち、今はいかんよ、新しいのを入れたばっかりやけね」
「そうなんだ」

そんなガッカリせんで?!と恭子は笑いながら、そんな時は・・・とブランケットに潜った。

「・・恭子?」
「待っとき、スッキリさせちゃるけね」

と、ボクのパンツを下ろして両足の間に入り、パクっと咥えた。

恭子の頭の上下に伴ってブランケットの腰の辺りが上下した。

「・・・・」恭子は何か言ったみたいだったが、ボクは気持ち良くて声を出しそうで分からなかった。

暫くして「あっつい!」と恭子はブランケットを一気にはぐった。

「ふ〜、潜ってするもんやないね、これは」
「恭子」

いいっちゃ、もう少し・・と恭子はフェラチオを続けた。
可愛い唇がボクを咥えて舐めまわしてた。

ボクはそれを上から見下ろしていたが、恭子のTシャツの隙間から見えた胸を触ろうとして手を伸ばした。

恭子は伸ばしたボクの右手を、ピシっと叩いて言った。

「集中できんけ、触っちゃいかん!」
「・・はい」

ボクは目を閉じて、今行われているエッチな行為に精神を集中した。

すると、じきに快感の大波が押し寄せて来てイキそうになってきた。

「恭子、そろそろヤバいよ!」
「出して良かよ」一瞬、顔を上げて恭子が言った。

そして今度は手を添えて、付け根辺りをしごきだした。

上は口の中で舌になぞられて下の方はしごかれて・・・。

「あ〜、ダメ・・イっちゃうよ」
「・・・・・・」

最後の大波が来てボクは恭子の口の中に射精した。
昨夜もしたのに・・・また、ドクドクといっぱい出てしまった。

ゴクン・・と恭子はボクの精子を飲んで、またあの妖しい目をして言った。

「アンタの・・美味しいっちゃ」


ボクの精子を飲み込んだ恭子は、急に起き上ってベッドから下りて微笑んで言った。

「アンタの、苦いけど甘い」
「でも喉にくっ付くっちゃ、濃いんやね」

恭子は台所に行き水を飲んだ。

「甘い・・・か?」ボクは腰の辺りのジンワリと波紋の様に拡がる気持ちよさを感じながらも、考えた。

「いや、アレは苦いよな」

恭子は何人のアレの味を知ってるんだろうか・・恭子に対して初めて嫉妬を感じた瞬間だった。

ボクも起き上って台所に行った。

「恭子・・」
「ん?なんね」

「何人も、その・・飲んだの?」
「あは、妬いとると?」

いや、そう言う訳じゃないけど・・はい、妬いてます、オレ。

「だって気になるじゃんか、好きな女の過去の、さ・・・」

恭子はコップを置いてボクを見つめて、言った。

「そうやろ?好きになると気になるもんやろ?」
「そりゃ、そうさ誰だって」

「でもアンタも、飲まれたのは初めてやなかろ?!」
「うん、まぁ・・ね」

恭子は、メンソールを取り出して火を点けた。
ふ〜・・と煙を吐きながら「好きになった男にしか、こんなコトせんよ、うち」
「いや、女なら、誰でもそうやけ」
「でもアンタが初めてやないのも、確かっちゃ、ゴメンけど」

うちな、心を許した、好きになった男に対しては喜ぶコトは何でもしたい方やち思う・・と恭子は言った。

「やけ、うちとセックスしとうても出来んアンタが・・」
「アンタが喜んだら、うちも嬉しいんや」

「もう、これからはアンタ以外にはあんなコトせんけね・・妬かんでね?!」
と最後はよしよしされて、終わった。

完全にボクの負けだな、この勝負。




       散歩




「お腹、空いたっちゃ」

恭子はメンソールを消して、ボクに微笑んで言った。

「どこか、外に行かん?今日もいい天気やけ」
「うん、いいけど・・・大丈夫なの?」

「大丈夫、アンタの新鮮な蛋白質飲んだら元気出たっちゃ!」
「バカ・・・うそつけ!」

恭子が抱きついてきて耳元で囁いた。

「アンタと二人で歩きたい」

ボクらは、昼下がりのすずらん通りに出た。
途中、ボクは家に寄って、シャツを替えて短パンとサンダルにした。

恭子は白いノースリーブでまたノーブラだった。

歩きながらボクは聞いた。
「平気なの?無くてさ」
「うちな、元々好かんのよ、ブラって」

「締め付けられる感じがしてな・・・いいっちゃ、見たけりゃ見ぃ!って感じやけ」
減るもんやないし・・・と笑った。

でも歩くたびにプルプル揺れるのは良く分かったから、ボクは気が気ではなかった。

そんなボクを知ってか知らずか、恭子は言った。

「他の誰よりも、アンタが喜んでるっちゃ!」
「だって、気になっちゃうんだもん」

アハハ・・と恭子はボクの手を引いて、スパゲッティー食べたい!と言った。

スパゲッティーね・・でもどこにあるんだろう、そんな店。

「スパゲッティーだったら恭子のが美味しいんじゃないの?」
「うん、そうか・・・」

「したら、お蕎麦は?うち、麺類食べたい!」
「蕎麦屋ね・・・あ、蕎麦屋なら一軒知ってる!」

じゃ、そこにしよ?!と言われて、今度はボクが恭子の手を引いてUターンした。



ボクらは靖国通りを万世橋の方に歩いた。

途中、楽器屋やスポーツ用品店の並ぶ通りを歩きながら、ボクはふとチヨダスポーツの前で立ち止まってショーウインドを見た。

そこにはボクが愛用していたのと同じ登山靴が並べられていた。

一瞥して黙って歩きだしたボクに、恭子は「どしたん?」と聞いた。

「うん、昔、履いてた登山靴があったからさ、懐かしいな・・ってね」
「そっか、アンタ山男やったんやもんね」

山か・・・今頃、北アルプスの表銀座は、やっぱり大渋滞なんだろうな。
乾徳山の鎖場も泉の水場も、順番待ちだろう。

でも(恵子と行った)春は、誰もいなかったな・・・。

「思い出したと?」
「うん、北アルプスの好きだったコースをね」
「その人のコトやなかと?」

ああ、恵子じゃなくて北アルプスだった・・・と恭子にウソを言った。

「そうなん?」
「うん」

「無理せんでいいとよ?思い出したんなら思い出したで・・うち、平気やけね」
と言う割には、恭子は俯いていた。

「大丈夫だよ、思い出してないから」
「うそ!」

あ、ごめん、いいっちゃ。気にせんで?!と恭子は、無理に笑顔で言った。

「おかしいね、平気や言うてたのに」
「・・・恭子」

あ〜、お腹空いたっちゃ!と恭子はボクの手を引いて歩きだした。

きっと恭子は読み取ったんだろう、ボクの心の揺れを。
あえてボクも、もうその件には触れなかった。


恭子はボクの手を引きながら、前を歩いた。

「恭子」
「なん?」

店、知ってるの?とのボクの問いに、クルっと振り返って笑った。

「あは、そうやね、うち、どこか知らんやった」
そうなんだな、この笑顔にボクは救われたんだ。

「ばか」
ボクは恭子の肩を抱いて歩いた。
「こっちだよ」