ノブ ・・第1部
「好かん」
「え?」
「うちの事は名前で呼んで欲しい・・」
彼女の目はボクを見つめたまま潤んでいた。そして言った。
「恭子って・・」
彼女はまたキスをしてきた。
まず唇、次に下顎、頬、そして耳朶へと、彼女の舌はクルクルと遊びながら移っていき、ボクは自分の吐息と彼女の吐息がともに大きくなっていくのを感じていた。
彼女に両手を掴まれたまま、ボクは彼女のキスの雨を受けていた。
彼女・・いや、恭子はボクの自由を奪ったまま首から胸へ、唇を移動させて舌でボクの乳首を弄んだ。
「な、アンタ・・・」
「なに?」
恭子はボクを見上げて、微笑みながら言った。
「うちな、お酒飲むと変わるんかもしれん」
「自分でも驚いとる・・・何か凄くエッチな気分や、今」
「オレは、可愛い獣に犯されてる気分だよ」
ボクはもがいて反撃に出ようとしたが、恭子にまた止められた。
「お願いやけ・・もう少し好きにさしちゃり」
アンタの体、綺麗やけ・・恭子は呟くとボクの胸に耳を当てた。
「・・聞こえる、アンタの心臓の音」
「そりゃそうだよ、生きてるんだからさ」
「そうやね・・うちらは、生きてるんやね」
恭子は暫くの間、そのままだった。
そして小さな声で言った。
「アンタを独りにはさせんけね、もう。うちに・・いや、うちをもっともっと好きになり?!」
「うん、有難う」
ボクの胸が濡れたのが分かった。
恭子は、静かに泣いていたのだ。
心が何か温かいモノで満たされていき、ボクも泣きそうになった。
ボクは手をほどいて恭子を抱きしめた。
「好きだよ、恭子」
ボクは体を入れ替えて、仰向けの恭子の横になりキスをした。
恭子も激しいキスを返してきて、ボクは恵子を失ってから初めて、女を抱きたい、愛したい衝動を再び感じた。
唇を離して恭子が言った。
「あぁ、いい気持ち・・ね、いっぱい愛して」
何も身に着けていない恭子の体は、窓からの明かりだけでも充分に綺麗だった。
ボクは右手で恭子の胸を愛撫して、左の乳首を優しく摘まんだ。
「あ、あぁ・・・う〜ん」
唇と舌で、右の乳首を軽く噛んだ。
恭子が頭を左右に振り言った。
「それ、いかんっちゃ・・」
ボクは構わず口で愛撫を続け右手で恭子の足を開かせた。
恭子の花園はもう充分に潤っていて、ボクを迎え入れる準備は整っていた。
ボクはクリトリスを優しく撫で、中指で入口を確かめた。
「うぅ、いかん、いかんっちゃ!」
恭子は両手でボクにしがみついてきたが、ボクは中指を入れた。
中は温かくて指を締め付けてきた。
ボクは起き上り、寝台を下りた。
そして恭子の体を横に向け、寝台の上に上半身だけを残し下半身を下に下ろした。
恭子の両足が寝台からぶら下がり、ボクはしゃがみ込んでその足を開き花園にキスをした。
「いや、いかん・・あぁ」
足を閉じようとする恭子は、ボクの頭を挟んだまま両手で顔を隠した。
ボクは構わず花園を味わい、両手で胸を揉んだ。
「恥ずかしいけど・・・感じるっちゃ、ね、アンタ、うち感じる」
「・・・」
ボクは暫く無言で舐め続けた。
「あぁ・・いかん、いかんけ・・あぁ〜ん」
恭子の声が大きくなりだして、言った。
「ね、お願いやけ・・愛して?!ね?」
「欲しい・・アンタが・・あぁ〜ん!」
ボクは立ちあがってズボンを下ろした。
ボクの分身は、はちきれんばかりに上を向いていた。
「入れるよ、恭子」
「うん・・・入れて」
恭子は寝台の上からボクを見上げて、言った。
ボクは恭子の花園にゆっくりと入れた。
「うぅ」
恭子は目を閉じ、一瞬、眉間に皺を寄せた。
ボクは恭子の両足を抱えて、深く入れた。
全部入った時、恭子が目を開きボクを見て言った。
「当たってるっちゃ・・アンタのが、奥に当たってるっちゃ」
「うん、分かるよ、オレも」
ボクと恭子は見つめあったまま、ボクはゆっくりと出し入れした。
久しぶりに女を、好きな人を抱いている・・不思議な気持ちとともにボクは、この突然目の前に現れた恭子が心から愛おしくなっていた。
今、ボクと一つになっている恭子。
明るくてお喋りで、涙もろくて良く食べて良く飲む女の子。
カチカチに乾いた土の様だったボクの心に、恭子は突然に降り出した雨の様に沁み込み、やがて緑が萌えい出て、草原に、そしてオアシスになるのかもしれない・・・。
ボクはそんなコトを考えながら、ボクの下で可愛い声を上げている恭子を愛した。
そんな恭子が言った。
「お願い・・」
「なに?」
「ベッドに来て」
ボクは寝台に上がった。恭子は、体を離すと「今度はうちが・・・」
と、ボクを横たえ上になった。
そして、自分でボクを掴んで花園に持っていった。
「うち、アンタを見ながらしたい」
恭子はボクを見つめながら、腰を前後に動かし始めた。
「ね、うち、うち・・・」
段々と恭子の動きが速くなり、恭子の眉間にまた、皺が寄り始めた。
「あぁ〜〜いいっちゃ!うぅぅ・・好きやけ・・ね?」
「うん、オレも」
恭子はボクの手を取り、自分の胸に持っていった。
「ね・・揉んで?!両方揉んで!あ〜」
恭子の動きが一層激しくなり、ボクはイキそうになってきた。
「ダメだ、イッっちゃいそうだよ」
「・・・いかん、まだ・・・あ〜〜まだっちゃ」
「イク時は、一緒やけ・・あぁ〜ん」
恭子の締め付けが一段と強くなったかと思った瞬間「あぁ〜〜イクっちゃ・・・うち、うち・・」
「あぁ〜〜ん!」
おっぱいを揉んでいたボクの手を恭子は凄い力で掴み、後ろにのけ反って恭子はイった。
そしてグッタリとボクの胸に顔をつけて、ハァハァと荒い息をした。
恭子の鼓動が激しかった。
射精のタイミングをずらされて取り残されたボクは、まだ恭子の中で元気だった。
静かになった恭子の下で、ボクは幸せな気分で恭子の重さを感じていた。
「・・・」
「ん?なに?」
「ゴメン、先にイッてしもて・・」
いいさ、そんなこと。でも、オレ、まだなんだけど・。
「そのまま・・」
ボクは、ゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
「・・あ、いかん・・今は動かんで?」
「だめ、今度は、オレの番だから」
「お願い、じっとしてて・・・あ〜〜いかんっちゃ」
恭子は身をよじって逃げようとしたが、ボクはきつく抱きしめて逃がさなかった。
ボクは恭子のお尻を鷲掴みにして花園を開く様にして、腰を突き上げる様に動かした。
「あぁ〜〜いかん・・・また、感じるっちゃ」
ボクはそのままの形で出し入れのスピードを上げた。
恭子の声が再び大きくなりボクも限界が近づいてきた。
「・・恭子、そろそろ」
「・・うん、今度は・・あ〜〜、一緒に・・・あぁ〜ん!」
「外に出す、からね!」
「ダメ!このまま・・・うち、安全日やけ・・あぁ〜ん、このまま」
うちの中でイって〜!と恭子は小さく叫び、言われるままにボクはドクドクと脈打ちながら恭子の中に射精した。
恭子も、またイった。
薄暗い部屋の中で聞こえるのは、二人の荒い息遣いと、また雨が降り出したのか窓の外を通る車が轢いていく雨の音だけだった。
恭子もボクも、暫く動けなかった。