夢の途中4 (121-151)
「今でもやってるの?(^。^)y-.。o○」
『・・・うううん、此処にはそんな場所無いから(*_*;・・・・でも、札幌に居た時は幾つも社交ダンス同好会なんかが在って、時々踊ったけど・・・・ねえ、林さんは学生の頃、何かスポーツでも?』
「ああ、中学、高校と柔道をやってた。」
『黒帯?』
「ああ、一応二段だよ。 お陰で酷い【ガニ股】さ^^;・・・
高2の秋から軽音楽部にも入ってね♪(^。^)y-.。o○
僕たち、フォークソングの時代だろ?五つの赤い風船とか、かぐや姫とコピーしてさ♪
でも、三年生になると段々ロックに傾倒していて、クラプトンやらストーンズのコピーの毎日だったね♪(^^)/」
『林さんはバンドではナニを?』
「ベースとボーカル♪(=^・^=)」
『まあ、恰好良い♪(#^.^#) いっぱい女の子にもてたでしょ?』
「さあ、それはどうかな?^^;・・でも、三年生の秋に学園祭の舞台で演奏した時にはウケたね♪(*^_^*)あの頃が【人生最高のモテ期】だったかも♪(^v^) 」
『まあ、鼻の下伸ばしちゃって!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
大体あの頃の男子は、女の子にモテたい一心でバンド組んでるんじゃない?
(--〆)ドウキガ、フジュンダワ!』
「(^_^;)あはは、それは今も昔も変わらないんじゃないかな?」
優一と香織が店の中で話しこんで居る時、店の前に熊田政夫が立っていた。
明け放った店の窓から、楽しげに談笑する香織と優一の声に押され、店のドアノブに手を掛けたまま引く事は無かった・・
暫くして、熊田は店に入る事無く、踵を返し元来た道を歩き出した・・・・
翌日、優一のブルーバード・セダンに香織を乗せて熊田ファームに向かった。
今日も快晴だった。
快晴であっても、北海道らしく湿度も低くく、過ごしやすかった。
駅前から車で30分程行くと、藤野市の街並は途切れ、この地の特徴であるなだらかな丘、【丘陵地】が一面に広がっている。
丘には遠目にも鮮やかな色彩のお花畑、多分ジャガイモかタマネギと思われる農作物の濃い緑が目に入った。
優一達が造るバイパスが完成するまで、駅前からだとどうしても街中を通らねばならないため、観光シーズンは渋滞した。
シーズンオフならほんの10分の距離らしい・・・
お花畑も、新プリンセスホテル等のホテル街にも、そして更に奥のスキー場に行くのも同様だった。
それ故、今回の道路計画が出来たのだが・・・
「んん~~ん♪(^。^)y気持ちが良いねぇ~♪北海道らしい風景だ♪(*^^)v」
『そうでしょう~~~♪(^.^)/~~~本州だとこんな風景、お目に掛れないもの♪(#^.^#)』
香織は半袖で水色のワンピースと赤いサンダル、上着代わりに白いレースのボレロを羽織っている。
優一は白とブルーのボーダー柄のUネックのTシャツにベージュの麻のジャケットとジーンズ、それとこげ茶のテッキシューズを履いていた。
『あ、そこ!その角を曲がると熊田さんの農園よ♪(#^.^#)』
香織の指示通り車を左折させると、大きな立て看板で【熊田ファーム】とあった。
看板の隅に、花束や牛乳の瓶を腕の中いっぱいに抱え微笑んでいる男の似顔絵があった。
イガグリ頭で可愛い熊のようなイラストだった。
多分、熊田だろうと優一は思った。
乗用車なら50台は停められる大きな駐車場に車を停めると、駐車場から5m程高い場所に農園の受付を兼ねた売店があった。 階段を登り店に着くと、
『アラ、静ちゃん、こんにちわ~~♪(^.^)/~~~』
香織は売店の前で接客中の若い娘に声を掛けた。
[あ、香織ママ、いらっしゃい♪(^^)/ 良い天気になって良かったね♪(=^・^=) あ、こんにちわ♪(*^。^*)]
「こんにちわ♪(*^_^*)今日はお世話になりますm(__)m」
『静ちゃん、お父さんは?』
[ああ、とうちゃんならさっきまで売店で売る馬鈴薯運んでたんだがね? ママが来る事は今朝も言ってたから、その内くんじゃないの? まず、お花畑でも散歩して来て♪(^_-)-☆]
『うん、じゃあ、そうするね♪(^^)/ また後で寄るから♪(#^.^#)
あ、そうだ!いけない!(^_^;) これ、昨日チーズケーキ焼いたんだァ♪(#^.^#) 美味しいかどうか分かんないけど、召し上がって♪(^_-)-☆』
香織は持参した大きな丸い風呂敷包みを娘に手渡した。
[わァ~~、香織ママのチーズケーキけ?ウマイに決まってるでないのォ~~♪(*^^)v 何時もありがとね♪今日はゆっくりしていってね♪(^^)/]
『は~~い、じゃあ、また後でねぇ~~♪(^^)/あの子、熊田さんの次女でね、静子ちゃんて言うの♪一昨年結婚して、旦那さんも脱サラして農場を手伝ってるのよ♪
他に熊田さんの長男夫婦も居て、皆で農場盛り上げてるから安心よ♪(=^・^=)』
熊田の娘と香織のやり取りを見て、家族ぐるみで付き合っているのだと感じた。
香織と並んで上り坂の道を歩いていると、程無くその小さな丘の頂点に立った。
「こ・・これは!(@_@;)・・・・素晴らしい~~!」
『うふふ♪でしょう?(^_-)-☆
小高い丘に並んで立った二人の目の前に
広大な丘陵地のお花畑が広がっていた・・・
当に【虹色のお花畑】であった。
花にあまり詳しく無い優一にはどれが何と云う花であるのか分からなかったが、七色、いや、それ以上の色彩が花の帯となって、丘陵地のなだらかな起伏に沿ってうねるように咲いていた。
「香織さん、凄いよコレは・・・・まるで・・まるで絵画だよコレは・・・(^_^;)・・・・」
息をのみ花畑を見続ける優一の横顔を見て、香織は満足げに微笑んでいた (^_-)-☆
優一は香織の案内で虹色の花畑に入った。
香織は草花の知識に詳しい。
花畑の花の一つ一つの名前は勿論、その花の【花ことば】の一つひとつまで教えてくれた。
(・・・これだけ草花に詳しければ、この【熊田ファーム】の後添いに入っても十分やっていけるのだろうな(/_;)・・・・)
香織の姿に熊田が重なって、何故か寂しい感情が湧いてくる優一であった。
『この白い花がカンパニュラよ♪(=^・^=)
カンパニュラは色んな形や色が在ってね、紫やピンク、花弁の形もこんな提灯袖の様な形から、星のような形まで在るのよ♪(^_-)-☆ ただ、夏の暑さに弱くてね、本州では夏が越せないから一年草だと思われてるけど、本当は球根を持った多年草なの。』
「そしてその花言葉は?」
『【感謝】、あるいは【感謝の音色】よ♪(^_-)-☆
フウリンソウ・ホタルブクロ・イワギキョウとも言われるけど、ギリシャ神話にも出てくる古くからある花なの。
昔カンパニュラと云う娘がいてね、金の林檎の見張り役だったの。ある日、その金の林檎を略奪しに来た盗人により流血し息絶えるてしまった・・でも、最後の力を振り絞り、鈴を鳴らして神様に急を知らせたの・・・彼女の死を悲しむ花の女神フローラは、彼女の健気な心に感謝して、その姿を花にかえてあげたのよ(^_-)-☆』
「しかし良く知ってるね♪(^。^)y-.。o○ まるでプロみたいだ」
作品名:夢の途中4 (121-151) 作家名:ef (エフ)