小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

笑撃・これでもか物語 in 歯医者

INDEX|9ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

 
 マークは何か探し物をしているようだ。そしてしばらくして、再登場。しかしその手には、奇妙な物がしっかりと握り締められている。

 高見沢はそれが何なのかと目を凝らして確認してみると、それは丁度口の中へ入る大きさの……チェンソーのような物。
 高見沢はそれを目の当たりにして……血の気が引いた。なぜならマークの魂胆が読めたからだ。

 まことに不幸なことに、その予感は当たってしまう。そう、マークは親不知を輪切りするように、躊躇なく切れ目を入れ始めたのだ。
 小型チェンソ−が口の中でガ−ガーと唸りを立てている。高見沢は今にも卒倒しそう。
 こんなクレージーな処置の後、マークは少し手を止めて、自分の計画を説明し始める。
 それによると、まず最初に、親不知の円周囲にワッパの切れ目、つまり溝を作る。その次に、そこへしっかりと糸を巻き付ける。そしてその糸を思い切り引っ張って……、悪魔の親不知を引っこ抜く。

 これこそがアメリカ男が目論んだ抜歯。そしてマークはまことに自信たっぷりの御様子。
 だがこのアイデアは、高見沢が予感した最悪のシナリオ。こんなマークの計画を再確認して、ショック死しそう。
 それでもそんなワッパ掛け作業は、着々と進められて行った。

 高見沢が下目を使い、口元の辺りをチェックしてみると、自分の口の中からタコ糸のようなものが、ぶらっと垂れ下がっている。そしてふらふらと揺れている。 
 そこから先へと糸を辿って行くと、まさに最先端、つまりその一点は、マークの毛むじゃらの指先で……、きゅっと摘ままれているのだ。