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夢の途中2 (49ー86)

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展望台の柵から10m程離れた所に直径1m程の輪が鉄棒の先に掲げられていた。
その輪の中に、カワラケを通すのだ。
『うあ~~、ホンマ?やりたい~♪(#^.^#)』
優一は4枚のカワラケの2枚を瑛子に渡した。
「あんな、こうやって、人差指と親指の間にお皿をさかさまに伏せて持つねん。そいで、手首を効かせて・・・・・えい!」
優一の右手から放たれたカワラケはシュルシュルシュルと糸を引くように、鉄の輪めがけて飛んで行った!

     (^_-)-☆



優一の放ったカワラケは鉄輪の寸前で失速して外れた…
      (-_-;)
『あ、優一君、惜しい~!(ToT)』
「今度こそは!(--;)」
優一が放った二枚目のカワラケは…前よりもっと外れた…( ̄▽ ̄;)

「瑛子ちゃん、頑張って!(^_-)☆」
『よ~し♪(*^^*)』
瑛子は慎重に狙いを定め…『えい!(*^o^)/~~~』
瑛子の放ったカワラケは、ヘナヘナと見当違いの方向に落ちた…(-_-;)ジシン、アッタノニ…
次に投げたカワラケはやはり見当違いの方向に落ちた…
     (ToT)…

     (--〆)

顔色の変わった瑛子は、つかつかと売店に行き、新たに自分でカワラケを購入した。
そして、優一の存在を忘れたように、カワラケを投げ続けた!(--;)…
結果は似たようなものだったが…

(( ̄▽ ̄;)結構、ムキになるコやな…)と優一は思った。




神護寺を離れる頃にはもう夕方5時を過ぎていた。
「瑛子ちゃん、今日は何時までに帰ったら良いの?」車を走らせながら優一が聞く。
『私、9時が門限やの(+_+)…』
「ん~、そしたら宝ヶ池のライヴハウス行こか?8時過ぎに店出たら、9時には十分間に合うわ♪(^_-)☆」
『ライヴハウス?わぁ~♪行きた~い♪(*^o^)/)どんな音楽やってんの?』
「ホンキートンクって言う、カントリーの演奏やってる店♪」
『へぇ♪楽しみ~♪(*^。^*)』

【ホンキートンク】は、岩倉の宝ヶ池の入り口にあって、
西部劇に出てくるようなカントリーハウス風の造りをしてる。
建物の脇には、柵で仕切られた丸い馬場もあり、実際乗馬教室も開かれていた。
優一と瑛子が店に入ると、丁度今日一度目の演奏が始まる時だった♪
二人は早めの夕食を摂るため、ここのお薦め料理【ジャンバラヤ】を注文した♪
まさか【洋風おじや】とは知らなかったが(((^^;)…
それでも楽しかった♪ コロコロ笑う瑛子♪
冗談ばかりの優一♪ 他に何も要らなかった♪
二人は予定通りに、8時過ぎに店を出た。
『優一君、今日は楽しかった♪(*^^*)ありがとう』

「ホンマ?良かった♪(((^^;)でも、瑛子ちゃん、音楽好きやな♪」
『うん♪大好き♪(*^^*)ポップスもロックもクラシックも♪あ、今日のカントリーも大好き♪\(^-^*)』
「ふ~ん♪そしたらまた行こな♪(^。^)y-~」
『ホンマ?嬉しい♪(*^^*)でも、これからコンサートの準備で
忙しいんやろ?』
「ああ、そら、ちょっとはな…あとひと月、山木のコンサートやしな、頑張るわ♪(^^ゞ」
『頑張ってや♪(^_-)☆』
優一と瑛子の会話は途切れることは無かった。
しかし、優一の運転する白いブルーバードは8時40分には
【都寮】のそばに着いた。
「…あ、着いたな…』 『…うん…着いたね…」
「…割と早く着いたなぁ…」 『…うん…割と…早く着いたね……』
「…………………」 『…………………』
「もう少し…話して…いたいなぁ…(((^^;)」
『(*^^*)うん、まだ9時15分前やし♪』

若い二人はいつまでもこのまま話して居たいと思うのだった♪(^_-)☆




「昭和50年11月16日
昨日に続いて、林君と会った。【忘れな草】でお喋りして、高雄の神護寺に連れて行って貰った。
すごく楽しかった♪
その帰りに宝が池の【ホンキートンク】と云うカントリーのライブハウスに連れて行って貰った。
すごく楽しかった♪
門限が無ければもっと良かったのに・・・・
林君はまた行こうと言ってくれた。
嬉しかった!」

日記を読む優一の顔に微笑が浮かんでいた・・・
本人は気付かなかったが、凡そ2週間ぶりの頬笑みだった。
優一は日記こそ付けてはいなかったが、付けていれば恐らく同じ事を書いていただろう・・
それほど二人の恋心はほぼ同時に坂道を急速に駆け上がるように燃え上がっていたのだ。
見なれた懐かしい文字を目で追ううちに、まるで瑛子と話をしているような気持ちになった・・・
優一の心の中に瑛子の微笑が蘇った







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章タイトル: 第13章 浪速のシャラポア?2008年夏


1週間藤野市に滞在した優一は、一旦東京に舞い戻った。
そして、大阪本社で会議をこなしたあと、久しぶりに愛娘・由美と会食をした。
由美は大阪桜花(おおか)女子大学の2回生となっていて、今年の9月に二十歳になる。
中学から通うこの大阪桜花学園は、由美の母、真知子の母校でもあった。
由美は中学の頃から大学まで一貫してテニス部に所属している。
母親似の華奢な身体つきにも拘わらず、全身に強靱なバネを持ち、全国の学生選手権では常に、上位に数えられる実力者だ。
本人も将来はプロのテニスプレーヤーを目指している。
気の早いスポーツ紙などは、由美の事を『関西のシャラポア』と呼んだ。

真知子との離婚以降も優一と由美は不定期に会い、会食をしていた。
真知子・由美母子は今も義兄増田泰三の敷地内の離れに寄宿していた。
真知子は離婚して半年後、元々所属していた料理学校の講師の職に復帰した。
最初こそ好奇の目で見られはしたが、元々味覚・栄養・美的センスに恵まれていた真知子は、ひたむきに授業をこなすことで生徒の信頼を回復していった。
経済的には自立していたものの、当時由美もまだ中学生であり、真知子の実母、今年85歳になる清江の強い要望もあり、ずるずると実家住まいを続けていた。

優一は由美と大阪駅前のホテルにある馴染みのステーキハウスで待ち合わせた。
まだ三人が親子で在った頃、良く会食に来ていた店だ。
6時の約束の時間に優一が行くと、既に由美は来ていて、
そればかりか、由美の目の前の鉄板の上ではもう分厚い肉が、うまそうな音を立てながら焼かれ始めていた。
「よっ、久しぶり♪ なんや、もう食べてるんか?(^v^)あ、目黒さん、ご無沙汰してます<(_ _)>」
『あ、お父さん久しぶり~~♪そやかて、めちゃめちゃお腹すいてねんもん!
(@_@;)此処で何も食べんとお肉の焼ける匂い嗅ぎながら待つのって酷やわ~~!
(ToT)/そしたら目黒のおっちゃんが、【さき、焼いとこか?】って云わはってん♪(#^.^#)』
[あ、林様、お久しぶりです<(_ _)> いや、由美ちゃんがね、今にも鉄板の上の肉に齧り付きそうになってましてね(^_^;)]
『いややわ~、おっちゃん、またそんなテンゴ言う~!(-_-メ)
ウチはこう見えても花も恥じらう乙女やでぇ!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!』
作品名:夢の途中2 (49ー86) 作家名:ef (エフ)