小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

表と裏の狭間には 五話―光坂の体育祭―

INDEX|2ページ/3ページ|

次のページ前のページ
 

「ひゃはははは!っ…………いい反応してくれるっすねひゃーははははは!!」
「………………。」
「ちょっと………紫苑君、本気で怒っきゃははてるの。」
「…………サバゲーのメンバーに祭り上げられたんだけど?」
「みたいね。聞いたわ。おめでとう。」
「どうせアンタらが仕組んだんでしょうが!!」
「当たり前だろう。」
そんなあっさり肯定されても反応に困るんだが。
「ていうか、わっちらも出るよ?」
「は!?」
「あたしたちも当然参加するわよ。あたしたちが上げた企画だしね。」
やっぱりお前らが元凶か。
「あたしと煌は二年一組。」
「私と兄様は一年二組なの。」
「……ぼくと理子は一年六組です。クククッ」
笑いすぎだぞ礼慈。
「………つまり、戦闘を日常的に行ってるメンバーでサバゲーをやるわけか。」
「というか、他の組の参加者もほとんどがうちの構成員よ。」
ふざけるな!!
「この学校には何人うちの連中が混じってるんだ!?」
「各クラス最低一人。」
「既に乗っ取られてるも同然だなこの学校!?」
おそらくこれ以上はNGなのだろう、ゆりはそこで会話を打ち切った。
「ま、色々と頑張ってね。」

家にて。
「何故か、サバゲーに参戦することになった。」
「何があったの!?」
雫に今日の出来事を話していたのだが。
ついつい雫がスプーンを取り落としてしまった。まあ無理もないか。
「学校の体育祭の話だよね!?何でサバイバルゲームなの!?」
「ああ。お前の驚きも最もなんだが、取りあえず落ち着け。」
まず雫をなだめる。
「えっと、うちの学校では体育祭の種目を、一種目だけ生徒からの公募で決めるみたいで。で、今回最も多かった意見が………、」
「サバゲー……。」
「まあ、なんか意味分からない体育祭だけど、観に来るか?」
「行くっ!」
そこだけは、笑顔で即答する雫だった。
相変わらず、可愛いな。こいつ。

さて。
そんな色々があって体育祭最終日。
街全域を舞台とした、サバイバルゲームである。
普通の競技は俺も出ないし、退屈だったのでオールカット。
競技が始まる前に、ルールを説明しておこう。
基本的には、ペイント(自然に優しい特殊ペイント)弾の入った銃を使って戦う。
胴体及び頭に当たったらその時点でゲームオーバーである。
四肢はどうやらセーフらしい。
武器は以下の通り。
拳銃が一丁、装弾数は10発。
弾倉は最初に入っているのを除いて9個。
倒した敵から奪ってもいい。
また、弾倉のみなら街のあちこちに隠されているらしい。
プレイヤーは二人一組。ただし別々に行動してもよい。
制限時間は午前九時から午後四時までの七時間。
昼食は事前に弁当を持参のこと。
民間人を誤射しないよう最大限注意すること。
得点は時間切れの時点で総得点を残存クラスで割った点数。
ただしペアの一人が死んでいる場合、その点数から更に半分引かれる。
当日は、各々自由な出発地点に潜み、開始時間を待つこと。
以上が、ルールだ。
そうそう、参加人数だが。
一年16組、二年15組、3年17組で、計48組、各クラス二人なので、ざっと96人だ。

~紫苑視点~
午前九時。戦闘開始だ。
「じゃ、頑張ろうか。」
「はい。頑張りましょう、紫苑君。」
………………。
まさかマジでやるとは思ってなかったんだが。
何かの冗談であって欲しかった。
まあ、そんな事を言っても仕方ないか。
勿論やるからには勝つつもりだ。
だが、相手のほとんどは戦闘が本職(?)のアーク構成員。
しかも、その中には楓班(俺たちが所属している班だ)のメンバーもいる。
さて、この勝負、どう出るべきか?

~ゆり視点~
ゲーム開始だ。
あたしたちにとっては普段していることと何ら変わりない。
いや、それよりも難易度は断然低いだろう。
まあ、目下の心配といえば、隣にいる煌が覚醒しないかという問題だけなんだけど。
それは心配しても仕方ないか。
「よし、やるか。」
「そうね。」
「じゃ、折角だし、絶対勝とうぜ。」
「う、うん。」
こいつ!普段は不良やってるくせに、こういうときだけこんないい笑顔見せるんだから!
毎回思うけど、あたしの高感度上げてるつもりなの!?
そんなことしても無駄なんだから!
あたしは別に煌に気があるわけじゃない。
ないんだよ!ないったらないの!
そこの読者!あたしの言うこと信用しなさいよ!
ったく。こんなんで大丈夫かしら?

~輝視点~
まあ、ゲーム開始っすね。
ぶっちゃけた話すると、楓班以外の連中は敵じゃない。
言っておくけど、僕ら楓班はかなりのエリート集団だ。
そこらの構成員では手も足も出ない。
まあ、紫苑はどうだか知らないっすけどね。
「で?兄様、結局どうするの?」
「そうだねー。まあ、当分はここで休んでるっすよ。」
「そうだね。それが楽でいいかもしれないの。」
ま、今頃ゆりと煌はラブコメってるんだろうけどね。
相手が耀じゃそんな余裕も余地もないっすよ。

~理子視点~
わっちらはゲーム開始と同時に、移動を開始した。
わっちのパートナーは礼慈だ。
今わっちが負けたと思った人、素直に挙手しようね。
まあ、気持ちは分からなくもないよ。
礼慈ったらいつもいつでもいつまでも寝てるしね。
今も眠そうな半眼だし。
でも。
戦闘時のコイツは、滅茶苦茶頼りになるんだ。
本当に。
煌には及ばずとも、輝となら対等に渡り合える程度には、頼りになる。
わっちはそこまで強くないけど、罠を張った戦法なら得意だ。
だから、まずは敵同士を上手く鉢合わせさせ、互いに互いを潰させ、弱ったところを横合いから強襲する。
でも、ゆりたちはどうやって倒そうかなー?
「じゃ、取りあえず行きますか。」
「……善処する。」

~学校では~
さあ始まりました!この学校お馴染みの特別種目!
今年選ばれたのはなんとサバイバルゲームだ!
ではここでルールを解説。
―省略―
さて、各プレーヤー行動を開始しました!えー、それぞれの帽子に取り付けられたカメラの映像でお送りしていきます。実況は放送部の館山です。
今回の参加者は48組96人!
この中で何組が残るか!?
早速動いたのは17組!最も活発なのは宵宮理子・蘭崎礼慈コンビ!さてどういう作戦で出るのか楽しみです!
取りあえず沈黙を守るプレーヤーも多いですが、まだまだ戦いは始まったばかり!これからの展開に注目です!

~紫苑視点~
動かないことには始まらない。
という訳で、まずは敵を探す。
問題は、どうやって倒すかだ。
蓮華には悪いが、速攻で戦力外判定だ。
さて、そうやって移動しているわけだが、どうしたことだろう。
誰にも出会わない。
まさか、俺達の知らないところで勝手に潰しあっているとでも言うのだろうか?
だとしたら有難いが。
っと。
「蓮華、ちょっと隠れて。」
「はい。」
物陰から覗うと、そこには、必至で撃ち合う二組のグループと、それを横から狙うグループが。
…………こっちには全く注意を払ってないな。
まずは横から狙ってるグループを狙い撃つ。
あれ?結構あっさり倒れましたけど?
「こんなのでいいのかなー………。」
なんか作者が書くの面倒だからって手を抜いてるみたいな展開だけど。