夢の途中1(1-49)
昭和50年のクリスマスは寒気が近畿圏内を覆い、久しぶりの【ホワイトクリスマス】になった・・
そんな『聖なる夜』に二人は結ばれたのだった。
翌朝、瑛子は愛する男の胸の中で目覚めた
夢かと思えた昨夜の事は
本当だったのだ・・
普通、『ラブホテル』の窓は内からも外からも灯りの漏れない作りになっていて、室内にいる限り、今が夜なのか朝のか分からない・・
けれど、長年の寮生活で規則正しい生活のリズムを持つ瑛子には、例え目隠しされたとしても、『起きるべき時間』に自然と目覚めた・・
例え前夜に一生忘れ得ない出来事があったとしても・・
目を覚ました瑛子は慣れない一夜の部屋の中を見回し、ベッドの宮付にはめ込まれた時計を見つけた。
(・・7時・・か・・・・・)
瑛子は恋人・優一に腕枕されている。
(・・此処は都寮やないし♪・・・・優ちゃんもいるし♪)
瑛子はまだスヤスヤと眠る優一の寝顔を幸せそうに、じっと見ていた。
昨夜、吹雪に近い雪の中、必死の思いで比叡山ドライブウエーの頂上まで辿り着き、きらめく古都の輝きを見つめ、
優一と口づけした・・
その後、滋賀県側にドライブウエーを下り、坂本辺りのラブホテルに車を入れたのだった。
優一と示し合わせた訳では無かったが、瑛子はこの日優一と結ばれることを望んでいた・・
母の「一人前の看護婦になるまでは、男はんはご法度ですえ!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」との厳しい言いつけを忘れた訳では無かったが、愛し合っている以上、それが自然なことだと瑛子は思っていた・・
例え今は分かって貰えないとしても・・
「瑛子ちゃん、・・・・・・・・今夜、帰らんでもええか?^^;」
『・・・うん・・・・そのつもり(#^.^#)・・』
はにかんで、遠回しに云う優一の言葉に瑛子は肯いた。
(^_-)-☆
雪道は、登りより下りの方が数倍危険だった!
(ToT)/~~~
ましてや、スノータイヤなどはいていない優一のブルーバードは、下り坂のカーブの度に後輪を大きく滑らせた!
「あああ~~~!(ToT)~~~~~~!」
『(>_<)ゆうちゃ~~~~~~~~~ん!』
「あわわわわ~~~~~!\(◎o◎)/!~~~!」
『ぶつかるぅ~~~~~~!(@_@。~~~!』
ほぼ奇跡に近い確率で、二人は何とかドライブウエーを無傷で降りることができた。
浜大津に近い坂本辺りの国道沿いに
【モーテル・歓迎御休憩】と看板を掲げた店がひしめき合っていた・・・
優一は改めて瑛子を見つめ、
「瑛子ちゃん、・・・・・・ええな?入るで?」
『・・・・うん・・・・・・・・・・・・・』
瑛子はまともに優一の顔を見ずに肯いた・・
優一も瑛子も、【童貞・処女】であったから、このような処に来る事自体初体験であった・・
しかし、日頃から優一はこう云う場合、自分が女の子をリードしなくてはならないと考えていた。
と云うよりは、優一の愛読書【平凡パンチ】【GORO】には『最初が肝心』と書いてあったからだ^^;・・
女性にとって、【童貞男子】は頼り無いと映るからだ^^;・・
『童貞大好き♪(#^.^#)』の大人の皆さんは別にして?
具体的なラブホテル(当時は【モーテル】と呼ばれるのが一般的?)の概要は【経験者】の小川の情報を有り難く拝聴した<(_ _)>
『大体のモーテルは、下に駐車場が在って、その中に部屋に上がる階段が付いてるねん。そこから部屋に上がって行くと、扉の前にパチンコ屋の景品交換所みたいな、のれんの掛った小窓あるし、そこで先に金払って鍵貰うか、後払いかどっちかや。部屋の中は・・・そやなァ、店によって間取りは色々やから一概にはこうや、とは言えんけど、当然風呂場が在って、トイレが在って、メインはどど~~ん、とデッカイWベッドが在るわな♪(^。^)y-.。o○ま~るくて、回転するベッドも最近あるでぇ♪』
(・・・(;一_一)回るベッド????何で回んねん?)
『近藤さん(コンドーム)は部屋の中の自動販売機で売ってる場合もあるけど、無い場合もあるよって、事前に用意しとかなアカン!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!【一時の快楽 後悔一生 皆で目指そう明るい家族計画♪】やからな♪(^。^)y-.。o○』
小川が言う通り、コンドームは事前に用意した。
ただ、薬局で買う事が恥ずかしかったので、
ある日の夜中、兼ねてから目星を付けておいた街角の自販機で購入した^^;・・・
準備は整った♪
計算外の雪道をフラフラになって、ようやく坂本辺りのモーテルに車を滑る込ませた。
小川大先生?の講義の通り、幾つかの小部屋の下に駐車場があって、その上は部屋のようだ・・
「瑛子ちゃん、上に部屋、在るねん」
と、さも経験者のように振る舞い、瑛子をエスコートした♪
(^。^)y-.。o○
(この階段を上がると、パチンコ屋の景品交換所みたいな小窓が在って・・・・アレ?あらへん!\(◎o◎)/!)
階段を上がりきった小さな踊り場に、小川大先生のおっしゃった【小窓】は無かった^^;・・
恐る恐る、部屋のノブをひねると・・・・・・
開いた♪(^_^;)・・・・
部屋の中は十分に暖房が効いていた♪
低い段差の玄関に靴箱が在り、部屋は12畳くらいの大きな部屋だった。
入口の近い所に3人掛け位の赤い皮張りのソファとテーブル。
部屋の奥には勿論大きなWベッドが在った♪
丸くはなかったが^^;・・
部屋の中央にはやや場違いな豪華なシャンデリアが妖しい光を放っていた・・
玄関とは違う別のドアーは磨りガラスで、当時はまだ珍しかった洋式のトイレと脱衣所、それにやや大きめの浴室が在った。
『すごいおっきな部屋、やね^^;・・・』
「うん、・・・まあまあ・・・やな^^;・・・」
『優ちゃん、前にも来た事、あるの?』
「そらまあ、そのォ~、ここは初めてやけど、まあ色々^^;・・」
と、さも自分が経験者であるがごとく振舞っていると、
プルプル♪ プルプル♪ 優一の背後にあった壁掛けの電話が鳴った。
「おお~!びっくりした!\(◎o◎)/!」
思わず全身で跳ね跳んだ優一は、恐る恐る受話器を取った。
【お泊りですか?御休憩ですか?】
受話器から女性の事務的な声がした。
「あああ、はい・・と、泊まりです^^;・・」
【本日はクリスマス特別料金となっておりますので一泊お二人様6000円頂きます。後ほど頂きに上がりますので、ドアー内側に備え付けの料金ボックスに入れておいて下さい。
お釣りの場合は同じく料金ボックスに入れておきますので。尚、翌朝のチェックアウトは10時となっております。それ以降の御滞在は追加料金となりますのでご了承ください。
ではごゆっくり♪】
なる程、そう言うことか^^;・・
『ぷっ♪^m^・・』背後で瑛子の噴き出す声がした・・
(・・・(;一_一)うっ!マズイ・・・・・・)
優一は何も無かったように、瑛子の掛けたソファの横に坐った♪(#^.^#)
上着を脱ぐと、瑛子の肩を抱き、唇を合わせた♪・・・
瑛子はそっと目を閉じて、ピンクで艶やかな唇を差し出した♪
改めて瑛子のカラダをグッと引き寄せ、そのサクランボのような唇を舌で割って入った時、
作品名:夢の途中1(1-49) 作家名:ef (エフ)