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あの頃・・・それから

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 巧一「何言ってんだ?それより夏休みの八ヶ岳、楽しみだな?」
 菜々「うん!」
   菜々、起き上がろうとする。
   巧一、自然と反応して菜々を助けて、肩掛けを掛ける
   そのとき顔が近づく
   真顔で見つめ合う二人
 菜々「キスして?」
 巧一「ここで?」
 菜々「うん」
   巧一、ゆっくりと唇を近づける
   重なる唇。
   菜々の閉じた目
   菜々の肩の巧一の手
   重なっている唇、ゆっくりと離れる
 菜々「有り難う」
   視線を外さない二人
 巧一「こちらこそ」
 菜々「居てくれて有り難う」
 巧一「菜々もだよ」
   巧一、肩の手に力を入れて菜々を抱き寄せる
   菜々も抱き返す
   再度唇を重ねる
   初夏の日差しが窓から注いでいる

51・ワンボックスカーの中

   =夏休み=
 
   後部座席で横になっている菜々
   その隣に巧一
   ひとつ前の席には祐介
   助手席には桂子
 菜々「いい天気になったわね?」
 巧一「ちょっと暑いけどね」
 菜々「ママ、パパ有り難う。巧一を誘ってくれて」
 桂子「何いってんのよ。あんたが聞かないからでしょ?御礼なら巧一君に言   いなさいよ?」
   巧一を見つめる、菜々
   巧一、笑顔で返す
 祐介「菜々のわがままには巧一もたまらないだろ?」
 菜々「そう?」
 巧一「そんなことないよ」
 菜々「ほら!そんなことないって」
   菜々の笑顔

52・高速
  
   窓から風を浴びている菜々の顔
  
53・料金所

   出てくるワンボックスカー
   背景には八ヶ岳が見える
   一般道に出る

54・別荘地 入り口

   ログハウスが見えてくる
   そこへ、ワンボックスカーが入る
  
55・別荘・2階菜々の部屋

   窓から八ヶ岳を観ている菜々と巧一
 菜々「素晴しい景色ね?ねえ、散歩してみない?」
 巧一「いいよ、カメラとって来るよ」
 菜々「じゃあ、下に行ってるね?」
 巧一「ああ」
   巧一、出て行く
   菜々も続く

56・玄関
  
   菜々、待っている
   巧一、駆け降りてくる
 巧一「お待ちどう」
 菜々「うん」
   そのとき、菜々を激痛が襲う
   巧一、菜々を抱きかかえる
  
57・リビング
   
   巧一、菜々を抱えは入ってきてソファーに寝かせる
 巧一「お父さん!お母さん!」
   幸一と桂子、祐介まで駆け寄ってくる
 幸一「発作か?」
 巧一「そうです」
 菜々「大丈夫よ(顔を歪めながら)」
 祐介「2階に運ぼう」
 菜々「待って、少しこのままで」
 幸一「おれ例の先生に連絡してみるよ」
   幸一、電話へ向かう
 菜々「巧一、ごめんね?」
 巧一「なに言ってんだよ。散歩なんていつでも行けるよ」
   幸一、戻ってくる
 幸一「先生が来てくれるってよ」
 桂子「良かったわね」
 菜々「パパ、ごめんなさい」
 幸一「やけに素直じゃないか?」
 祐介「気味悪いよ。菜々の素直なのは」
 菜々「(体を起こす)そうよ、本当は素直なんだから(巧一を見て)ね     え?」
 巧一「そうだよな?」
 桂子「ああ。心配して損したわ」
   桂子、キッチンに消える
 祐介「俺も。薪でも切ってくるかな?」
   祐介も消える
 幸一「俺もも釣竿でも磨くとするか」
   幸一も消える
 菜々「みんな、あきれてるはね?」
 巧一「我々はどうするかな?」
 菜々「そうねえ。二階から八ヶ岳でも見ましょう?」


58・二階菜々の部屋

   菜々、大きな椅子に腰掛けている
   巧一、壁の写真を見つめている
 巧一「白駒の池か?いいところだなあ」
   菜々、巧一を観る
 菜々「それ何処?」
 巧一「この近くにある湖みたいな池みたいな神秘的なところみたい」
   菜々、巧一の横へ行く
 菜々「本当だ。ステキな場所ねえ、パパに頼んで行ってみようよ」
 巧一「おお。そうしよう」
   壁に3枚の白駒の池の写真
   春・夏・秋のタイトル
 菜々「冬がないのね?」
 巧一「たぶん雪が多くて行けないんだよ」
 菜々「雪も綺麗でしょうねえ?」
 巧一「ああ、ヨーシ!冬景色は俺が撮ってやるぜ」
 菜々「そうよ、元気になってあたしも付き合うわ?」
 巧一「ようーし!約束だぞ?」
 菜々「もちろんよ約束ね?」
   指きりする
   菜々、巧一の腕に腕を巻きつける
 菜々「あたし、幸せだわ」

59・同=数時間後=

   ベッドに寝かされている菜々
   巧一、看ている

60・同=翌日=

   椅子に座ったまま眠っている、巧一
   菜々、目が覚める
 菜々「あれ?ここで寝ちゃったの?」
   菜々、ベッドから降りてタオルケットを掛けてあげる
   巧一、起きない
 菜々「(巧一の髪を触りながら)いい人ね。ごめんなさい。こんなあたし    で、あたしが居なくなったらうーんとステキな恋人を見つけてね?そし   て、幸せになってちょーだい?」
   つぶやく、菜々
   巧一、もそもそと目が覚める
   菜々を見て、ふと吾に返り飛び起きて周りを見回す
 菜々「はー!びっくりした」
 巧一「こっちも驚いたよ。ここで寝ちゃったみたい?」
 菜々「そうみたい」
   菜々、巧一の首に抱きつく
 菜々「でも目が覚めたとき、巧一が見えて嬉しかったよ」
   菜々、唇を重ねていく
   驚きながらも巧一受ける
 菜々「(唇を離す)ねえ、今日あそこへ行ってみない?昨日の先生に聞いた   の。ここから車で二十分ぐらいで行けるらしいわ」
 巧一「おいおい、無理するなよ?」
 菜々「先生に聞いたモン。いい空気吸えば良くなるって。ねえ、いいで     しょ?」
 巧一「俺は構わないけど」
 菜々「絶対に平気」

61・車中

   菜々、楽しそうに巧一の横に座っている。
   幸一、運転席に一人。
 幸一「調子良さそうだな?」
   菜々へ呼びかける
 菜々「快調よ、ダブルコウイチだもん」
 幸一「ダブルか、ハハハハ」
 巧一「天気も最高!」

62・山道

   快適に走る車
   夏の青空
   積乱雲
   深緑の白樺林
   原生林
   流れる小川

63・白駒の池駐車場

   車から降りてくる、三人
   山歩きの服装
   駐車場には数台の車しかいない
 幸一「まだ、夏休みになったばかりだから観光客も少ないなあ」
 菜々「本当、空いてて良かったわ」
   幸一、先頭を行く
   菜々、巧一と手をつないで行く
 
64・原生林の小道

   幸一、少し先に行っては菜々たちが来るのを待っている
   数万年前の原生林
   苔生した倒れた木々
   思わず足を止めて見入る、三人
 菜々「スッゴイねえ。神秘的」
 巧一「息を飲み込んじゃうなあ」
 幸一「太古の昔からのままらしいよ」
   下って来る人が挨拶をしていく
 登山客「こんにちは」
   三人も答えながら登って行く

65・別れ道

   道標を見る三人
 菜々「こっちが池だわ」
作品名:あの頃・・・それから 作家名:Riki 相馬