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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回】感想肌の君

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ガサガサと音を立てて買い物袋が軽く前後に揺れる
「もうすぐ春だね~だいぶ明るいもんね」
冬ならばもうとっくに夕日が沈んでいる時間だった
「そうだちゃね」
緊那羅が笑顔を悠助に向けた
「悠助は春がすきなの?」
悠助の手を握って歩きながら慧喜が悠助に聞く
「うん!! あ、でもね夏も好き~秋も…寒いけど冬も好きだな~」
「全部好きなんだっちゃね」
悠助が言うと緊那羅が突っ込んだ
「…あれ?」
石段を登って玄関まできた悠助が開きっぱなしの戸を見て首をかしげた
「京助…?」
緊那羅が悠助と慧喜を見て言う
「と…何人かいるみたいだよ」
玄関の中には散乱している靴が数えて4人分
「坂田たちかなぁ?」
トテトテ歩いて靴を脱いだ悠助が家の中に入ると慧喜もソレに続いた
「…トイレでも我慢してたんだっちゃ?」
散乱している靴を揃えながら緊那羅が呟いた

「間違いないわ…そうよ! これ!! 羽衣ッ!!」
天高く浮かびながらヨシコがくるっと回り竜之助の忘れ形見だという布に頬刷りした
「怖くないのかしら…」
母ハルミがぽかんとヨシコを見て呟いた
「もうちょい驚くことあるんじゃないか?母さん;」
京助が母ハルミに突っ込んだ
「あら!! 失礼ね!! 高所恐怖症の人間にとっちゃ重大問題なのよ?」
母ハルミが京助の頭を軽く小突いて言う
「あの布…オシメから羽衣にクラスチェンジしたなぁ…」
南が京助の後ろからヨシコを見上げた
「羽衣纏って飛ぶハルミさん…綺麗だろうなぁ…まさに天女?」
ほぅっと溜息をついて坂田が何かを想像している
「ありゃぁ竜がいつも身に着けていた羽衣だとおもうぞ」
ハニワをしっかと抱きしめながら阿修羅が言う
「この世にもあの世にもどこにも2つとない羽衣だ」
阿修羅が目を細めてヨシコを見上げた

「阿修羅!!!?;」
突然聞こえた緊那羅の声に一同が振り向いた
「な…なんで…;」
阿修羅を指差して緊那羅が言う
「…緊那羅側のヤツだったみたいだな」
中島が言う
「ってぇと【天】か…これで…えーと鳥類、緊那羅、乾闥婆にコイツら入れて5人…?」
京助が指折り数える
「…俺思うにまだ増えると思うんだけど」
南が言う
「…俺もそう思う;」
立てていた指をぐっと握って京助が肩を落とした