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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回】感想肌の君

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「あ、俺のハニワ」
中島が製作したハニワがのへ~んという間の抜けた表情で置かれていた
「この今にも吸い込まれそうな間のぬけた表情…今にも踊りだしそうな格好…」
阿修羅がふるふるとハニワに向って手を伸ばす
「惚れたぜチクショー!!」
叫びながらハニワを抱きしめた阿修羅に一同唖然とした表情を向ける
「これ!! これオライにくんかねッ!?」
阿修羅が目を輝かせて京助を見る
「や…それは…;」
そして京助は中島を見る
「俺じゃなく作ったコイツに聞いてくれ;」
京助が中島を指差すと坂田と南も中島に指を向けた
「まぁ!! 人を指差すものじゃないざます!」
中島が京助、南、坂田の頭をスパパーンと流れる様に叩く
「もうぅッ!! あっくん!! 今はそんな話…ッ!!」
ヨシコが怒鳴って片足を高く上げた
「駄目でしょッ!!」
高らかに上がったヨシコの片足を掴んで母ハルミが声を上げる
「女の子がそんな格好で足を上げないの!!」
そしてそのままヨシコの足を下げる
「な…!! なにすんのよッ!!」
ヨシコが母ハルミに食って掛かる
「危ないし駄目でしょッ!! まったく…そんな格好して風邪でも引いたら大変でしょう!」
母ハルミはそう言うと後ろのダンボールを開けて何か探し出した
「…あった」
しばらくして母ハルミはダンボールの中から何かを取り出しヨシコの足元にしゃがんだ
「コレ巻いていなさい? 少しはあったかいでしょう?」
白く長い布をヨシコの腰にゆっくりと巻きつけながら母ハルミがヨシコに笑顔を向けた
「あ、京助のオシメ」
坂田がヨシコに巻かれた布を指差した
「あ、違うわよ? 京助のオシメは全部雑巾にしたもの」
母ハルミがふふっと笑った
「コレはね竜之助が持って来た物なの」
「父さんが?」
京助が聞くと母ハルミが頷いた
「りゅー様が…?」
ヨシコが自分の腰から下に巻かれた布を見て呟く
「大事なものらしいんだけど置いていっちゃって…どうしょうもないじゃないのねぇ?」
どことなくさっきよりも悲しそうに母ハルミが笑った
「じゃぁ…もしかしてコレ…このさわり心地…そうよ…これ!! これもしかしなくても!!」
ヨシコが腰から下に巻かれていた布を剥ぎ取り割れた窓から外に飛び出した
「あ! ちょっと?!」
慌てて母ハルミが窓に駆け寄る
「ハルミさん!! 下! 足元ガラスガラス!!;」
坂田が叫んだ
「…母さん?」
窓から空を見上げたまま動かなくなった母ハルミに京助が声を掛けた
それでも返事をしない母ハルミに首をかしげて京助が近づき窓から空を見上げた
「…うぉあ;」
京助が変な声を上げた