【第七回】感想肌の君
「なんで阿修羅がいるんだっちゃ?;」
部屋に入ってきた緊那羅が阿修羅に聞いた
「ヨシコの御守り」
くぃっと阿修羅が親指で窓の外を差すと緊那羅が窓から外を見た
「吉祥(きっしょう)…;」
がくっと緊那羅が肩を落とした
「きっしょう? ヨシコちゃんじゃないの?」
母ハルミが緊那羅に聞き返した
「吉祥ってのがアイツの本当の名前で。ヨシコはオライが呼びやすいからってぇことで呼んでるンよ」
阿修羅が答える
「漢字で書くとこう…吉に祥だからヨシコ」
雪に指で書いて説明していた阿修羅の頭に上にヨシコが着地した
「…コラ; ヨシコ;」
阿修羅がヨシコの足を掴んだ
「久しぶりだね緊那羅」
足を掴んでいた阿修羅の手の甲を思い切りつねりながらヨシコが緊那羅に笑顔を向けた
「吉祥もあいかわらず元気そうだっちゃね;」
緊那羅が苦笑いで答える
「…安心してよ別にアナタを連れて帰ろうとか思ってないから。迦楼羅が何も言わないんだもの私は勝手できないわ; ただ…マゴがちょっとグレ気味だけど」
阿修羅の頭を踏み付けてヨシコが部屋の中に入る
「ほぉらまた出た新しいお友達のお名前【マゴ】さんだって」
坂田が言う
「案の定やはし増加するみたいだねぇ」
南がはっはと笑う
「要はアレだ京助、お前は類友の【類】なんだな」
中島が言う
「俺主体?;」
京助が自分を指差すと3馬鹿が揃って親指を立てる
「…不名誉だ;」
部屋の中の面子を見渡して京助が溜息をついた
作品名:【第七回】感想肌の君 作家名:島原あゆむ