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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回】感想肌の君

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「寒い!」
雪の上に紺色の足が二本肩幅に開かれて立っている
「そりゃそうだろ;」
サクサクと雪を踏む音がして呆れ顔の青年が腰に手を当てて溜息をついた
「しかし相変わらずだなヨシコの方向音痴ッぷり。ってかオライまで巻き込みやがって」
青年が溜息混じりに言うと【ヨシコ】と呼ばれた人物が振り返る
「だって確実よ!! 確かよ! 間違いないわよ!! この辺からりゅー様の気配がしたのだもの!! 私がりゅー様の気配まちがうわけないでしょ?」
なんとも冬の北海道には似合わない格好の少女が自信満々に言う
「それにあっくんが勝手についてきたんでしょ? それとヨシコってやめてくれない?」
指を突きつけられて【あっくん】が腰に置いていた手を頭の後ろで組んだ
「お前がオライのこと【あっくん】って呼ばなくなったらオライも【ヨシコ】はやめてやるさね」
片足でもう片足をポリポリ掻きながらあっくんがしれッとして言った
「てかさぁ…アイツの気配っていうよかは…アレだろ?」
あっくんが再び腰に手を当てて言う
「アイツっていわなんでッ!!」
ヨシコがあっくんに食って掛かる
「でも…アレよね…きっと絶対そうよ! 生き写した様にそっくりなんだろうと思うわけよ」
うんうんと頷きながらヨシコが言うとあっくんが呆れたように横を向いて溜息を吐いた
「あっくんだって見てみたいでしょ!? だからきたんでしょ? ね? 」
背伸びをして言い寄るヨシコを避けるようにあっくんが後ずさる
「…オライはただ暇つぶしに来ただけだしな」
「んっもう!!」
あっくんが言うとヨシコがあっくんの足を思い切り踏んだ
「微かだけど宝珠も反応してるから絶対確かに確実にこの辺りなのよ」
ヨシコが相当の力で踏んだのか声も無く疼くなって足先を掴んだまま震えているあっくんをそっちのけにヨシコが辺りを見渡す
「…お前少し体重減らせ;」
涙目であっくんが言うと今度は無言でヨシコが後頭部に蹴りをかました
「おっかしいわ…」
何事も無かったかのように呟くヨシコの後ろには雪に顔面から埋まったあっくんの姿があった