【第七回】感想肌の君
「何か言われたのか?」
中島が身を乗り出して緊那羅に聞く
「え…あ…ちょっと」
緊那羅はさっきと同じくワンテンポずれて返事と苦笑いを中島にもするとそのまま中島の隣に座っている京助に目を向けた
「なした?」
何か言いたそうな感じの緊那羅に京助が笑いながら聞くと緊那羅が首を横に振った
「…なんでもないっちゃ」
そしてあからさまに作った笑顔を京助に向けた
「…そっか?」
京助が首をかしげながら緊那羅から目を逸らすと緊那羅が俯く
「ラムちゃん…本当になにもなかったんか?」
心配そうに緊那羅の顔を覗き込んだ南が声を掛けると俯いたまま緊那羅が頷いた
「ちょっとまとめますね」
乾闥婆が手をパンパン叩きながら茶の間に集合した一同に言う
「竜…京助と悠助の父親が死んではいないということはわかったんですよね?」
乾闥婆の言葉に一同が頷く
「そして京助と悠助は純粋な人間ではないということも」
今度は乾闥婆の言葉に一同が京助と悠助に視線を向けた
「まぁ…そうなるんだろうねぇ?」
南が言う
「ハーフだハーフ」
中島が京助の肩を叩きながら言う
「ってか何? 人間じゃないわけ?
坂田が乾闥婆に言う
「細かく言うとそうですね。人間…ではないです」
乾闥婆が答える
「じゃあ大雑把に言うと人間なワケ?」
坂田が更に突っ込む
「外見とかあんまかわらねぇし血とか赤いみたいだし? いいんじゃねぇの大雑把で人間で」
京助が前に矜羯羅の血が赤かったことを思い出して言う
「ってことはお前と悠助は微ハーフな!! 微ハーフ!」
中島が京助と悠助を交互に指差して笑いながら言った
「これまた微妙な言葉生まれたよ~?」
南がハッハと笑いながら言う
「話逸れてきたので元に戻します」
3馬鹿と京助の会話の骨をぽっきり折って乾闥婆(けんだっぱ)が仕切りなおす
「京助と悠助は細かく(強調)言えば僕らと同じ力を持っっているのです。まだ目覚めてはいないにしろいずれは力が目覚めるはずです…【時】が来れば」
乾闥婆の声がだんだん小さくなっていった
「じゃぁアレか京助と悠助は竜田揚げばっか食ったり空飛んじゃったり口から火ィ出したり前髪が異様に伸びたりするわけか」
坂田が迦楼羅をチラッと見て言う
「そこ!! 何故今ワシを見た!!;」
すかさず迦楼羅が坂田を指差して怒鳴る
「つうかすげくねぇ?」
南が笑いながら言う
「そんな力が目覚めるかもよ なヤツと友達?」
南が京助を見る
「いや違うぞ南【超悪親友】だろが」
中島が元開かずの間から出る際に話していたことを思い出して言う
「んだよそれ;」
京助が半分呆れ顔で突っ込むと3馬鹿が揃って口元に人差し指を立てて
「乙女のヒ・ミ・ツ」
そう言って笑った
作品名:【第七回】感想肌の君 作家名:島原あゆむ