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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第七回】感想肌の君

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「まずは」
「竜は死んではいない」
阿修羅と迦楼羅の声が重なった
「…お先ドウゾ」
阿修羅が迦楼羅に言う
「…竜は死んでなどいない」
迦楼羅が再び言ったが何も反応が返ってこない
「…いきなりそれかいかるらん;」
阿修羅が苦笑いで迦楼羅の頭に手を置いた
「ってかマジ? 本当に竜生きてんの?;」
阿修羅が聞くと頭の上の手をうざったそうに払いのけながら迦楼羅が頷いた
「嘘でもなんでもない。竜は生きている…のだが…」
迦楼羅が京助と悠助、そして母ハルミを見る
「…記憶喪失とか?」
「…重症?」
「行方不明?」
3馬鹿がボソボソと意見を言い始める
「…そのうち会えばわかるだろうが…その…なんだ…」
迦楼羅が案の定言葉に詰まって口から出てくる言葉の間隔が開いてくる

「竜之助は生きているの…?」
母ハルミが迦楼羅に聞いた
「…そうだ」
迦楼羅が頷く
「…そう……」
迦楼羅からの返事を聞いた母ハルミがゆっくりと目を閉じた
「母さん…」
京助が母ハルミを呼んだが母ハルミは目を閉じたまま何かを思っているらしく返事をしなかった
「悠助の父様生きてるんだって」
慧喜が言うと悠助が慧喜を見上げた
「僕の…お父さん生きてるの?」
悠助が慧喜に聞くと慧喜がにっこり笑って頷いた
「…会いたいな…お父さん…」
そう言った悠助を慧喜は思い切り抱きしめた
「なぁ鳥類…生きて…父さんが生きてるんならどこにいるんだよ」
京助が迦楼羅に聞く
「【天】だ」
「うっそ!!!」
迦楼羅が答えるとヨシコが立ち上がった
「うっそ!! だって私見たことないわ!! うん!! 見たことないもの!! 本当にいるの!? 宝珠も反応しなかったのよ!?」
ヨシコが迦楼羅を指差しながら大声で言う
「やかましいわ!! たわけ!!; …まぁ…宝珠が反応しないのは宝珠が壊れているからだろう…」
迦楼羅が吉祥に向って怒鳴った後咳をひとつして言った
「壊れたァ?」
阿修羅が立てた小指を右耳に突っ込み動かしながら言う
「壊れた…よりは自ら壊したのだろうな」
迦楼羅が言う
「どうして!! 宝珠…」
ヨシコが泣きそうな顔になる
「守りたいものの為だろうな」
そう言って迦楼羅が京助と悠助、そして母ハルミを見て微笑んだ
「あの式神達を残していったのもそうだろう」
迦楼羅が胡坐をかきなおす
「誰だろうと自分の守りたいものが危険に曝されるのは嫌だからな…」
シンとした茶の間にキシキシと廊下を歩いてくる音が聞こえた
慧喜が膝でずって少し横にずれると茶の間の戸が開いて乾闥婆と緊那羅が入ってきた
「二酸化炭素急激に増加傾向」
慧喜がずれたことで隣にいた南も少しずれながら言う
「こちらは一通り終わりましたが…」
乾闥婆がちらりと迦楼羅を見る
「こっちはまだ序盤だよん」
阿修羅がテーブルに置いたハニワを動かして乾闥婆に返事をした
「竜のことをだな…」
迦楼羅がコホと軽く咳をして言うと乾闥婆が溜息をつきながら迦楼羅の隣まで足を進めた
「緊那羅、座れば?」
坂田が横にずれて緊那羅が座れる位のスペースを作る
「あ…うん…」
ワンテンポずれて返事と苦笑いをした緊那羅がゆっくりそこに座った