死刑執行のパラドクス
<考察1>
「どうだ?」
「先生、大人げなく、得意げですね」
「んなこた、いいんだよ。……予測できたか?」
「出来ませんでした」
「だろう?」
「でも、なんでですか? て言うか、予測できなくて、当たり前なんじゃあ……?」
「しかし、だな。土曜日の紙コップに人形を隠すと……」
「ちょっと、ストップ。その話を聞くから、話がややこしくなるような……」
「じゃあ、立場を変えて、人形を隠す側になって考えてくれ。土曜日に隠すか?」
「いえ、隠しません」
「じゃあ、金曜日に隠すか?」
「いやぁ、隠しません」
「では、木曜日」
「その辺りならボチボチ……」
「では、どの辺りなら安全なんだ?」
「えーとっ」
「金曜日と土曜日には入れないんだろ?」
「はい」
「じゃあ、木曜日もバレバレじゃないか?」
「……そういうの、誘導尋問って言いません?」
「……まぁ、そうとも言うがな」
作品名:死刑執行のパラドクス 作家名:でんでろ3