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でんでろ3
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死刑執行のパラドクス

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<実験>



「……先生、僕、まだ、死にたくありません」
「誰が、死刑の実験なんかするかっ! そうじゃ、なくてだな……」
そういうと先生は7つの紙コップの1つずつにマジックで、日、月、火、水、木、金、土と書いていった。そして、なにやら、妙チキリンな小さな人形を1つ取り出した。
「これが、当たり。死刑執行だ。今から、この7つの紙コップのどれかに、これを隠すから、日曜日の紙コップから順番に1つずつ紙コップを開けて行ってくれ。もし、本当に死刑執行が不可能なら、1つ前の紙コップを開けた段階で、次の紙コップの中に人形が入っていることを予告できるはずだ」
「予告できるのは1回だけですか?」
「いや、話の設定からすれば、何回でも良いことになるが……」
「じゃあ、毎回、予告します」
「それじゃあ、身も蓋もないだろう」
「空の紙コップだけに……」
「それで、上手いことを言ったつもりか? いいかい、この実験は、当てっこゲームじゃないから、自分の心に嘘をつかないでくれ。そうでないと、成り立たない」
「ややこしい上に、『心』と来ましたか」
「茶化すな。実際、そこが重要なんだ。じゃあ、向こうを向いて、目を閉じてくれ」
「変なことしませんか?」
「するかっ! とっとと、言われた通りにしろ!」
「はいはい、……いーちっ、にーぃっ、……」
「数は数えんでいいっ! おし、こっち向け」
「はい」
「目も開けるんだよっ! ったく、いちいち……」
「じゃあ、始めますよ」
「おうっ」
僕は無言で紙コップを1つ1つ開けて行った。水曜日の紙コップを開けたとき……。
「あれっ?」