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第4

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薄手のカーディガンを羽織って、僕が名も解らぬ

白い花束を携えた、彼女は、まさに妖精のようであった

 僕は、あずみの背後に廻り背中の羽を捜してみたがどうも、

妖精さんでは、ないらしく、羽はなかった、可愛い普通のおしと

やかな女の子だった。 

大和なでしこと言う言葉は、あずみの様な女の為に

あるのではないだろうか? 

ともあれ僕は、あずみに、邂逅一番に件の花束を受け取り

 彼女はやさしくお誕生日おめでとう、と囁いた

僕は生まれて始めて祝福をされたし、始めてプレゼントを貰った

とても幸せである。 

僕達2人は長崎港に停泊しているフェリーに乗り込んだ

と間もなく出航のアナウンスが流れてきて舟は

ドッ、ドッ、ドッと静かに加速して熱い八月の風を切り走りだした

同時にそれまで蒸し暑い空間が、爽やかな潮風に変わった

船の甲板で僕達は、暫く、風と、灯りを燈した町並みを

眺め感じ過ごした、僕はふと思い当たる所があって、あずみに、訊いた

 この花束は高価やったろう!何で花ばくれたと?すると

あずみは、8月の誕生日の人の花と答えた僕は意味が解らなくて

更に訊いた、この花束には、どう言う意味があると!

と同時に、あずみの、心の意図を探ろうとした

僕は心が既に荒んでいて、猜疑と、人を疑い

その心理を見破るスキルばかり成長して癖になり

今でもその性癖は頑なに、望みもしないのに、健在だ

これが結局、あずみ、との4年間の暮らしに

同棲生活に負担をかけて・・・・

あずみは、恬然と答えた、何の屈託もなく、この花には

純粋と言う意味があると!心が奇麗か人にあうとよ!って

僕はとても嬉しかった

あずみは、僕を好きなんだと言う事が

僕の猜疑と偏向の心の靄が晴れていったのを直感した。 

 そしてどんどん、日を重ねる事にあずみの、事を好きになっていった 

僕達は、周りでカラオケ等で、おじさん達が熱唱しているのも

関係なく無視して2人の間に流れる一時の時間を

互いに楽しみ、爽やかな八月の熱い潮風を思う存分に味わった。

 今でもあの時の潮騒の響きが懐かしいメロディーを奏でている。 

その日は寄航して自分の実家に、帰ったあまりにも嬉しくて

あずみに、貰った花束を、ベッドの頭の上の天井につるして

ドライフラワーにした、生まれて始めての女からの

プレゼントだったから、・・・ 

この頃、僕は無職であった僕は生きる気力が始めて萌えた

それまでずっと死んでしまいたいと、願っていたのが

180℃正反対の生命力がオアシスの如く溢れ湧く人間に

なっていた僕は職を探した、働く意欲が出た直ぐに見つかり

一般住宅の改築や、塗装、増築の、受注リフォームを

探す営業の仕事だ、あずみは、短大生なので学業に専心しな

ければならない、日中は学校で、勤しんで勉強している、

あずみの、夢は、宅建の資格を習得し大手建設会社に就職したい

と語っていた、僕はそんな、あずみと、触れ合えない時間が

耐えられない事も理由の一つで、上記の仕事を初め

退社後に、あずみのアパートに通いつめた、一応その会社には

社宅寮があったが僕の荷物置き場にして殆ど、あずみのアパートで

寝食をともにした1ヶ月も経たぬうちに、僕達は同棲生活に

自然となってなって行った、あずみは朝から朝食を作ってくれて

僕に、御馳走をふるまってくれた、更に弁当まで用意してくれて

僕を、会社に送り出してくれ、彼女は、短大に勉学に励みに行く

夜に帰ってくれば、熱いキッスで迎いいれてくれ、晩飯を調理して

食べさせてくれた。 

僕は4ヶ月経過した頃、会社の人間関係で諍いが勃発して

辞職し無職に舞い戻り、あずみに、暫く厄介になった

あずみは、僕に心を開いてくれ、彼女の実家から、生活費として

送金されてくる、約10万円の、中から3万円を僕の為に

生活費と言う事で、渡してくれて、僕はそのあずみの

好意に応えようと、その金で、食糧を買い、彼女が短大で学業を

しているので、僕の手料理を披露したりアパートの掃除や彼女の

洗濯ものを、洗い、干し、夜の営みでは僕の力の限り愛し、抱いた。

そんな、ある日の夜、彼女は僕に、告白した実は私、よしちゃんと

出会う前、好きな男がいて一所懸命アプローチして

その男とホテルにまでは入ったものの、抱いてはくれず

置き去りにされ、泣いて、自暴自棄になり、やけ酒をたらふく飲んで

泥酔している所を、男4人組にナンパされ、ホテルに連れ込まれて

男4人に代わる代わる、犯された、と

その数日後、悔しくて相手の連絡先に電話して

警察に訴えると伝えたら、上手い事呼び出され

男20人に山中に連れて行かれ、殺して、埋めてしまおうなどの

発言が、飛び出しとても恐かったと、話

でも警察に言わないからと約束して、開放され

事なきを得たらしい、・・・

僕はこの話を聴いて、とてもせつない悲しい感情と

僕の愛する可愛い素直な女を、そういう目に合わせた奴らに

激しい怒りと殺意を覚え

同時に、この女あずみを、僕は、一生愛して、守り

彼女が再びそんな境遇に会わないように、この夜、朝まで

あずみを、やさしく、時には激しく、愛し、抱いた。 

そして心の中でこの女を娶ることを自分自身に誓った。

そしてこんな同棲を重ねながら僕はパチンコ屋の店員や

水商売等を流転しつつ、休職の時は、2人徒歩で街に出掛け

彼女の洋服のショッピングに付き合ったり、2人の、食材の購入に

仲良く出掛けたりデートで食事をしたり、互いの料理の腕前を

競い合ったりして、僕は、掃除、洗濯、家事を担当した

そうするうちに、瞬く間に時は流れ1年が経ち、彼女は

短大の卒業が迫っていた、あずみ曰く教員免許を、習得しようと

故郷の中学校で3週間位、アパートを不在にして、実地研修を

受けねばならぬらしく、僕はその3週間、あずみのアパートで

寂しく過ごした。 

研修も終え、帰ってきて、数週間が経過し、教員免許はアウトになった

そして更に、卒業も迫った春の暖かい日に、あずみは唐突に、別れ

話を切り出した、なんでも大阪の大手建設会社の就職が、内定されたので

大阪に赴任する為に、僕が障害になると、こじんまりとした

喫茶店で打ち明けられた、僕はこの1年間、あずみの事を

宝物の様に大切にして、最大限の、愛を注ぎ込んだのに君の僕に対する

想いはそんな程度の代物だったのか?と憤慨し、怒り、僕には君が

必要なんだ、行かないでくれ!僕とずっと、離れないで一緒に人生を

歩いて行こうと言い説得を試みたが、あずみは俯き、沈黙していた

僕は更に付け加え、あずみの事、本気で愛しているんだ僕を捨てないで

もう独りぼっちは嫌なんだと語った、すると漸くあずみは決意したように

判ったと言い、よしちゃんと、長崎に残ると言い、彼女は

大阪の大手建設会社の内定を、蹴って、僕を選んでくれた。 

 が、卒業も数日を向かえた所、何と、出席単位が足りなくて

卒業出来ないらしい、僕と、よく学校を、休んで、二人で遊び周った
作品名:第4 作家名:万物斉同