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第3

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人間であった、彼は非常に面倒見がよく僕達を飴とムチで

上手く利用した、16歳の僕から見れば、仕事もよく捌けていて

ちょっぴりこの時は尊敬には御幣があるけど、其処まで大袈裟でなく

頼り甲斐があった・・・前の布団のセールスでは24歳の店長が

詐欺であるけれど、年商1億もの折衝と売買をこなしている

16歳の僕には、これ等の経験から人間とは年上だろうが

年下だろうが関係ない、世の中騙すか、騙されるか、騙して

地位と名誉を得るか、騙されて貧乏生活を惨めに送るかの差異だと

自分の過去や、自分の当時の境遇に照らし合わせ人々を見下した

尊大で、猜疑に、心が麻痺していった。 リーダーは毎日、僕達を

繁華街の飲み屋に連れて行き、飲ませ食わせ歌わせたその

リーダーは僕に営業の何たるかを叩き込んだ、会社では接客

好印象を得る術リフォームの取り方etcatr僕達、若い者を

股肱にして、飛び込みで住宅、マンション、ビル、病院等

などを廻らせ、営業トークを台詞を覚え込まされた長崎駅前の

ターミナルあれ、内の会社が建築したもんなんですよ!今どこ

そこで建てている家とかのビルも建設してるんです・・・

ついでだからこちらのビルの方も大分傷んでおりますので

一緒に改築させて貰えば安くできますけど・・・と嘘八百を

説明をさせ、なんでしたら近くに上司が来ておりますんで

話だけでも聴いてくれんですか!・・・リーダーは既に外の

車で待機してビルの面積を概算し、施工料金、資材費を叩き出して

手薬煉引いて呼び出されるのを待っている、僕達は話すだけなら

只ですからこの機会にぜひともとアポイントをとる、すると

リーダーは、ちょうどでよかったですなぁ~内が近くの

工事やっとるさかいに、ほらぁ、あのTVでもやっとりますやろう!

パットサイでリアちゅうやつですがな~知ってますやろう!

アレうちなんですわ!と垂らし込む・・・今やったら、近所で

建設してますよて、運搬費やら、も掛からんようしますし

サービスで、安うしときますさかい、お宅も一緒に工事させて

貰えんですか、(計算機を取り出し)う~んこの辺が限度やな

この金額で、私が上司に頭下げて、頼みますよって、と畳み込んで

念を押す・・・

 この金額でまとまる様にかたつけてきますんで

ご贔屓に宜しゅうたのんます、ほいで上司連れて来た時

私の顔、潰さんようお願いしまっせ!と捲くし立て、相手に

発言権を与えない、イニシアティブを客に与えないのが、この

仕事の本懐である・・・ と、強引に契約を迫り、最後に

しぶってきよったら、九州ブロックの鬼瓦統括が再度、訪問して

弊社の社員が私に頼み込んで来たその情熱を買って、ほなら

赤字やけど、しゃぁないと、許可したんですけどな~等と

居座り込んで手の指が何本もない、指で、こんだけで

内にまかせてもらえんですか!・・・・

絡まれ(この統括はもとやくざで敢えて、指のない手を

武器にしている)・・・

と客はビビリまくり断る事もできず、3千万の受注を契約した

するしかない。 

こんな感じで長崎はあらゆる詐欺会社に、鴨にされていた

無論、16歳の僕には、之が世の中の仕事なのだ、と

認識しつつも心の片隅では、この弱肉強食の不条理、と自分

の辛い体験や過去、人生とを鑑みて、人の世の慨世を

祈りつつも、あわれな人の世の現実に厭世を懐き惰性で

生きようとした。 

僕が取ったアポイントメントは青山病院で約2千万円位の契約が成就した

その時の給与は、固定給の18万円プラス歩合級だった、そしてこの時

16歳にして約70万の歩合が付き、計88万円の大金を手にしていた・・・

この会社には3ヶ月勤めた、この僕のアポイントでリーダーには

200万のキックバックがあった、こんな月はもう、仕事もせず

一旦出社して、営業周りに行くと、嘯いて、パチンコ屋で遊び

夜7:00頃帰社し、こ1時間程、練習セールスをし8:00頃に退社し

チーム全員で毎日、飲み歩く・・・でも

仕事は他の仕事に負けない程にハードだ、1日400件500件の物件に

飛び込み、神経を尖らせ精神的にもイラツクし、客の心を読み、説得する

1日のうち500件廻れば、499件が

なんしきたとや~帰らんかせからしかと、が鳴られ

ただただ、脚が痛い日が殆どで、契約が取れるのは

一月に1件受注できれば、御の字である。 

 とある日、会社は土日が休みであったので僕は寮で寛いでいた

寮といっても会社の事務所の奥にある、客間で僕独りしか住めない

6畳の和室に布団が置いてあるだけだ、あと、洋服位その休みの日

経理の20歳男性、山本が遊びに来た、彼は会社の事務所の鍵を

所持していて、事務所を開け、東京に住む、彼女に、私用電話を何時も

かけていて、この休みの日もそれが目的でやってきたのだ、当時は

まだ携帯電話もなく、何時間も自分の電話で、長崎から、東京に

電話するのは、半端な料金ではない、僕も雑ざって、友達に

電話したりした、事務所の書類などを盗み見したりしたら

誰がどれ位の給料を貰っているのかに、関する書類だった

その書類を眺めていて、ふと、内のリーダーは幾らなのか?

と思い付き、計算してみると、何とここ3ヶ月で3千万稼いでいた

一緒に見ていた経理の山本は、いいねぇ経理畑では基本給

16万だけばい、とボヤキ、松ちゃんは80万も貰って

羨ましいねぇと皮肉を言われた、でも、会社の備品や、

電話、交際費は裏技で、誤魔化せるけどね!とも語って哄笑した。 

 そしてこの会社での最初の問題が浮上した

リーダーは最初のうちは現金払いのキャッシュで

飲むが、3~4回ですぐに、後払いのつけにする、僕達チーム

5人が毎月、その店に落とす、金額は相当なものだ、だので

それを信用してリーダーを責任者にして店サイドは許した

給料日に支払うということを、飲んで、飲みまくる、勿論

リーダーのおごりという不文律が成立していたので、僕には

何も解らない、僕もプライベートな友達を歓待してつけで

飲んでいたら、ライバルチームと鉢合わせになり、お前

会社と関係のない奴らに勝手に飲んでるんじゃなかとや~!

と怒号され僕の友達が、なんやコラぁここじゃ店に

迷惑のかかるけん、表で話つけようで!と会社の

人間を激昂させ喧嘩を買ってしまった・・・

僕の友達は、まだ、同じ16歳の2人組みで、前述した様に

DISUCO仲間で、高校を辞めて、まだ3ヶ月しか経っていない

社会の事情に疎く、外に出たとたんに僕を併せた3人VS会社人

5人の殴り合いの乱闘が勃発した、僕は3~4発殴られながら

収拾策を考えたが、先輩を立てて、素直にあやまり、

非をみとめて、その日は落着したが、以後、そのチームの

サブリーダーの22歳の奴と反目になり、寮で朝寝坊していたら

そいつがやって来て、何時まで、寝とるとや!仕事、始っとぞ!

 と僕の布団を剥ぎ取り、叫んだので僕は寝起きで、ムカツイテ
作品名:第3 作家名:万物斉同