第1
助けてはくれない、僕は家にあった仏壇に祈り始めた・・・
1982年昭和57年の肌寒い秋の初旬、蝋燭に火を燈し、
線香を馥郁と焚き、鐘を叩き、お経をひたすらに、意味も
解らぬままに、棒読みした10歳の僕は、礼儀作法を守って、
あのくたらさんびゃくさんぼうだい、
ぎゃていぎゃていはらそうぎゃてい、
はんにゃあはらみたしんぎょう、
しきそくぜくうくそくぜしき、と4ヶ月毎晩、
母と、妹がパチンコ屋に行って居ない、家で、一人で、
僕は祈り続けた、母が少しでも、喜ぶ様に、洗濯、掃除、
整理整頓をし灰皿の位置、を整え、タバコを並べて、
綺麗にして、母たちの、帰りを、今日は怒らずに、
褒めてくれうかな~と想像しながらに待ちわびて、希望を抱いて
いたけれど、いつも、変わらなかった・・・・・
僕の希望は、いともたやすくに、吹き消されて、
怒られてばかり、僕は一生懸命に整理整頓、掃除、洗濯、
して、神様にも、頑張ってお祈りしたのに、
おりこうさんに、してたのに、と夜空に、いつものどうりに、
泣きながら、訴え、語り、噺かけていた・・・・・
囁き、泣き崩れていた・・・・
母は時たまに、僕を泣きながら抱きしめて、貴方が可愛いからと等と
白々しいことを呟いて泣いていた日もあった・・・・
15年後の僕は、この言葉に、眉毛一つ微動だにしない、無感情の、
魂を喪失した、ロボットの様な、生ける屍となっていようとは、
この頃、は想像すら予断すらできぬ、程にまで、健気に生きようと
頑張っていた・・・・・・
日が数日経つと、母はいつもの十八番の常套手段を濫用し、
僕に八つ当たり・・・・・
繁華街の、真昼の、満座の席で、辺りも関係なく、
髪の毛を鷲掴みにして、脚払い張り倒し、倒れた
所を、踏んで踏み付け、ふんだくる・・・・
僕の心は、疲れ果てた、小学4年の、10歳、
生きるのが辛い・・・・
生きる意味を深く、深く、考えて、何もかも、
手につかない、勉強なんて、とんでもない、
学校は段々に分けわからなくなり、
いつもの様に酷い毎日が、繰り返され神様も助けてくれない、
35歳の今でも、お経を、暗誦できるのに、
ちっとも何もならない・・・
死ね!とか殺せの声が頭の中に響き苦しくなり僕は4ヶ月、
毎晩、件の如く仏壇の神様に、祈り続けたが、能わず、神を、
神の存在を、試す為に、敢えて、わざと、神様が怒るような、
悪い事を、試みて実践した、お守りを、分解して、中のものを、
取り出して見たが、何の事も無い、DSの宣伝みたく、板です!
只の板です!だ・っ・た・・・・
罰当たりもなかったので、僕は、更にもっと神様が怒る
ような事を、皮肉る為に企んだ、神社のお賽銭箱から、見えていた、
1万円札を取ろうと、10円ガムを、程ほどに、噛み砕き、粘らせて、
境内に、林立した、遍く木々の中から1本を選び、15cm位の小枝、
ポキッと、もぎ取り、先端に先程のガムを絡ませ、賽銭箱の
1万円を、貼りつかせ取り出した、が、数ヶ月経ても、
其れまで以上の酷い、日常は、替わることなく繰り返され、
相変わらずで、天罰なども、ありもしなかった、僕は、天罰を、
頂きたかった、それで神様が居るという確信を得て、頑張ろうと
想っていたけれど、いないのか?相手にされなかった・・・・・・
そんなこんなして、僕はこんな事にもしだいに飽きて、悪戯はやめ、
ファミコンや、TVアニメ、漫画コミック、の世界に戻って、
耽溺して過ごした。
貸家の隣に住んでいる、札付きの中学生に、無理やり家から
誘い出されて、秘密基地のある、近くの神社の幼稚園の公園で、
拳法の練習代にされ、打たれ役を強要された・・・・
毎日拳法の打たれ役で殴られた・・・
事あるごとに、僕を探し、捕まえ、いじめる・・・・
4メートルのロープを片足に繋がれて、ダッシュをさせられた、
僕が走り始めたら、そいつは、腕にしっかりと握りあげたロープを、
おもいきし手前に引っ張って、たら、僕は哀れに、情けなく、
あられもない格好で、宙を舞う、舞い転ぶ、算段になっている・・・
家で寛いで、うんこ、してたら、木枠のぼろ窓から、突然、
ニワトリが飛び込んでくる、僕は驚いて、吃驚して、反射的に、
身をかわしたら、汲み取り式のトイレに堕ちてった・・・
僕はあわてて用を足す事をやめ、ニワトリ、救出活動に奔走する、
トイレを飛び出し、家の裏の搦め手に、瞬時に移動して、外部の、
汲み取りトイレの丸いコンクリート蓋を開け放つと、同時に、
糞尿まみれの、雄のニワトリが、コケーッコココーと、漂げた、
バカばかしい、鳴き声を出しながら、飛び出し、僕は糞尿まみれの、
ニワトリに、風呂場から半透明の延長ホースを引っ張り出して、
放水して、汚れを、落としてやった、この雄ニワトリは、僕が、
地元の祭り(おぅんち)の時に、ピンク色のスプレーでカラフルに、
化粧されていた、買って、飼って、育てたヒヨコ、であったので、
ほったらかすには、ゆかない、それにしても、隣の、
バカ中学生は、ろくな事をしない、まったく、
一時も気が抜けない曲者だ、プンプンだ!
ある日は、貸家が天上裏で繋がってて、そこを、潜り込んできて、
僕の家に、天上裏から忍び込んできて、棚居れの上から畳に着地して、
畳に穴をほかして、たりもした・・・・・
またある日は、自転車で遊びに来ていた、人間を
帰らせまいとして、真夜中に、自転車の、タイヤの空気を抜かれて、
已む無く、宿泊するハメにもなっていたし、
丸坊主の、福山雅治も、よくこの悪戯中学生に、
拿捕され泣かされていた、記憶が残っている・・・
こんな日々が続き、ぼくは、憔悴しきっていた、家、学校、
街、人、親、皆が僕を追い込む・・・
僕は現実逃避した、神様も棄て、忘れて、ドラえもん、
が未来から、僕をこの辛い世界から、タイムマシーンで迎えに
来てくれるんだ、と信じてたりUFOの特集、流行で、
すぐに、僕はUFOを信じて、宇宙人に、迎えに着てくれとも、
心の中で頼んだ・・・
宇宙戦艦ヤマトを観ては、早くその次代が来ることを願い、
超能力が巷で、流行れば、すぐに、テレポーテーションと
呼ばれる技?(この技は?とても高度な、魅力的な、
瞬間移動の技で、好きな所へと想っただけで、そこに、自由に
移動できそれも瞬時にゆけると、いうしろもの)の練習を
頑張ったり、念動力(これは、想像どうりに物体を、自由に
移動させ、しかも、衝突させ爆破してしまう、技?)
を訓練したりと、現実を完全に見失い、いつもの、
惨い変わらない日常を過ごしていた、小学5年生1月期の
初旬、11歳の時、のある日、母のパチンコ屋に、妹を送り
届けて、駅前バスターミナル付近を逍遥、ぶらぶら、してたら、
50代半ばのおじさんが、君かわいいね!
お寿司を食べに行くんだけれど、一緒に来ないかと?
声を掛けられ、と誘われて、僕は、何ら屈託もなく、恬然と、