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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回・伍】茶柱の心

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「名前のつながりからわかるかもしれませんが…姉弟でした」
カタカタとヤカンの蓋が鳴り出した
「そして…血の繋がりのない…しかし兄弟のような存在がもう一人…」
乾闥婆が一旦言葉を切るとしばしの沈黙が訪れた
「…【沙紗】?」
京助が前に慧喜が、そして迦楼羅が口にした【沙紗】という名前を小さく言った
「…そうです…よくその少ない脳みそで覚えていましたね」
乾闥婆が笑顔で頷いた
「ねぇねぇ鍵になったのは誰なの?」
悠助が言った
「【鍵】になったのはね…」
「慧喜」
慧喜が悠助に向って答えようとしたのを乾闥婆が止めた
「…わかったよっ!!」
ぷくーっと頬を膨らませて慧喜がフンっと横を向いた
「悠助は京助が好きですか?」
乾闥婆がいきなり悠助に聞いた
「うん!」
悠助が笑顔で大きく頷いた
「京助は?」
「は?」
そして今度は京助に聞く
「京助は悠助が好きですか?」
悠助が京助の方を見た
「…まぁ…うん」
何を照れているのか何が恥ずかしいのか少し顔を赤らめて頭をかきながら京助が頷く
「俺は?」
慧喜が悠助に聞く
「僕 慧喜さんも好き~」
慧喜を見上げて満面の笑みで悠助が答えると慧喜が安心したように笑顔で悠助を抱きしめる
「ハイハイ; ごちそうさま;」
京助がそんな二人から目を逸らしていい加減カタカタとうるさくなってきていたヤカンの火を止めた
「緊那羅」
突然に名前を呼ばれて緊那羅が慌てて乾闥婆を見る
「…貴方の行動…昔の迦楼羅そっくりです」
「え」
乾闥婆が言うと視線が一気に緊那羅に集まった

「…お前そのうち【たわけ】とか一人称【ワシ】とか竜田揚げとか好物になったりすんの?」
京助がヤカンをコンロから下ろしながら緊那羅に言う
「…想像できない」
慧喜が悠助の頭に顔を埋めて笑を噛み締めているからなのか肩を震わせている
「やっぱり後ろに【っちゃ】がつくとして…口癖…たわけだっちゃ?」
「あははははははは!!」
京助が言うと慧喜が声を上げて笑い出した
「なっ…;」
緊那羅が顔を赤くして慧喜と京助を見た
「そんなこと言わないっちゃッ!;」
緊那羅が怒鳴る
「慧喜さん楽しそう」
悠助を抱きしめたまま大笑いしている慧喜を見て悠助も笑う
「…まったく…僕は笑い話をしたわけではないのですけれど」
乾闥婆が溜息をつく
「乾闥婆が変なこと言うからわるいんだっちゃッ!!;」
緊那羅が乾闥婆に向って怒鳴った