小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第六回・伍】茶柱の心

INDEX|2ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

「俺おかわりしていいか? 茶ー…」
中島が湯飲みを差し出した
「申し訳ございませんがニ杯目からはセルフとなっておりますのん」
京助が急須を中島に差し出した
「ケッチーでございますのん」
中島が急須を受け取りポットからお湯を注いだ
「ついでにおねがいしますのん」
南が便乗!! といわんばかりに自分の湯飲みを中島に差し出す
「俺も欲しいで御座いますのん」
坂田も同じく差し出す
「てめぇらずるいで御座いますのん」
中島が二人にチョップをした
「のんのんのんのんうざいですのん」
京助が言う
「言い始めたのは貴方ですのん」
京助に坂田が突っ込んだ
「…馬鹿だっちゃ…;」
緊那羅が小さく呟いた
「ってか茶ッ葉変えないと薄いんじゃないか?」
「早く言ぇ----------------ぃ」
京助の言葉に中島が急須 (お湯入り)を片手に裏手で突っ込んだ
「さすがに四人入れると出がらしだよねー…」
南が頷く
「よし!変えてこい京助」
坂田が京助の腰を叩いた
「俺かよ;」
京助が湯飲み片手に坂田の腰を叩き返す
「私がいくっちゃ;」
緊那羅が立ち上がった
「手間かけるねぇ…ラム子」
南が病弱な母親(仮)を真似しながら言う
「…本当にそう思ってるんだったらラム子はやめてほしいっちゃ;」
苦笑いとそんな言葉を残して緊那羅が急須を持って部屋から出て行った
「ほんに京助いい嫁もろうて…母さん嬉かとよ」
南がまた病弱な母親(仮)の真似をしながら今度は京助に言った
「誰が嫁だ誰の嫁だ;」
京助が二回南を蹴った
「ラムちゃんって中性だよな何かさ~…こう…ねぇ?」
南が【こう…ねぇ?】といいながら坂田を指差した
「何故俺に指を向ける;…まぁ確かに…最近特にだな…ねぇ?」
坂田が南の指を掴んで中島に向けた
「初対面の時はパッと見男だってわかったけどさー…ねぇ?」
今度は中島が南の指を掴んで京助に向けた
「こないだ温泉行ったときにしっかりついてただろが;…ねぇ?」
そして京助も南の指を掴んだ
「…ねぇ?」
全員で言う
「まぁ何だっていいじゃん緊那羅は緊那羅だろ」
京助がそう言って南の指を離した
「私京助のそんな細かいこと気にしないところ好きよ」
坂田が頬に手を当てて少し体をねじった
「いやーんずるいわミツコ!私だって好きなのに!」
南が坂田を押した
「そういうなら私だってそうよ!京助君!私の愛っていうか私を受け取ってー」
中島が京助にガバッと抱きついた
「私貴方たちのそんな超馬鹿っぽいところ大好きよ」
中島に抱きつかれたまま京助が投げキッスをした

「あれ? 乾闥婆…?」
急須を持って台所にきた緊那羅が先がクルンとなっている後ろ髪を見て声を掛けた
「…緊那羅?」
振り向いた乾闥婆が緊那羅に歩み寄る
「他の方たちは? いないのですか?」
台所に入ろうと足を進める緊那羅について乾闥婆も歩く
「京助の部屋に中島達がいるっちゃ。ハルミママさんと慧喜と悠助は買い物だっちゃ…迦楼羅は?」
急須をシンクの上に置いて戸棚から茶っ葉の入っている円柱の缶を取り出した
「迦楼羅は【上】に呼ばれて…それはお茶ですか?」
乾闥婆が円柱の缶を珍しそうに見た
「あ…そうだっちゃこの中にお茶の葉がはいてるんだっちゃ」
ポンっという音をさせて緊那羅が蓋を外した
「貸してください」
乾闥婆が手を差し出した
「え?」
緊那羅がきょとんとした顔で乾闥婆を見る
「僕が淹れます」
にっこりと乾闥婆が笑って言った