はちみつ色の狼
23 So...That.
それから数時間後。
綺麗に掃除の行き届いた赤い部屋の中心。
二人の上司に、敬礼をする兵士が一人。
「護送の任務についてもらいます。」
「リード・ストック二等兵・・、」
「・・・え、僕ですか・・・?」
「あなた以外にこの部屋のどこに、リードと言う二等兵が・・、」
「エバ・・、」
「すみません。」
「・・という訳だから。」
「はいっ!了解いたしました!」
それと、同時刻。
赤い部屋とは対極に薄暗く、湿った小さな壁紙もはがれた部屋の隅。
『ブラックマンデーミッションスタート。』
『イエス、サー』
暗闇の中に浮かぶのはニヤリと口元に讃えた笑顔。
暗がりには他に数名ほどがその笑顔の人物を取り囲むように立っている。
物語は、どうやら思わぬ方向へと進んでいくらしい。