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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回 ・四】On泉

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「いくわよ!! ヒロミ!!」
「はいッ!! お蝶婦人!!」

カコ-----ン!!

「甘いわよヒロミ!!」
卓球のラケットを突き出し坂田が南に向って言う
「監督…」
南がチラッと自動販売機の横の椅子に座っている京助を見た
「…エースを狙え」
京助が言った
「お約束だよなぁ…」
坂田側の得点版を捲りながら中島が言う
「ラムちゃん具合どぉ?」
京助の隣で額にパックのお茶を乗せて赤い顔をして横になっている緊那羅に南が声を掛けた
「気持ち悪いっちゃ~…;」
どうやらのぼせたらしい
「寒い寒いってなかなか上がらなかったお前が悪い」
半ば呆れ顔で京助が旅館のご案内パンフレットで緊那羅を仰いだ
「だって~…;」
緊那羅が力の抜けた声を出した
「鳥さんはまだ入ってるんだろ?」
中島が得点版を卓球台の上に置いて腰に手を当てた
「たぶん」
京助が言う
「そういや乾闥婆って一緒じゃなかったよな?」
卓球のラケットで肩を叩きながら坂田が言った
「散歩行くとかいってたっちゃ…」
緊那羅が小さく言った
「散歩?」
京助と南が同時に聞くと緊那羅が頷く
「迦楼羅が上がる頃には戻るっていってたっちゃ」
ゆっくりと体を起して座った緊那羅が溜息をついた
「何も今いかなくともいいじゃんねー…裸の付き合いしようぜ裸のさぁ」
中島が言う
「裸見られたくないとか」
南が言った
「実は着やせしてるとか女だとか」
「誰がですか」
坂田が言うと後ろから声がした
「だ れ が 女で だ れ が 着やせなんですか? 坂田」
にっこりと笑顔で乾闥婆が立っていた
「い…いっやーん!!; けんちゃんおかえりなさーい!;」
坂田が引きつりながら笑顔で言った
「ただいま…迦楼羅はまだ…のようですね」
ぐるり部屋を見渡して乾闥婆(けんだっぱ)が言う
「いや部屋の方にいるのかもしれねぇし…」
京助が言った
「お前風呂は?」
中島が声を掛けると乾闥婆が振り返った
「入りますよ?男湯に」
にっこり笑った (でもどこか怖い)ままで乾闥婆が坂田を見ながら答えた
「一緒にはいりゃよかったのによー」
京助が言う
「…僕は静かに入るのが好きなんです」
そう言って部屋から出て行った
「つれないなぁ…」
南が苦笑いで言った