小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

「…おいこら；」
京助が制多迦の腕を引っ張った
「…どこへ行くどこへ；」
腕を引っ張りながら京助が聞くと制多迦が仕切りを指差した
「…うすけに会いに行くんだけど」
「あかんっての；」
京助が制多迦の腕を思い切りぐいっと引っ張るとよろけた制多迦が湯の中に座り込んだ
「男禁制ってんだろが；」
濡れたタオルで制多迦の頭をべシャッと叩くと制多迦が竹製の仕切りの方をじっとみる
「悠助は男じゃないの？」
足を組みなおして矜羯羅が話しに入って来た
「10歳以下は男でも女でもあんまり関係ない…様な気がする風呂に関してはだけど；」
中島が言う
「ふぅん…」
矜羯羅が立ち上がり湯船に入る
「…ういえば緊那羅って…たしか…」
「え？」
「さっむ---------ッ!!!」
何か言いかけた制多迦の声を慧喜の声が掻き消した
「慧喜!!」
京助と中島、そしてタイミングよく露天に入って来た坂田と南が慧喜の声に反応した
「中のあの壁は無理でも」
中島が湯から上がった
「外のあの高さの壁ならば」
京助も湯から上がる
「覗いて見せよう肩車!!」
通路を足早にやってきた坂田が言う
「そこに女湯ある限り!!」
南が言うと四人揃って竹製の仕切りに目をやった
「何を覗くの？」
慧喜が聞く
「そりゃぁ女湯…ぅおおおおお!?；」
竹製の仕切りのから男湯の方を見ている慧喜に気付いて3馬鹿と京助が声を上げた
「きゃー!!　慧喜っちゃんのえっちー!!；」
南が慌てて前を隠す
「あ、制多迦様ー矜羯羅様ー!!」
身を乗り出して慧喜が制多迦と矜羯羅に手を振った
「湯加減いかがですかー？」
慧喜が笑いながら聞くと制多迦が笑顔で手を振り返す
「慧喜さん!!　駄目だよ!；　怒られるよ－!；」
悠助の声が聞こえる
「慧喜ー!　もう少し前に!!　前に!!」
坂田と中島が両手で手招きをする
「そそ!　ずずいっと!!」
京助と南も同じく両手で手招きをした
「慧喜さーんっ；」
「あ…ごめんね悠助」
悠助の困った声に慧喜が振り向いて竹製の仕切りから消えた
「あ～ぁ…；」
慧喜が消えたと同時に3馬鹿と京助の肩ががくッと下がった