【第六回 ・四】On泉
「軽い脳震盪ですね。しばらくすれば気付きます…が…ここでは風邪引きますね…頭動かさないように中に運んでください。お尻の方の処置は気づいてからですね」
乾闥婆が駆けつけた従業員にてきぱきと指示を出している
「…医者みてぇ…」
3馬鹿と京助が感心して頷いた
「だから乾闥婆は迦楼羅専属の医者見たいなものなんだってば」
矜羯羅がソレに対して突っ込みを入れる
「さっきも南が聞いてたけど鳥類どっか悪いのか?」
京助が思い出したように矜羯羅に聞いた
「態度?」
「性格?」
「根性?」
坂田、南、中島が冗談交じりで言う
「…まぁ…ソレもあるかもしれないけど本当ドコ悪いんだ?」
京助が再び聞く
「…僕が言うわけにはいかないよ…【時】がくれば迦楼羅が直接話す時期が来ると思うから」
矜羯羅がにっこりと微笑んで言った
「また【時】かよ…;」
京助が頭をかきながら溜息をついた
「え? 何? 何? 【時】って何?」
南が京助に聞く
「…うすけと京助にとっても僕達にとっても…南達にとっても凄く大事な事」
制多迦が小さく言った
「え? 何…俺らにも関係あんの?」
坂田が聞く
「というか…生きとし生けるもの全てだね」
矜羯羅が答える
「特に京助と悠助…【時】は君たちを待っているから君達が目覚めるのを」
そう付け加えた矜羯羅が目を伏せた
「目覚め…って俺起きてるンですが」
京助が言う
「…うじゃなく」
京助にすかさず制多迦が裏手ツッコミを繰り出した
「おお!! ナイス突っ込みタカちゃん!!」
中島が親指を立てると制多迦も笑って親指を立てた
「…だから…制多迦に変なこと教え込まないでくれる?」
矜羯羅が溜息をついた
作品名:【第六回 ・四】On泉 作家名:島原あゆむ