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WishⅡ  ~ 高校2年生 ~

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 奏が、満面の笑顔で元気に返事を返す。
「なんや、元気な声、出るんやないか」
 物静かで穏やかな……そんな子だと思っていた奏の大きな声に、祖父が笑った。
  

「気ぃ付けてな」
「うん」
「堀越のお祖父さんお祖母さんの言うこと、ちゃんと聞きなさい」
「うん」
「身体、大事にしなさい」
「うん……」
「無理したらアカンで」
「……うん」
「慎太郎くんや奏くんに迷惑かけんようにな」
「もう!」
 京都駅は新幹線のホームで、祖父母と姉の攻勢に航がキレた。
「ちっちゃい子ぉやないねんから、そんな、あれもこれも言わんかて分かってる!」
 心配してくれるのは有難いのだが、友人二人の前では、流石に恥かしいのだ。
「大体、最後のはなんやねん!?」
 と、姉の帆波を睨みつける。
「一番リアルな問題やと思たんやけど?」
 “なあ?”と慎太郎を見る帆波。
「そこは、是非、ビシッと!」
 慎太郎が“どうぞ”と帆波に手を差し伸べる。
「なんでや!?」
 拗ねる航の横で奏がクスクスと笑っている。
「奏まで、なんやねん!?」
「……いや……別に……」
 と言いつつ、心当たりがあり過ぎて笑いが止まらない。
「どいつもこいつも!!」
 航以外の五人が顔を見合わせて笑った。
 頬を膨らませて線路側を向いた航の目の前に、新幹線が到着する。
 窓越しに手を振りながら、三人は京都を後にするのだった。