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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「何なんだい?」
京助につれてこられた柴田が聞く
「君…魔法猫とかいうのだとか…何とかできないの?」
柴田が制多迦に指を突きつけて言う
「…うだけどコレばっかりは僕にはなんとも…;」
そう言って制多迦がチラリと横目で背後を見た
物々しい空気の中に恐ろしい笑顔の二人
デロデロという効果音が聞こえてきそうなそんな光景に制多迦が目を逸らした
「…手上げ;」
両手を挙げて制多迦が苦笑いする
「俺は早く京助君を連れて行かないといけないんだけどなぁ」
柴田が言うとチシャねこんがらと乾闥婆が同時に柴田をキッと刃物のような目つきで睨んだ
「うるさいですよ!!」「うるさいよ!!」
二人同時に怒鳴られ睨まれた柴田が苦笑いをした
「ハモらないでいただけますか?」
乾闥婆(けんだっぱ)がにっこり笑ってチシャねこんがらに言った
「そっちこそ。今のは僕のほうが早かったんだから」
チシャねこんがらも負けじと笑顔で言い返す
「…触らぬ神にたたりなしだ;」
京助が言う
「…悠か?」
ボソッと京助が言うと数秒間を空けて柴田が頷いた
「わかった行く」
京助が立ち上がった
「…ょうすけ;」
制多迦が京助の服を引っ張った
「悪ぃ制多迦。俺行くわ。俺何だかんだ言ったって悠の兄貴だし悠は俺の弟だし」
服についた土を払いながら京助が言う
「元は俺が原因だしな」
そして苦笑いを制多迦に向けた
「…かった…じゃぁちょっと待って」
【よいしょ】と小さく言って制多迦が立ち上がり左足についている小さな鞄のようなものをゴソゴソ漁りだした
「…ったあった」
そして何かを見つけた制多迦(せいたか)がにっこり笑って京助を見る
「…割り箸?;」
制多迦の手にあったのは【おてもと】とミミズののったくったような達筆でかかれた袋に入った割り箸が一膳
「…れは魔法のステッキ」
制多迦がそう言いながら割り箸…魔法のステッキを振ると【ピロリロピロリン♪】というよく玩具から聞こえる音が鳴った
「今から京助を悠助の元へ」
いつの間にか手にハエ叩きを持った南が制多迦の隣にいた
「しっかり謝ってこい」
後ろから坂田の声が聞こえ京助が振り返ると手に箒を持った坂田に肩を叩かれた
「やっぱり俺見えてない?」
中島の声が聞こえ辺りを見渡すと靴べらが宙に浮かんでいた
「京助」
京助が名前を呼ばれて振り返るとそこには緊那羅とゼンとゴが立っていた
「自分の存在理由から逃げないで…」
緊那羅が京助を真っ直ぐ見ていった
「…ソレ前に鳥類にも言われた」
京助が言うと緊那羅が小さく歌った
さっきも聞いた妙に頭に残る旋律
「ちゃっちゃといきますか」
坂田が言うと南と制多迦と中島…というか靴べらが京助を囲んだ
「ピ~リカ●リララ~…」
「ちょっと待て」
坂田が呪文(かも知れない言葉)を唱えだすと京助がソレを止めた
「なんだよ」
坂田が言う
「何の呪文だ何の!!;」
京助が怒鳴る
「うるさい!!!!!!!」
ゴゥっという強風とともに乾闥婆とチシャねこんがらの声が響き全員が固まった
「…っかり忘れてた;」
制多迦が苦笑いを浮かべて割り箸を振ると今度は【ユ (ゥ)アッシャー!】という某北斗七星拳の使い手の声がして京助を光が包んだ
「おぉお!!?;」
自分を包んでいる光に驚いて京助が自分の全身を見る

「ドッキリドッキリドンドン! 不思議な力がわいたらどーする♪」
南がハエ叩きを掲げながらウィンクしつつ歌った
「…どうもしねぇよ;」
ソレに対し京助が裏手拳を交えて突っ込む
「何だかとっても素敵ねいーでしょ♪」
南に続いて中島(の声)も靴べらを掲げて歌う
「よくねぇって;」
そしてその中島( の声)に対しても京助が突っ込む
「まぁいいってことにしておけよ」
坂田がハッハと笑いながら箒を掲げた
「…ジカルステージ!」
制多迦が叫ぶと京助の足元だけぽっかり穴が開いた
「…マジ?;」
その穴を指差して京助が周りを見ると一同がさわやかな笑顔で手を振り頷いた
「…ってらっしゃい」
制多迦がパチンと指を鳴らすと無重力が京助に押し寄せた