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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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ツンツン…
ツンツン…

何かに何かで突付かれている感じがする

「…ぅ…」
重いまぶたを開けると覗き込んでいる二つの同じ顔
「気付いたんだやな?」
覗き込んでいたのはゼンとゴ
「…ここ…は?」
京助が体を起こす
「正月町」
ゼンとゴがハモって答えた
「…あ・そ;」
何度聞いても変わらない質問の答えに京助も変わらない言葉が出る
「…あいつ等は…?」
さっきまでうじゃうじゃといた仲間 (?)が数人見当たらず京助が二人に聞いた
「知らないんだやな」
ゼンが答えた
「ゴ等が見つけたのは京助だけなんだやな」
ゴが京助に向かって手を差し出す
京助がその手をとって立ち上がった
「とにかく案内するからついてくるんだやな」
ゼンが京助に向かって笑うと歩き出す
「案内…ってどこに?」
京助が聞くとゼンが京助の背中を押して歩き始める
「黙ってついてくればいいんだやな」
ゴが言った
「気にするってのッ;」
「そんなに気になるもの?」
小馬鹿にしたようなクスクスという笑い声とともに聞こえた声
それは聞いたことのある声で京助が上を見上げた
「…矜羯羅?;」
木の枝の上にいたのはたぶんおそらく間違いなく矜羯羅「何?」
京助に名前を呼ばれ矜羯羅が返事をして微笑んだ
「…矜羯羅で…いんだよな?」
京助が木の枝の下まで来て矜羯羅を見上げる
「そうだけど?」
そう言った矜羯羅の腰辺りには紫と白の縞模様の長い紐のようなものがついていた
そして耳に当たる部分には紫色の獣耳
「チシャねこんがらなんだやなッ!!!」
ゼンが叫んだ
「京助! 離れるんだやなッ!!」
ゴが京助に向かって叫ぶ
「…チシャ…猫…んがらぁ?;」
京助がゼンの言った名前を繰り返す
「そう。【チシャ猫】の【矜羯羅】でチシャねこんがら」
そういって京助の目の前に降りてきた矜羯羅…もといチシャねこんがらの首には鈴がついており降りてきた時にチリリと鳴った
「誰かを探しているんでしょ?」
にっこり笑いながらチシャねこんがらが京助に言った
「僕の相方ならきっと見つけられると思うよ? なんたって魔法猫だから」
長い尻尾が京助の体に巻きついた
「京助!!」
ゴが再度叫ぶ
ブンッ とゼンが足元の石を投げつけるとそこに居たチシャねこんがらが消えた
「…逃がしたんだやな」
ゴが呟いた
「誰が逃げたって?」
はっとして振り返るとゼンの後ろにチシャねこんがらがいた
「ゼン!!」
ゴがひざを曲げた
「スト---------------------ップ!!」
京助が声を上げた
その声に一同が京助をみて一時停止した
「矜羯羅」
京助が矜羯羅に目を向けると矜羯羅が微笑んだ
「…みんなは何処にいる?」
「京助!」
ゼンとゴが同時に京助に向かって叫んだ
「大丈夫きっと見つけられるよ? そう…僕の相方なら…ね」
ゼンから離れたチシャねこんがらの鈴がいつの間にか京助のすぐ隣で鳴った
「だって魔法猫だから」
チシャねこんがらがそういうと辺りが暗くなった
「な…?;」
京助が辺りを見渡すと一本の木がライトアップして暗闇に浮き出てきた
「…っほー」
独特の最初の一言が聞き取れないという話し方がスピーカーを通したときのように大きく響いた
「何なんだやな」
ゼンがライトアップされている木に注目する
「最高の天才児!」
何処からともなく聞こえた坂田の声
「坂田…?」
京助がその声を元に坂田を探す
「誰もが驚いたもんだ! 素晴らしいヤツさ!! 俺------!!」
カッ!! とライトの光が濃くなり照らされた一本の木の上に二つの人影
「3ケンジャー坂田!」
ゴが目をキラキラさせて叫んだ
「隣にいるのはもしかして奇跡の魔法猫の…制多迦なんだやなッ!!」
ゼンが言う
「そうアレが僕の相方…魔法猫 制多迦だよ」
チシャねこんがらがくるっと宙返りをするとふっとその姿が消えそして今度は木の上に現れた
「小さくはないけど可愛い黒猫」
チリンとチシャねこんがらの首の鈴が鳴った
「とぅ!!」
坂田がジャンプして木の枝から離れた
「ばっ!; お前高すぎ…ッ!!;」
ゆうに5mはある高さから坂田が飛んだのを見て京助が叫んだ
「心配後無用!」
坂田のその声に制多迦も飛び降りて坂田を小脇に抱えて着地した
「はぃッ!!」
右掌に坂田が立ちソレを高らかに掲げて制多迦と坂田がキメのポーズを取る
「…阿呆か…;」
呆れている京助とは反対に目をキラキラさせている妃偉と
「すごいんだやな…」
ゴの声に頷いているゼン
どうやら痛く感動しているらしい