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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「…そういや阿部は…」
京助が緊那羅に聞いた
「阿部さん? 知らないちゃよ?」
緊那羅が返す
「どこいったんだ…?」
京助がボソッと呟いた
「とにかく早く悠助を追わないとなんだやな」
ゼンが言う一同が頷く
「ここから一路正月町を目指すんだやな!!」
「わぉーんッ!!」
ゴが言うとコマトイヌが元気よく返事をした
「そだ! コレ連れて行け」
中島がそういうと指を弾く音が聞こえジュース類が入った冷蔵庫が勝手に開いた
「…コレとはなんですか」
出てきて速攻中島 (がいるらしい場所)に向かって歩き中島の頬 (らしき場所)を思い切りつねり始めたのは乾闥婆
「け…」
京助が乾闥婆の名前の最初の一文字を口にした瞬間何処からともなく歌声が聞こえてきた
「歌が聞こえる」
京助が言うと一同が頷いた
「何処から聞こえてくるんだやな?」
ゼンが窓を開けると波の音が聞こえた
「…海?;」
京助がゼンを押しのけて窓の外を見るとそこは太陽の光を受けてキラキラと輝く大海原のド真ん中だった
「そこ! 身を乗り出したら駄目なんだなや!!」
いつの間にか【航海士】と書かれた腕章をつけたゴが陳列棚に並べてあった即席ラーメンを京助に投げつけた
「落ちておぼれてアップップになっても知らないんだやな」
腰に手を当ててゴが少し眉を吊り上げる
「いつの間に…;」
「さっきの間っ」
京助が即席ラーメンの直撃した箇所をさすりながら呟くと耳元に吐息がかかった
「っだぁああッ!?;」
耳を押さえ京助が飛びのく
「いゃあん京助かっわいー!」
そこにいたのは南…もとい【アサクラ・南】
「おっ! 南ヒッサー!」
中島 (声だけ)が南に声を掛ける
「ひさー! 相変わらず影薄すぎて見えないなぁお前」
自慢の長い髪(ヅラ)を海風に靡かせて南が笑う
「3ケンジャーが二人もいっぺんに二人も拝めるなんてすごいんだやなっ!!」
ゼンがキラキラさせながら言う
「ラムちゃんもひさー! 相変わらずだねぇ」
「っうわっ!;」
南が振り向くと同時に緊那羅の胸を掴んだ
「うんうん成長期」
そのままふにふにと揉み始める
「…羨ましいんだやな?」
ゴが京助を見た
京助が無言で少し頷く
「ん…っや…」
顔を赤くして緊那羅が力なく床に座り込んだ
「…ってか…コレ本当はしょっぱい光景なんだよな…」
頭ではわかっていてもついつい目が離せなくなってしまう辺り僕、男の子
「そこから先はR-18で」
スパァーンという軽快な音で京助はハッと我に返った
「いってーッ!!;」
乾闥婆が丸めた雑誌で南の頭を叩いたらしい
「こちらは表ですのであくまで健全…なのかはわかりませんがそういう行為はきちんとそれ相応の場所でして下さい」
トントンと丸めた雑誌で手を打ち乾闥婆が南を睨んだ
「ちょっとしたスキンシップじゃんー;」
南が頭をさすって口を尖らせた
「そのスキンシップで興奮している方々がいるんですから」
乾闥婆がチラっと京助と中島(見えない)に目を向けた
「だって男の子ってやつなんだやな?」
ゴが京助の服を引っ張って言う
「だってラムちゃん相変わらずなんだもん」
紺色のプリーツスカートを靡かせて南がアイスの入ったフリーザーの上に腰掛けた
「緊那羅も緊那羅です…まったく」
乾闥婆が溜息をつく
「やかましいわ!たわけッ!! ゆっくり竜田揚げも食えないではないかっ!!」
迦楼羅が京助の頭の上から怒鳴った
「おンまえは人の頭の上で食うなっつーのッ!!」
京助が迦楼羅を掴んで投げた