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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「ゴ!」
ゼンが名前を叫んで掃除用具入れから出てきたゴの元に駆け寄った
胸にはなぜか醤油の一升瓶
緊那羅もゴに駆け寄る
「アイツはどこなんだやなッ!」
「わからないんだやな…ゴが醤油を探している間に…」
ゴが醤油瓶を抱きしめた
「な…じゃあ!!」
ゼンがゴの腕を掴んだ
「濃口醤油しかなかったんだやな…」
迦楼羅が緊那羅の肩の上から言うとゴが頷く
「…本格的にきたんだっちゃね…【時】が…早く追いつかないと…」
緊那羅が難しそうな顔で言った
「…醤油…なにがどうして醤油…;」
いよいよ話がわけわからなくなってきた京助がボソリと呟いた
落書きとしか思えない絵やらが描かれた黒板
「様は何? 【時】って言うのが来て…」
京助が黒板に書いてある【時】とう文字を指で指した
「アイツが」
ゼントゴが同時に互いが【アイツ】と口を揃えた
「…いなくなったと」
それに京助がシメの一言をつけると二人が頷いた
「で…俺は何を追いかければいいんだ?」
京助が溜息混じりに聞いた
「まずは【3ケンジャー】に会って詳しく話を聞くんだやな」
ゼンが黒板の【時】の字から伸びている矢印の先に書いてあった【3ケンジャー】という文字をコンコンと小突いた
「3ケンジャーは全て知っているようで知らない凄いのかよくわからないが凄い方達なんだやな」
ゴが醤油の一升瓶を背中に背負う
「いや…なんかソイツら駄目なんじゃ…;」
ゼンの3ケンジャーの説明に京助が突っ込んだ
「3ケンジャーはここから東の正月町に住んでいるはずだ」
迦楼羅が京助の頭によじ登り髪の毛を引っ張って言った
「正月…ってじゃぁここは何処なんだ?」
京助が聞くと
「正月町」
一同が声をそろえて返した
「…あ・そ;」
京助が口の端をあげた

ゴが出てきた掃除用具入れの中に入るとそこは見覚えのある風景
「公園…」
ブランコがあり回転塔がある正月町の公園だった
「ここのどこかに3ケンジャーの一人が隠れているはずだっちゃ。京助早く言うっちゃ」
緊那羅が京助に言う
「言うっちゃって…何を言えばいいんだっちゃよコレ;」
京助が緊那羅(の胸の谷間)を見て言った
「たわけ!! 決まっているだろう! 隠れている物に尋ねる言葉だ!!」
迦楼羅(かるら)が頭の上から怒鳴った
「その言葉は京助にしか言えないんだやな。早く言うんだやな」
ゴが京助に言う
「隠れているものに…って…;」
京助がしばらく黙って考え込んだ後ゆっくり口を開いた
「も…もーいーかーい?」
京助がそう言った途端に公園中の遊具が光った
「な…ッ;」
まぶしさで目が開けていられない京助達の耳に聞こえた言葉
「もーいーよー」
ようやく目を開けられるようになった京助が恐る恐る目を開けるとそこは公園ではなくコンビニの店内らしい場所で陳列棚には弁当をはじめ色々なものが並べられていた

「コマ!!」「イヌ!」

ゼンとゴの声に京助が振り返ると丁度レジのところにはに二匹の見たことのある犬
「だっめじゃーん大事ならしっかり守ってやらないとさぁ」
ジャーっと水の流れる音がして声がした
「…この声…」
京助が水の流れる音がした方向に目を向けた
「…れ?;」
声はすれどもなんとやらでその声の主の姿がない
「…なか…じまだよな?;」
聞いたことのあった声の主の名前を京助が言った
「そうだぞ? 3ケンジャーが一人!! 中島様だ!!」
【W.C】と書かれた戸がキィキィと開け閉めを繰り返しているがそこにはやはり人の姿はない
「中島様は影が薄すぎて見えないんだやな」
イヌを頭の上に乗せたゴがケラケラと笑った
「どうやら中島様が助けてくれたらしいんだやな」
コマを抱いたゼンが言っう
「そーそー! 俺が影が薄いのをいいことに連れて行かれる途中だった二匹を救出したわけよ」
中島(の声)が崇めよ! という感じに言った
「さすが3ケンジャーの一人だっちゃ」
緊那羅が尊敬の眼差しを中島 (がいるらしき場所)に向けた
「でも何でイヌが…」
ゴが頭の上のイヌを見上げた
「ソレを言うんなら何でコマも…なんだやな」
ゼンがコマを撫でる
「何か共通点とか…あるっちゃ?」
緊那羅が聞くと二人と二匹が揃って首をかしげた
「なぁ…中島」
京助が中島 (がいるらしい場所)に向かって言う
「俺は何を追いかければいんだ?」
そういうと京助は肩をポンと軽く叩かれた
「悠だろ? 悠」
「は…?」
中島の言葉に京助が目を丸くした
「お前は今悠を追いかけていたはずだろう?」
中島 (の声)が言った
「…悠…? …そうか…俺…緊那羅!」
京助が緊那羅を振り返る
「…でも待てよ…確かに俺は緊那羅と阿部と…悠を迎えに行くって家を出たけど…」
そして考え込む
「…ここ何処だ?」
そんでもって顔を上げてぐるり見渡して京助が聞いた
「正月町」
「あ・そ;」
ハモって返ってきた答えは同じだった