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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「うおっ;」
心地よかった感触を思い返ししみじみしている京助が聞き覚えのある声に驚く
「ゴ…じゃないお前はゼン…?;」
「ピンポンなんだやな」
ニカッ と笑ったゼン
「ゼン」
緊那羅が立ち上がってゼンに近づく
「待ってたんだやな」
そう言って緊那羅を見た
「じゃぁやっぱり【時】がきてしまったんだっちゃね?」
緊那羅が言うとゼンが頷いた
「だからむかえにきたんだやな。早く追いかけないと手遅れになっちゃうんだなや…早く…アイツのところまで」
ゼンが京助の腕を引っ張って歩き出した
ゼンに手を引かれてただその後ろをついて歩いていた京助が足を止めて目の前に現れたものを見上げた
「…豆腐?;」
白くそれでいて微かに香るは昔懐かし大豆の香り
桁外れの大きさ意外はそれは紛れもなく豆腐だった
「でけェ…;」
空高く豆腐そびえ立つ森 (?)の中
「もたもたしてられないんだなや」
ゼンが躊躇いもなくその巨大な豆腐の中に足を進める
「ちょ…な…おぉお!?;」
「早く入るっちゃ」
入るのを足を踏ん張って拒絶していた京助を緊那羅が思い切り押すと メヌン という感触と共に京助の体が巨大豆腐の中に消えた
そして京助に続いて緊那羅も巨大豆腐の中に入っていった
「だっ!!;」
緊那羅に押されて中に入った京助が顔面から倒れた
「何してるんだっちゃ;」
その京助を緊那羅が引っ張って起す
「お前が押したからだろうに!; お前がッ!!;」
緊那羅の手を振り払って京助が怒鳴る
「静かにせんか!! たわけッ!!」
聞き覚えのある声が頭の上から聞こえた
「…鳥類?」
迦楼羅の声だと気づいた京助が上を見上げたがそこに迦楼羅の姿はなくあるのは見覚えのある蛍光灯と天井
「…ってかここ教室じゃん;」
ぐるり見渡すと結構余計なものがあったがそこは自分の通っている正月中学校2-3の教室だった
「こっちなんだやな!! 早く来るんだやな!!」
ゼンが教壇のすぐ近くから京助に向かって叫んだ
「あ…あぁ…;」
京助が首を傾げつつもゼンの元まで小走りでやってきた
「ゼンが京助達を迎えに言っている間に…遅かったんだやな…」
ゼンが悔しそうにこぶしを握り締めた
「そんな…」
緊那羅もそんなゼンをみて俯いた
「…なぁ…何がどうなってるんだ?;」
ただ一人何がどうなってるのかさっぱりわからない京助が何がどうなっているのかを二人に聞いた
「【時】がきたのだ」
頭の上から迦楼羅の声がまた聞こえ京助が上を見上げた
「…鳥類…? どっかにいるのか?」
蛍光灯の並ぶ天井を見上げ京助がどこかにいるらしい迦楼羅に声を掛ける
「…何寝ぼけているのだ! たわけッ!!」
その声と共に京助の目の前に迦楼羅の顔が逆さまになって現れた
「…ちょ…うるい?; …何だか…かっなり小さくなられて…」
大きさ約10センチ(推定)
「前々からワシはここにいるだろうが! まったく…」
背中に生えている金色の羽根を動かして飛んでいるミニ迦楼羅が溜息をついて言った
「ここって…」
京助が聞き返すと迦楼羅が京助の頭を指差した
「…目玉のオヤジかよ…;」
京助が口の端をあげて言う
「…ゼン?」
掃除用具入れの中からゼンを呼ぶ声が聞こえた
「誰だっちゃッ!!」
緊那羅が京助を庇うように前に出て構えるとその肩に迦楼羅(かるら)が止まり小さいながらも戦闘体勢に入った

ガコン! 

という音と共に掃除用具入れの戸が開いて中から出てきたのはゼンによく似た…