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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「京助ッ!!! 京助ってばッ!!」
泣き声に混じって聞こえ始めた自分を呼ぶ声
「…っ;」
背中に感じた冷たさと後頭部に感じた鈍い痛み
そして何故か醤油の匂い
「ふぇええええ!!」
泣き声が最大ボリュームで京助の耳に届いた
「京助!!」
緊那羅が呼ぶ声がして京助はその声のしたほうに顔を向けると泣きそうな顔をしていた緊那羅の顔がほころんだ
「…何…」
「馬鹿---------!!」
突然阿部に抱きつかれて京助が目をぱちくりさせた
「心配したんだから馬鹿ッ!! 阿呆ッ!!」
「ふえぇえええええ! ふぇええええ!」
阿部の喚き声と沙織の鳴き声のコラボが響いた
「一体…;」
わけがわからず呆然としている京助がボソッと呟く
「アンタ石段から落ちて気を失ってたのよ?」
母ハルミが呆れ顔で京助を見下ろした
「ごめんねぇ京助; ウチのキャサリンが飛び掛ったからビックリしたんでしょ?」
何だかどこかで聞いたことのあるような声で謝られ京助がその方向に目をやるとピンクの服を着た犬(シーズーっぽい)を抱いた恰幅のいいおばさんが買い物袋を腕にかけて苦笑いしていた
「…あ…いや;」
京助が阿部をつけたまま起き上がろうとするのを緊那羅が手伝い京助は身を起した
「ほらほらお兄ちゃん大丈夫でよかったでちゅねー」
泣き止まない沙織を女性があやして泣き止ませようとしている
「大丈夫だっちゃ?」
緊那羅が京助の背中の雪をを軽く払った
「あ? …あぁ…」
身を起し辺りを見るとたぶんおばさんの買い物袋から飛び出したらしき袋が破れたホットケーキミックスと割れた醤油のビン(小)が散乱している
「悪運つっよいわねぇアンタ…」
悪態をつくのは安堵からなのか母ハルミが微笑んだ
「…母さん…」
そんな母ハルミを見て京助の頭にさっき気を失っている中で見た光景が浮かんできた
「そうだ母さん!! キンタマ!!」
京助が母ハルミに向かって大声で言う

「…潰れたの?」
母ハルミの一言で一同の視線が京助の股間に集中した
「ちっが…!; 金色の玉が割れて…俺…父さん見た」
「アンタ頭打った?」
京助が言うと間髪いれずに母ハルミがそう言って京助の頭に手を置いた
「割れたのは醤油のビンだけだよ?」
おばさんが言うとキャサリンという犬が吠えた
「そうじゃなく…ッ…」
頭ではまとまっているはずなのにいざ言葉で伝えようとすると言葉が上手く出てこないという事態に陥って京助が頭を掻いた
「ふぇえええ! ふぇえええ!!」
その苛立ちに追い討ちをかける沙織の鳴き声